20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『てっこう丸はだれでしょう?』(さとう まどか フレーベル館)

2009年11月13日 | Weblog
 日ごろ、このblogをご覧下さっている佐藤まどかさんの新刊です。
 直接は存じ上げないのですが、佐藤まどかさんのことをちょっとご紹介すると、イタリアに22年もお住まいになっていらしていて、デザイナーとして作家としてご活躍されている方です。
 まずはこのタイトルを読まれて「てっこう丸」ってなに?と、どなたも思われることでしょう。
 私もそんな興味から読み進めていきました。
 実は「てっこう丸」というのは、サボテンのような多肉植物なのでそうです。南アフリカ生まれで、あんまりお水をあげすぎるといけない植物だそうです。
 お話は、この「てっこう丸」の語りで進んでいきます。
 植物たちの言葉をちゃんと読み取れる人たちのことを、「みどりのおやゆび」と言うのだそうです。
 家にもたくさんの観葉植物があるので、私も「みどりのおやゆび」になりたいなと思いながら読ませていただきました。

 こうした、おもしろい視点からの「てっこう丸」のお話は、同居植物の「流血の男ドラセナ」や「ベアじい」「フヤジョウ」という個性的な仲間が増えて、さらにバージョンアップしていきます。
 また「てっこう丸」と関わる人間たちも魅力的です。
 
 それにしても、イタリア在住のデザイナーでもある佐藤まどかさんのご本を読んでいると、キャラクターの作り方から、それへの関わりあい方が、翻訳物を読んでいるような感覚になります。
 日本の作家でもたとえばいとうひろしとか、何人かはそういう印象を抱く作家、あるいは画家の方はいらっしゃいますが。
 これは長年お住まいになっているイタリアという土壌から来るものなのか、佐藤まどかさんご自身のセンスなのか、そのポップさとおしゃれさがとてもステキです。
 みなさま、ぜひお読みになってください。
コメント
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