以前、カメラのレリーズタイムラグだけ遅れて発光する遅延ストロボを作りましたが、この遅延回路を応用して、外部スレーブストロボに使用するプリ発光キャンセル回路を考えてみました。
(図1)、(図2)はプリ発光キャンセルの概念図です。デジカメ内臓ストロボのプリ発光をひきがねにタイマーが作動します。しかし、遅延回路により、この段階ではタイマーの出力はOFFの状態ですのでTRに電流は流れません。タイマー出力はプリ発光と本発光の間にONになるように設定しておきます。出力ONの状態で本発光が起きるとTRに電流が流れストロボが発光します。ただ、ジジイの作った試作品においては、(図1)の構成では実際にストロボを発光させることができませんでした。(図2)の構成で試してみたところ発光させることができましたので、この構成を採用しました。
デジカメのプリ発光から本発光までの時間差を考慮し、遅延回路は入力から約1/1000秒遅れて出力ONになり、この状態を約1秒キープした後、スタンバイ状態に戻る設計になっています(図3)。
下に試作品の回路図を挙げておきます。おかしいぞと思われる点もあるかもしれませんが、何分にも素人手ですのでご勘弁のほどを。
遅延回路用のタイマーICは低電圧で作動するLMC555CNを使いました。サイリスタと受光素子はジャンクストロボからの取り外し品です。サイリスタはCR3AMZ、受光素子は可視光カット樹脂モールドタイプのフォトダイオードと推定しています。
この回路では、デジカメの内臓ストロボ発光部と受光素子の間を30cm以内にセットしないと外部ストロボは発光しません。数m離れていても、タイマーICの3番端子に接続されたLEDは発光することから、受光素子及び遅延回路には問題がなく、サイリスタを含めた本発光回路に問題があるような気がしています。ただ、外部ストロボをコンデジのそばにセットして補助ストロボとして使用するというのであれば問題なく使えますので、今回はこれでよしとします。
受光素子の他、ホットシュー接続できないストロボを使用できるようシンクロコードを引き出してあります。
サイリスタで出力していますので、古い高圧ストロボを使うことができます。
ナショナルのストロボPE-200Sを接続しての発光同調試験です。カメラは富士フィルムのFinePix F800EXRです。手持ちのデジカメで同調を確認してみたところ次の通りとなりました。
同調したカメラ: パナソニック DMC-FX90、 FX150 富士フィルム F800EXR ニコン COOLPIX S3500 カシオ EX-ZS160
同調しなかったカメラ: カシオ EX-Z2300 EX-S10