回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

越後の山々に酔う

2010-11-08 14:21:35 | 一泊以上の旅行記

東京の街路樹もかなり色づいて秋たけなわ。

7日の日曜日が何も予定なしだったので、新潟の奥只見まで行ってみることにした。

6時50分に自宅を出発。

紅葉狩りの最後の機会だとニュースでさんざん放送していたので、さぞや渋滞しているのでは?と予想されたが、関越道は至極スムーズで、赤城高原SAでトイレ休憩の後、一気に小出インターまで走る。

天気も湯沢を過ぎる頃から、雲が切れて一転青空に変わる。

小出インターは六日町から少し北上したところ、魚沼丘陵の一角にあたり名高い穀倉地帯でもある。一面の田圃の上にはミルクのような霧が立ち込めて幻想的であるが、ホワイトアウト状態でドライバーには少し怖いくらい。

詩人野口雨情が六日町付近を

「霧は山から日は東から 越後魚沼朝霧や深や」

と詠んでいるまさにその通りの情景。

インターを下りて国道352号線で只見湖をめざす。

この352号は山道カーブの連続だが、登っていく途中の景色の素晴らしさといったらなかった。

002

枝折峠(しおりとうげ)のあたりからは、越後三山と呼ばれる「越後駒ケ岳」「中ノ岳」「八海山」の雪をいただいた峰々が

紅と黄色に染まる山の上のそのまた上に聳え立つ。

006

圧巻の景色にみとれながら、銀山平に到着。11時。

ちなみに、銀山平という名前は、ダムが造られて、只見湖の底に水没した土地には銀山があったので、往時をしのぶために現在もそう呼ばれているそうである。目標の銀山茶屋はなぜか閉店していたが。

ここからダム遊覧船発着場のターミナルまでシルバーライン(県道50号線)と呼ばれるトンネルを通過する。シルバーラインは折立から全長22メートルのトンネル。折立から全行程これを走ってしまうと時間は節約できるが、山の威容は眺める事はできない。景色を見るにはなんといっても352号を通るのがよい。

(なお、帰ってから調べたところ、枝折~銀山平~桧枝岐への352号は11月11日から雪のため道路閉鎖となるから、ラッキーな事に、わたしたちが行ったこの日は352号を通る今シーズン最後の大チャンス日であった。)

到着したターミナル付近は相当寒いと思っていたが、ダム付近はコートもいらないくらいの暖かさ。

作ってきた海苔弁と注文したキノコ蕎麦を半分づつ食べて昼食とする。

遊覧船にも乗りたかったが、なにしろ日帰りの旅なので、そそくさとターミナルをあとにし、シルバーラインを戻り、銀山茶屋前から352号線に再び入って、湖を回って尾瀬に向かう道を走る。

この道から眺める湖がまたまた素晴らしい。切り立った山々の中の只見湖は深く落ち込んでいて、湖畔に降りることは難しいが、モミジの葉のような形をした湖の周囲を登攀途中で眺めると、その粗削りな神秘性に惹きこまれてゆく感がある。

012

山の頂から落ちてくる沢は車道を横切り、音をたてて湖に流れ落ちる。

舞い落ちた枯葉が道の上を生きているようにうごめいて車に襲いかかってくるみたい。まるで行進する虫の大群のようだ。(わたしが、映画「ハムナプトラ」に出てくる虫のようね、と言ったらろくさんに、もっといい例えはないのか、とつつかれた)

日向と日陰のはざまで、キラキラと宙をさまよう赤や黄色や緑の枯葉は、寂しいと云うよりはクリスマスの電飾のように輝かしく華々しい。(同じく、もっと芸術的な例えはないのか、とつつかれた)

とにかくも、あの枯葉の群舞は撮影不可能。

017

枝折峠を経てなお352号を走り、燧ケ岳を眺めながら桧枝岐を抜け尾瀬ヶ原の北側を通る。

山々は、わずかな標高の差でもくっきりと違う表情をみせてくれる。一面のブナ林では、すでに冬の様相である。

019

道はいつしか福島県に入り、山里の紅葉を堪能。南会津田島に向かう121号線と合流する地点で352号を別れを告げて121号線を、野岩鉄道と並行するように南下。

川治、鬼怒川温泉郷を抜けて栃木の今市インターへ向かう。インターに入ったのは17時少し前。

夕飯をとった佐野SAまでは、予想通りの渋滞であった。

さすがに山道のハンドルで神経を使ったろくさんは疲れて眠たそう。意気のよいCDをかけて

助手席から彼の頭をコンコン叩きながら眠気を追い払う。

自宅到着は21時10分。素晴らしい秋の旅であったが、せめて一泊したかった。


12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すばらしい景色だぁ。。(@o@) ()
2010-11-09 12:39:25
公園の景色の写真送ってる場合じゃあなかったネ★失礼!
ホント、一泊させてあげたかったナ~♪
返信する
 (やまびこ)
2010-11-09 21:16:26
失礼なんてとんでもない!駐車場の紅葉は大好きだよ~☆

