ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

メルケルはいいこと言っていますね!

2015-03-10 23:19:50 | 日記
ドイツのメルケル首相が来日していました。7年ぶりとのことですが、彼女のスピーチには同感できるものがいくつかあります。一つにはエネルギー政策にかかわるもの。ドイツが脱原発を目指したのはかなり以前からですが、それを決定的にしたのは2011年の福島過酷事故を知った直後です。あの技術力の高いとされた日本においてですら、とんでもない事故を引き起こしたとの認識がそうさせました。容易ではないでしょうが、再生可能エネルギーにシフトすべく努力が続けられています。同様の内容は、このブログの過去の記事でも伝えています。

それに比べて日本の現実は、誠に情けない限りです。現政権は脱原発どころか、「ベースロード電源」などという勝手な言葉を打ち出し、さらに再稼動を正当化するかのような手続きをも進めて、国民の多くが望んでいない方向に「暴走」しています。こんな当たり前のことは言いたくないのですが、そう言わざるを得ません。

福島の現実から目を反らしてはなりません。原発に頼るエネルギー政策は人類に対する犯罪にも等しいのではないでしょうか。現政権に携わる方々は、未来の子孫たちに対して責任がとれるのでしょうか。自分たちさえよければそれでいい・・・まるで、そのように考えているかのように見えます。

もう一つ、メルケルは隣人たちとの関係についてもメッセージを残しました。ナチスの行いを率直に認め二度と繰り返さない思いを明確にした上で、その反省に根ざして世界平和の構築に貢献しています。全てに効果が得られているかどうかは別として、ウクライナ問題でも自ら積極的に対話外交を実践しています。一方で、削減中であった戦車を、使えるものは復活させる方向も打ち出していることも事実ですが、基本的には対話優先です。

この動きに対し、日本はどうでしょうか。憲法改正とか、自衛隊派遣条件の見直し、特定秘密保護法・・・、まるで戦争の準備を進める戦前の内閣のようにも見えてしまいます。内閣政府のみの一存で、ことを進められるような歯止めが利かない体制を目指しているように見えます。

方向が真逆なのです。武力に頼らない外交平和を築くことが日本の選択肢です。武力は専守防衛(守るのみ)に必要なものは否定しませんが、それはあくまで最後の手段であって、それを二度と使うことがないように、常日頃から平和外交に努めることが日本の歩むべき道です。

過去に学ぶことができないような政権にはあいそが尽きます。たまたまでしょうが、先日なくなったワイツゼッカーも、今回来日したメルケルも同じようなメッセージを発してくれたと思っています。

誰に限らずですが、よい考えには素直に賛同したいものです。

(巻頭写真: ドイツにて、2013年9月撮影)
左側にメルケル首相のポスターがあります。標語は「皆で一緒に成功させよう」のような意味合いです。

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