太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

爽やかな夢

2015-08-16 08:51:54 | 思い出話

その日私たちは夏のイベントで海の家を借りてアクセサリーの展示会を開くための準備をしていた。ウッドデッキには白いデッキチェアとパラソルという如何にもアメリカかフランス映画のセットのようなありきたりの設定をしていた。5、6人の若い男性社員が黒のスーツズボンに長袖の白いワイシャツの腕を巻くし上げてテーブルや観葉植物を運んでいた。部下の誰かが「こんな海辺で誰がアクセサリーなんか興味を持つんですか、海に来る目的は違うでしょう。」とぼやいた。「確かにそうだが、毎年続けることで知名度も上がり、除々に人が来るようになる。データでも毎年来場者は増えている。コンシューマ商品というのはあらゆる機会を利用して消費者の目に触れることが一番。」と上司から教えられた通りの独り言で返した。内心は「お盆も過ぎようとしている今頃、海水浴客自体が減っているのに海の家の借り賃が安いからといってイベントを開くのもどうかな。若い人たちが納得できないのも無理はないなあ。」と思っていた。誰かが「ちょっと休憩しましょう。」と言いデッキの前の(何故だか椰子の)葉陰に集まった。目の前には少し傾斜して眼が痛いほどの白い砂浜がその向こうの紺碧の海につながっていた。夏が終わろうとしていて流石に海水客も少なく海辺はただ眩しいだけの風景を照らし出していた。何処からともなく4,5人の若い女の子が砂浜に現れて何やら楽しそうに固まったり離れたりしながら騒いでいる。夏の装いではあるが海水客ではなさそうだ。その中の一人が私たちを見つけ、手を振りながら走ってきた。「暑い中ご苦労さまです。今日私たちは休みだからみんなでドライブに来たの。」と言って悪戯っぽい目をして私の手をとり何かを渡すなりくるりと身を翻し小走りに友達の元へ走って帰った。風に揺れる白いワンピース姿はローマの休日に出てくるオードリーヘップバーンのようでもあるが黒い日焼けした肌は日本人だった。「誰ですか今のは」と若い部下が聞くが「知らない、会社の人間ではあるだろうが。」と言って手を開くとこれも真っ白い小さな巻貝が3個。子供騙しが、と思いつつ彼女達に目をやると既に遠くを再び楽しそうについたり離れたりしながら去って行く。椰子の葉陰に心地良い風が吹き、柔らかい刷毛で撫でるように顔全体のうぶ毛がサワサワと逆立てた。

今思っても何でこんな夢を見たか分からない。アクセサリーを扱ったことも無ければ似たような海辺に出掛けたこともない。眼が覚めてなんだか分からない爽快感が残り、一生懸命巻貝の彼女が誰だったのか想像を膨らましてみたがこれも限界。オードリーの春日はデビューしていないから彼の女装でないことは確か。いいおっさんがと思われるが残念ながら怖い夢も爽快な夢もコントロールできない。本当に歳がいった今、ドラマにしたらこれは絶対面白いというストーリーの夢を見たが絶対に面白いと思ったところまでが夢で目が覚めたらそのストーリーが思い出せない。



コメントを投稿