回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

中仙道を歩く⑥高崎~板鼻~安中~松井田

2015-03-09 12:21:01 | 中仙道(中山道)

3月8日(日) 小雨のち晴れ

上野発7時23分発高崎線普通高崎行き~高崎着9:08着

天気予報は見事に当たって雨・・。

やむなく傘をさして歩き始める。前回終わった高崎駅西口からメインストリートを戻り、城址公園の手前、連雀町に沿う鞘町のアーケードを抜ける。

赤坂という坂の途中にはいくつかのお寺。縁起に「高崎」という地名ができる前に「松崎」が候補にあがったことなど書かれてある。

さすが達磨の町だからかどうか知らないが、他にも曹洞宗のお寺が多い。

味噌工場の煉瓦の煙突を左に見てレトロな街並みを抜ける。

同じように街道歩きをしているような男性が前を歩いている。

むかし烏川に架かっていた君が代橋の国道拡張のために橋柱が移設されている。

そこを国道18号線に沿って右に折れる。

晴れていれば新しい「君が代橋」から正面には榛名山がくっきりみえるはず・はず・はず・・・。

橋を渡ってしばらくすると豊岡の町に入り、まもなく、若宮八幡宮。

ここでちょっと休憩を、と神社の階段に座ろうと近づくと、味噌工場の前で会った男性(年の頃は35才くらい?)が先に雨宿り兼お参りをしていた。

 

とても元気な青年で、長野の飯山に在住し、昨年から中仙道歩きを始めたらしい。旧街道は殆ど人が通らないので、初めてなのにまるで旧知に再会したように嬉しく話が弾む。

我が家は都内にあるから日本橋を起点とする街道歩きは楽だが、長野ではまず日本橋に出るだけでも大変だろうと思う。

「明日も休みを取っているので、碓氷峠越えをしてしまいたいんです」と青年。

男性一人ならすたすたと問題なく歩いてしまうだろうが、この雨がちょっと心配ですね、などと言って別れ青年は先を行く。

今年になって初めて見たサンシュユ。

やがて街道は国道と合流して自動車ブンブンの道を歩く。

しばらく行くと「大門屋」というダルマ製造所が右にあり、おもしろそうだと店内に入って何百と積まれたダルマさんとにらめっこなどしてみる。

国道とサイクリングロードを渡れば有名な少林山達磨寺(遠いのでパス!)、とにかく進むと右に立派な赤い門、群馬八幡の鳥居である。

やがて道幅が旧街道の面影を残す幅となり、信州街道分去れの道標が右側に。

 

信越本線の踏切を渡ると、もう板鼻の宿である。

ちょうど12時。空腹を覚えたところでタイミングよくこんな食堂を見つける。

なかなか由緒ありそうな食堂、建物からみてむかしは旅籠だったかもしれない。

さて、ここでびっくり、わたしたちが入ろうとした瞬間、お客が一人出てきた。

「やあ!お先にいただきましたよ!」と陽気なその声はさきほど若宮八幡で会った長野の青年であった。

わたしたちがダルマとにらめっこしたりしているうちに、だいたい30分違いの差がついたようだ。

この食堂のお薦めは「タルタルかつ丼」

 

これはなかなか乙な味☆

自分でゆで卵とタルタルの素?をまぜてカツ丼が来るのを待ち、来たらそこにのせて食べる。

カツの下にタマネギが甘辛く炒めて敷いてあり、それとタルタルが微妙にマッチ!

歩いていてお腹がいっぱいになると辛いので普通盛りでなくミニ丼にした。600円。

食事を済ませて外に出たら雨が止んでいる!ラッキー!お昼から晴れるという天気予報が正しく当たっている。

板鼻宿は板鼻川の流れを取り込む美しい水の街。

うっとりしながら、やがて碓氷川。

ここを過ぎ、もう一度碓氷川に架かる久芳橋を渡るともう安中の宿。

橋の右には妙義の峰々が雲の合い間に見え隠れし始めた。

安中宿の街道から少し外れて右側の坂を登ると、このような建物。

安中の町は何年か前に放映された大河ドラマがきっかけで賑わっていたようだ。

街道筋は相変わらず人がいない。

右側に醤油醸造の工場「有田屋」さんを見つける、店内でお醤油を使った和菓子も食べられる。

わたしの嗅覚ではここは美味しいはず!さっそくおやつ(と言ってもまだ2時前^^;)、

さっきお昼をミニ丼にしておいてよかった。

再仕込味噌使用のみたらし団子と甘味噌とアンコを練り合わせたあん団子をいただく。一本100円。

 

柔らかくてあったかくて醤油のコクが効いて美味~~~~☆☆☆

(お茶がでるともっとありがたかった^^)

さ~て、空はどんどん晴れて、原市の杉並木に差し掛かる頃には、こんな青空~~!暑い!

天気予報もこんな快晴になるとは予想もしていなかったろう+;;。

こうなってくると、花粉が怖い!くしゃみ連発、お目目が痛い・・。

 

 

マスクをして歩くとメガネが曇るし息があがって歩きにくいことこの上なし!

