太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

小手先それとも手先?

2019-06-14 08:19:40 | 社会観察

ホルムズ海峡で日本のタンカーが砲撃された。安倍総理がイランを訪問している時である。当たり所が悪ければ当然死傷者が出るところだった。ラッキーなのかピンポイント攻撃可能な高度な攻撃能力なのか分からないが、何れにせよ日本は割を食らったような感じがしないでもない。トム・クランシーなら戦争已む無しと考えるアメリカがCIAを使って、やはりイランは信用ならん日本も中東政策でアメリカの仲間にしておこうという陰謀となる。アメリカとの和平を望まない勢力だとの意見もあるが多分犯人は見つからない。これは外交の安倍さんと言われているが小手先外交から手先外交と批判される可能性もある。あまり得な役回りではなかったようだ。

驚いた新聞記事もあった。昨日の夕刊と今日の朝刊に太陽光買い取り終了(FITを20年度に法改正)による新たな制度の内容が少しだけリークされた。再エネ電気を市場で取引する仕組みを作るとのことだが、市場での電気の価格が下落し、あらかじめ決められた基準を下回った場合は、その差額を穴埋めして再生エネ事業者の経営を支える方式を検討しているとのこと。穴埋めの財源は賦課金(電気料金)か国費(税)のようだが国民負担に変わりはない。何故驚いたか。これは少し前に原子力小委員会で提案された原発版FITである。原発の基準価格を決めておき、市場価格がこれより低くなると差額分を補填(実際は電気利用者の負担)するという仕組みだ。ただあまり議論が膨らまなかったのは原発電気コストは安いという大風呂敷の手前、原発は高いということを認めることになってしまうというジレンマがあったからだ。これはCfD(Contract for Difference:差金決済取引)と呼ばれ英国で原発や再エネに適用されている制度である。一定価格がある期間(原発は35年とか長期)保証されるので事業者は安心して投資できる。英国では当初CfDは再エネで使われることに決まったがCO2削減とエネルギー安全保障の点から原発にも適用することが決まった。まさか日本でも再エネ支援とか言いながら原発にもとなって、原発にはより長期に適用するつもりではないだろうか。もしそうなら原発は高いからと一旦認め、原発のためであること前面に出して堂々と制度論争をすべきである。もう姑息なやり方で国民の目をごまかすことなどできない。再エネ支援を隠れ蓑にして原発支援ならそれこそ小手先政策と言わざるを得ない。それとも再エネは原発の手先?委員会の先生方がどのような意見を出すのか楽しみである。

CfDがポストFITとは恐れ入る。業界は考えられる全ての制度案を出して官民対話に臨むべきである。FITのようにこれ一本という強力な制度はもうないだろう。多用途化の時代の入り口であり市場を子細に分析し多種多様な制度を検討すべきである。それから原発を市場と関連づけて何とかしようと思うのはもう無理である。最低限必要な基数(技術の伝承のため)に止めて国営にするか電力共同会社に任せるべきである。如何にCO2を出さないからといっても国民は原発に関しては温暖化より安全を選択する。太陽光は昔は環境がコストより優先されたが、今はほゞ同じ、やがてコストに重きが置かれる時代が来る。何せ主力電源化だから。