太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

やってる感の見せ方

2019-06-09 09:52:37 | 社会観察

昨日は市民講座の日であった。テーマは「日中関係を展望する 習近平一強の共産党政権、中国大国化の方向性」という如何にも政治的メッセージが込められた過激な講演かと思いきや現在の中国が抱える諸問題を広く浅く無難に伝えるものだった。講師は現役の大学教授で女性である。何せ聞く方が不特定多数の中高年のオッサンばかりであるから敢えて無難な話にしたのかも知れない。主な内容は習近平の国内外に対する基本政策に関するものだ。尖閣諸島問題、台湾問題、一帯一路(Belt and Road Initiative-BRI)、靖国神社参拝とA級戦犯合祀問題など中国の考え方、日本の考え方をオッサンにも分かる平易な言葉で説明した。77年卒らしいから60は大部過ぎているいるが、よく通る美しい声でしかも美しい標準語のため聴きやすい。著書も何冊かありNHKにも(ラジオか)出られているようで中国に関してはもっと深く掘下げた話もできるのだろうが専門に走らず抑制も利いている。BRIのところでは「債務の罠」とか「中国的新植民地主義」などの言葉も使ったので本当は過激に説明したかったのかも知れない。バックス・チャイナ構想(中華帝国の下での平和)が今では「チャイナマネーが国際秩序を買う」と言ってSino-Centrisum(中国中心主義)はチャイナマネーと軍事力の強化で実現しようとしているとも説明した。

習近平のもう一つ 悲願、今年発表した「台湾同胞に告げる書」では建国百年までに台湾を平和的に統一するとのこと。ただし武力行使の放棄は約束していないともなっている。先生は蒋介石の「以徳報怨」という言葉も紹介したところを見ると台湾シンパとも取れるが、講義後の質問で、もし台湾有事となってアメリカが介入したら日米同盟があるから日本もそれいけとなるのでしょうか、日本が果たすべき役割は何処にあるとお考えですか、とオッサンがきつい質問をした。何も起こらない今の現状が続くことを願います。憲法改正が叫ばれていますが個人的には9条を変更することは反対です。そのためには次の選挙が大事ですね、今長期政権と言えば、習近平、プーチン、それと安倍さんが浮かぶのでしょうが、安定政権と独裁というのは難しい判断の分かれ目です、と本音らしきものが聞かれた。専門外のことにやたら勿体をつけ喋る、専門のことをやたら難しく説明する大学教授を国の委員会で沢山見て来たが、今回の女性教授は中々大したもんである。誰が聴くかを心得て講義している。こういう先生に習っていたら歴史も嫌いにならなかっただろうし、近代史とも言える難しい問題にももう少し目を向けていたかも知れない。10回くらい中国や台湾に行ったがその国のことは殆ど何も知らずに行っていた。自分の仕事だけという薄っぺらい訪問であったことは勿体なかったと今は思う。海外に何度出掛けようとも国際派になれなかったのは一に普段の勉強不足である。

最後に質問、今マスコミでは安倍さんに、やってる感の見せ方に長けているという批判もありますが、これは特に外交で著るしいように思いますが。特に拉致問題や北方領土ではこれといった成果が見えてきません。今度はアメリカの要請かなにかでイランに行かれる、仲介役を果たすとのことですが外交の優先順位からすれば高いとは思えませんが、何故出掛けるのでしょう、友達の頼みでしょうか。田中角栄や大平正芳氏のように中国との間で何か実績残していますか。尖閣の問題は進んでいるのでしょうか。それは皮肉な質問です。外交は相手があることですから優先順位があろうと必ずしもそれに全力を投入しても成果があるとは限りません。それより今できることを優先します。やった感ととられるのはそのせいでしょうか。今それかよと思われるのは仕方のないことです。失礼最後の段落は妄想Q&Aでした。