 

杉並木は、往時の木立から程遠く、もはや枯れかかっている。

 

ありがたき道祖神さま☆

それでもずんずん近づいてくる妙義山を眺めるのは爽快である。

郷原あたりの眺望。逆光なり++;

まもなく松井田の宿。

ここは碓氷峠越えの基点として、賑わった宿である。

ここから横川までは約6~7キロの距離。

歩いてしまえば次回はぐんと楽になるのだが、花粉が手ごわいのと、途中で道を聞いたおばさんが「それは遠いわよ!」とのたまうので、やむなく西松井田から信越線に乗り帰宅の途に就く。

ついでのことに、そのおばさんと立ち話が弾んで、東京墨田区で生まれ、戦争で山梨に行き、そこからこの松井田に転居したこと、

「静かでいいところですね~」と聞くと「ずっと住んでるとなにもないつまらない所よ~」なんて話してくれました。

「土」に「、」がついてなんと読むのだろう?

街道を左折し、西松井田駅16時04分発の信越線に乗り高崎まで。

高崎から新幹線で上野まで。新幹線自由席は日曜の夕方で超混雑@@!

ラッシュの中の立ちんぼは歩いているより、はるかに疲れる。

高崎始発の普通車に乗った方が時間は2倍かかるが、確実に座れたかもしれない。

高崎で会った青年はこのお天気に乗じて峠を越しただろうか?

本日の歩行距離:約21㎞。京都まであと約401㎞。

 

 

 


9 コメント

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Unknown (nebaneba)
2015-03-09 16:13:45
つち野 ひじ野かもよ。
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Unknown ()
2015-03-09 16:15:20
以前、33観音で高崎を往復した時は、行も帰りも快速のグリーンを使いました。
ゆったりした感じで楽だった。
だから、多少時間が掛かってもその方が楽。

いよいよ、山が迫って来ましたね。
迫力ある景色に、気も紛れましょう。

が、だんだん電車賃と時間が掛かって来ます。
どうすんですかね。
通い歩きの地獄かいな。
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Unknown (nebaneba)
2015-03-09 16:17:37
野じゃなくて ひじ松 か 間違えた
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nebanebaさんへ (やまびこ)
2015-03-09 16:48:28
すごい!検索したらピンポンでした♪http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q119115286
そういえば新選組の土方歳三も「土」を「ひじ」と読ませているね。
このお店は種ジャガイモとか、園芸の根っことか売ってるみたいでした。
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Bちゃんへ (やまびこ)
2015-03-09 16:58:50
そうだね、快速のグリーンはお得かもしれない。
朝出発したときは各駅で2時間近くもかかったので帰りは新幹線を使おうと思ったら大失敗でした(~~)
軽井沢までは新幹線を使うとして、八幡宿あたりから下諏訪はバスしか交通機関はないね。
いざとなったらウインクしてヒッチハイクかな(^^)v
東海道は楽だったけど、中仙道は中央線も使わねばならずちょっとやっかい☆
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Unknown (kincyan)
2015-03-10 05:01:11
なかなかいい風情です。街道歩きは、丁度腹が減るタイミングで飯屋があったり、歴史的な建物があったり、同じ道を進む人がいたり、ちょっとしたサプライズが続きますね。自転車だと、こうはいきません。少しスピードが早いようです。でも、断腸亭さんにまなんで、国道横の旧道を選んで走りますが、構造的に人が歩くスピードに合わせて作ってありますものね。
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kincyanへ (やまびこ)
2015-03-10 09:16:03
東海道が堂々とした陽の道だとすると、中仙道は静かな柔らかなイメージかな。
皇女和宮さんが降家された道ということでその遺構もたくさんあります。
旅のおもしろさ(特に歩き)はひとえに人との出会い,そして食との出会い(^^)
でもね、お腹が空いたのに一軒も食べる処がみつからず延々と空腹で歩き続けるとこもあり、長距離のときはおにぎりとかアンパンを携帯することもあります。
今度、一緒に歩きましょうよ(^^)/
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♪きたかぜ~こぞうの (やん姫)
2015-03-10 20:23:38
寒い中、お疲れ様です。

私個人のイメージですが、高崎と言えば、♪北風こぞうの寒たろう の歌を思い出します。

中山道は、岐阜県の恵那市や中津川にも通じているようですね。

冬になると、岐阜県恵那市へ スケートに行きます。
自宅から車で片道4時間ですが、昔の人は、山を越え、徒歩や駕籠で、中山道を旅していたのですね。
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やん姫さんへ (やまびこ)
2015-03-10 22:18:20
ひゅるる~んるんるんるんるん~♪ですね(^^)
「上州(群馬)名物はかかあ殿下とからっかぜ」などと言われるくらい赤城おろしの北風が厳しいところですからね。

昔の人は川も徒歩渡しで渡っていました。今回歩いた地域は川や橋が多く「橋供養」なんて立札も見ました。
下諏訪を抜ければ木曽~中津川に入ります。いつになるかな~~(~)?
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