ろくさんはすっかり運転大好き人間になっちゃって、今度は日帰りでどこまで行けるのか、目下調査中(^^)









返信する
ろくさん。運転、お疲れ様です。 (しゃあ あずなぶる)
2010-11-10 06:27:40
いや~。凄い景色ですね。
実際に見ると、素直に感動しちゃいそう。
嫁様に見せてあげたい。
返信する
しゃあさん (やまびこ)
2010-11-10 21:05:00
ろくさんはもう山道のプロです(^^)
景色見るより運転してる方がおもしろいみたい。

日本って少し走っただけで山も海もあっていいよね~。
秋の奥只見、ぜひ、愛妻様を連れていってあげてね☆
返信する
すばらしいわあ~。きれいだったでしょうね。今年... (桃子)
2010-11-11 01:23:08
海苔弁!私もよく作るよ。おにぎりより簡単だもん。
ご飯の上にお醤油付けた海苔をぺたぺた置いて、とろとろオムレツと塩じゃけをのっけて出来上がり!おいしいのよねー。ま、自然の中で食べたら何でもおいしいわよね。
返信する
素晴らしい景色をアップしてくださり、ありがとう... (やん姫)
2010-11-11 12:19:50
いいな~。
ご夫妻でドライブですね。

我が家では考えられません。
配偶者が休みの日は、20歳~30歳代の女性と、カラオケや飲み会に出かけています。

明日から2泊3日の予定で、東京へ出かけます。

元彼女の出産祝いに、22歳の彼女と出かけます。
ついでに、神宮球場の野球観戦や、銀ブラを楽しんくるそうです。

私は、愚息たちと留守番です。

私よりも若い、おねいちゃんと出かける方が、いいのだそうな~。
[E:gawk]
返信する
桃子ちゃん (やまびこ)
2010-11-11 20:37:14
東京は、11月にしてはちょっと暖か過ぎる~。イチョウもまだ黄色くなってません。
ふるさとに帰ったらちょっと只見まで足をのばしてみてね。(秋田からだと遠いかな?)

海苔弁、ほんと簡単でいいよね。オムレツと塩鮭はすごい!我が家は、のせるのは梅干し一個だけ。海苔を2段構えにすると豪華版~(^^)v
返信する
やん姫さん (やまびこ)
2010-11-11 20:46:17
大変ですね~。
でも、配偶者さんはそれをやん姫さんに行って出かけるのが、なんとも不思議。きっと安心しきっているのね。

男の人は若い女性の方が好きに決まってますよ。楽しく遊んでいるうちは我慢するとしても、増長して家庭を省りみなくなったら、もらうものもらって即離婚ですね(ーー)!

返信する
★やまびこさまへ (やん姫)
2010-11-12 10:45:35
レスをありがとうございました。

私自身も、配偶者の行動には、いつも『[E:sign02]』です。

女の子数名からのメール(お嬢様ネットワークと呼んでいます。)を見せてくれたり、腕を組んで、繁華街を歩いてきたとか、いろいろと、自己報告(自分自身からの報告なので、真相は?)してくれます。

中には、我が家にケーキを持って、遊びに来てくれる女の子も・・・。

愚息たちの子育ても一段落したので、配愚者の気分は、独身なのでしょうね~。
[E:coldsweats01]

おかげで、私は母親で、配偶者は息子って、感じですね。
…ってゆうか、愚息たちと配偶者は、下宿人で、私は、下宿のおばさんです。

>もらうものもらって即離婚ですね(ーー)!

配愚者には、家のローンがありますが、預貯金は、ほとんどありません。

ひょっとしたら、埋蔵金があるのかも~。
MY 雑巾 だったりして~。
[E:bleah]
返信する
やん姫さん (やまびこ)
2010-11-12 21:49:52
>MY 雑巾

座布団20枚です[E:scissors][E:flair]
返信する

コメントを投稿