太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

久しぶりに電車に乗って

2019-04-04 08:31:36 | 日記

スマホのガラス交換のために電車で20分くらいの駅まで行った。何年も駅ビルの工事をやっていたが完成していた。電車も3か月ぶりくらいだし、その駅に降りるのは数年ぶりである。大変複雑な構造の駅ビルで地下に入ると方向がさっぱり分からない。その地下にサービス店がありネットで調べて行ったのだが生来の方向音痴、何度も同じところを行ったり来たりしてやっと辿り着いた。当日修理可能とのことだったが3時間程かかるという。引き返すのは電車賃の無駄だし近辺で時間を潰すことにした。

地下は総菜がメインでどれも美味しそうである。洒落た洋菓子店も沢山あった。これほど大量に並んでいて1日に捌けるのだろうかと心配する。ウロチョロしていると年の頃70過ぎだろう痩せた小さなおばさんがフラフラと前を横切ると壁にゴツンと頭をぶつけてそのまま足元に仰向けに倒れてしまった。しゃがんで”大丈夫ですか”と声を掛けると、ええ突然眩暈がして目の前が真っ暗になって、とか細い声で答える。貧血かと思ったが相当具合が悪そうである。すぐ人を呼びますからじっとしていてと言うと傍のレストランの若い人が調理服のまま飛び出して来て、警備員に連絡しますと言う。救急車の方がと言うと、僕らは直接呼べないルールでまず警備員なんですと言う。

通りがかりの中年のおばさんがしゃがんで脈を取り出し”以前もこんなことありましたか”と聞く。”初めてです”とか細い声。私も経験があるからと、少し楽な姿勢にさせ、また脈を確認する。倒れて握ったままの荷物を手から離して横に置き、全てがテキパキしている。あまりに落ち着いて行動するので安心して”看護師さんですか”と聞くと違うとのこと。中年のおばさんが”吐き気はしますか”と聞くと、いいえでも気持ちが悪いという。そうだ以前に会社で倒れた人が居て猛烈な吐き気を催し、結局その人は脳梗塞だったことを思い出した。おばさんは症状を知っているのだろう。脳なら一刻を争う。その他大勢通の人が通りかかるが心配そうに覗くだけである。乳母車の若いお母さんが、”ちょっとスイマセン”と声を掛ける。傍が通り抜けないようだ。銀座でファッションのように乳母車を押して歩く若奥さんではあるまいにこんな時に。

0分も経っただろうか警備員が56人やってきて車椅子も用意している。ゆっくり抱えて乗せて、”ご心配お掛けしました。これからは我々でやりますから”と。レストランの兄ちゃんも適確に様子を警備員に伝えていたのであろう。世の中捨てたもんじゃない。それにしても買い物袋は何個も持っていたのでまさか倒れるとは思わずやってきたのだろう。車椅子に乗せられたおばさんも最後に振り絞る声で”ありがとうございました”と。迷惑を掛けてしまったと思ったのだろう。こちらは倒れる時に頭は打たなかったとか、経過時間とか様子を警備員に手身近につたえただけで何の役にも立ってはいない。

時間があり8階まで登り本屋に行った。大きな書店である。新刊の人気作品が平積みしてある。幾つか手に取り帯と裏表紙の説明を読む。どれも面白そうで買いたい誘惑に駆られるがスマホガラスの余分な出費もあり我慢した。あるコーナーで80は超えているであろう小さなお婆さん平積みを手に取って読み始めた。その内モゾモゾとカバンを開けた。まさかの時は注意しようと思ったが眼鏡を取り出して本格的に読み出した。近づいて見ると、老人ホームの楽しい過ごし方というタイトルである。先ほど倒れた人より遥かに年が行っているが、一人で8階までやってきて立ち読み、倒れやしないかと心配になった。それでも多分若いころはそれなりの教育は受けていたのだろうと勝手に想像した。

これから老齢化社会では外で色んなことが起こるだろう。みんなまさか自分がと思っている。また人様に迷惑は掛けたくないと思う気持ちも同じだろう。しかしお年寄りがますます増えて外で倒れる人も当然増えるだろう。AEDは町内の訓練があったので使えそうな気がするが果たして落ち着いてできるかどうか。職場の避難訓練も真面目に真剣に取り組むようになったのはAED講習の後である。防災訓練をチンタラやっていたのでは本番ではまずできない。何事も練習である。4月は新入社員の季節である。ボーイスカウトやガールスカウトではないが、新人研修に是非とも外での応急措置について訓練して欲しいものである。次は我が身かも知れないから。1万円ちょっとの出費だったが帰りの駅のホームでホームドアは必須だと思った。あのおばさんがもしホームの端で倒れていたらと思うとゾットする。



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