ゆっくりかえろう

散歩と料理

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木村伊兵衛展

2013-01-24 | さんぽ
  ほとんどのモノが 以前見たもので有名な秋田旅行のもの

  あとは戦前の初期作品 那覇の芸者 そして 戦中の中学生のスナップ
  珍しいのは昭和20年のもので 英語の道路標示が写っている 四谷見附

  20年といえば 終戦の年なのに 英語のルート表示とは 戦争に負けた
  8月以後年末までの3ヶ月内に 撮った写真と知れます

  この写真などは 物言わぬ時代を写しだした証言者であり 作者の意思を濃く
  表したものだといえます
  
  伊兵衛といえば ライカで有名ですが いくら優秀なカメラといえど
  フルマニュアルで 当時の暗いフィルムで 露出 アングル 被写界深度の予想
  目線の高さ 人物の動きの予測から 表情の動き 手の位置 など神業のごとく
  えらぶ要素が多すぎて 写真に技術が要求された時代です

  伊兵衛はまさに居合いのごとくに 写真をモノにしてゆきます
  この時代 決定的瞬間という言葉が生まれ それを実践したのが
  この人なのです

  作者は 肖像写真さえ 視線を合わせず撮っていて
  特色のある面白い作品になっています

  ここの美術館は写真展が多いのですが 年間スケジュールというものが
  なかなか決まらず 予定が分かりにくく 安いチケットも出回らず
  見逃すことが多いですが 個人展ばかりでじっくりゆっくり見られて
  静かで好きな美術館です

  地下には有名な北小路魯山人のコレクションの常設展もあり
  花瓶や大鉢 花生けやまな板皿など 素晴らしい土モノがあって
  (水の入った双魚の大皿が素晴らしい))見ものです   

  京都現代美術館 何必館にて