8月23日。
白亜のサクレクール寺院は青空に映え、正面から眺めるパリ市街の展望は素晴らしかった。
ABBESSER駅から寺院への坂道の途中にある家々のたたずまい。
ここからだと寺院の裏から表へ回るようになるが、そのあたりの広場にはうらぶれた(もしかしたらうらぶれてないかもしれない)画家の卵たちが観光客の肖像を描こうとしきりに誘っている。
正面から下り軽い昼食を取り、再びメトロに乗る。
行先はルルク運河からサンマルタン運河を経てセーヌ川にいたるパリカナル社の運行船の起点、LAVILLETTE(ラヴィレット)駅。
パリから北東の方角のここまで来るとさすがに観光客は少なくなる。
この地帯は故ミッテラン首相が進めたパリ大改造計画のひとつで未来志向の総合エリア。ちなみにパリ郊外はどんどん近代化されて凱旋門の西側にも、モンパルナス方面にも高層ビルディングが建っている。
公園の真ん中にドーンと建つ半球のドームはジェオッドと呼ばれる巨大映画館。このあたりはパリ中心のあの臭さや汚さはない。
土地の人々が憩う近代的な公園を抜けるとパリカナルの発着所に着く。
このパリカナルを予約するのにネットをあちこち検索してようやくバウチャーをゲットしたのだった。
川好きのわたしとしては、パリに来て是非乗らなくては!と思っていたのがこのパリカナルなのである。昔来たときはサンマルタン運河近くを歩いただけだった。
セーヌ川まで出るのにおよそ2時間半、19世紀からある鉄橋や水門をくぐり河畔とすれすれの水位の運河を下る。まわりにはお昼ご飯のサンドイッチをぱくつく人たち、肩組み合って船を眺めるカップルたち。
運河の上流と下流とでは25メートルもの高低差のある。それを効率よく上り下りするために幾つもの水門で水位調節をしながらゆっくりと進むのである。
↑ まだ新しい可動橋。船が通る前。
↓ 船が通る直前、アーチ式の先の橋が上に動く。
これはほんとうに面白かった。行先にある水門の向こうは5,6メートル下にある流れそれを水位調節しながら下る。。まるで川の中のエレベーターである。
船が水門にかかると今迄の流れの水が「ザザザザーーーーーー」といちどきに前方に落とされ水位が上下一定になると水門が開き、船は進んでゆく。「うお~~」と雄叫びをあげたくなるほどの豪快さである。
↑ 船の後方から水門を見る。
↓ 水が水位に達したので門が閉まり、前方の門がまもなく開き船が進む。
それを何度もくりかえしてやがてセーヌ川に合流。途中下水道のようなトンネルをくぐるのだがこれはどうにも臭かった@@
セーヌに合流して見えてきたノートルダム寺院の尖塔。
このパリカナル、わたしたちはラヴィエッテからオルセーまでの下りだが、反対の上りもある。一日一回づつの運航。
オルセーについたのはもう5時だったが、ラッキーなことに木曜日はオルセー美術館は9時半まで開いている。
オルセー美術館は元は鉄道の駅舎。パリ~オルレアンをつないでいたらしい。それを表す文字が壁面に記されている。
中を2時間ほど見学してカールージュ(市内観光バス)に乗ってオペラ座で降り、歩いて帰宅。
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街並みを歩いて撮った小さなパリ景色。
↑ 可愛いガラスドア?
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