ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

宗教について尋ねられたことはありませんか?

2016-02-18 17:24:34 | 日記
2016年2月18日(Thu.) 海外旅行や海外滞在中に、宗教について尋ねられることもあります。日本国内においては、そうした会話の機会は少ないのかも知れませんが、EU滞在中などに質問された経験があります。

What's your religion ?  と言われたと記憶しています。

一応、仏教の一宗派に「家」として属しているので、厳密には仏教徒になるのかも知れません。但し、現実には法事の際などにお世話になる程度なので:

I'm a Buddhist, but to be honest, ..... (実際には、日常的に教会や神社仏閣に足を運んでお祈りすることは少ない・・・と伝えたと思います。)



お国柄や諸事情によって、宗教に対する思いや考えはかなり違うと感じています。そもそも、こうした質問が飛んでくること自体、想定していなかったのが正直なところです。 若い方で、これから海外旅行や滞在(ホームステイ)、WWOOFなどを予定している方は、こうした質問があることも想定しておいた方が良いかも知れません。

また、キリスト教や、その他の主だった宗教についても、そのあらましは承知しておいた方が良いと思います。少なくとも、訪問国の関連情報についても調べておくことをお薦めします。もっとも、私の場合は、帰国後にアレコレ調べたのが本当のところです。



キリスト教についても、カトリックやプロテスタントなどを始め、多くの宗派があるようです。かなり複雑なので、詳細は専門書等に頼るしかありませんが、デンマーク(約91%)を含む北欧4カ国ではプロテスタントの比率が高いようです。このプロテスタントはカトリックに「抗議」するところから名前が由来しており、16世紀、ルターの宗教改革に端を発していると説明されていて、北欧4カ国はこの流れを汲むと言われています。

少しややこしいのですが、イギリス国教会もプロテスタントと解説する向きもありますが、16世紀のヘンリー8世の離婚問題によって、袂(たもと)を分かつ結果となったもので、言葉を変えれば政治的な面も含めてローマ・カトリックと分離するに至ったということです。従って、教義そのものに大きな相違はないとも説明されています。しかし、様々な書籍等で、補足説明無しでプロテスタントとして記述されているケースもあり、知らないと、他のプロテスタントと同一視してしまうことにもなるので、注意が必要です。

また、滞在したことのあるドイツですが、宗教改革の発端にもなった地なので、さぞかしプロテスタントの比率が高いだろうと思いきや、約38%がプロテスタント、約32%がカトリックであることには意外性を感じました。

そして、訪問したことはありませんが、アイルランドに関しては、5世紀のカトリック布教に始まり、その後の紆余曲折を経て、今日では、約89%がカトリックになっているようです。アイルランドのナショナルデーにもなっている St. Patrick's Day は3月17日(毎年)ですが、この国にキリスト教を布教した宣教師の命日にちなんだものであり、こうしたところにも宗教の影響が現れていると理解できるのではないでしょうか。



下図は、世界の宗教分布を大まかに表しています。



カトリックの分布を示しています。濃いブルーが高い比率のエリアを示しています。



プロテスタントの分布です。(少しわかりにくいかも知れませんが・・・)



下のグラフは、各国の比率を示していますのでわかりやすいと思います。






これはアイルランドに関するものですが、ブルーはカトリック、赤はそれの比率が低いことを示しています。いわゆるプロテスタントの比率が高いことになりますが、北アイルランド(UK)周辺であって、それはイギリス国教会を意味することと理解していいでしょう。



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国際交流や多文化共生を考えるとき、こうした宗教面のことも配慮すべきことの一つでしょう。それぞれの教義までを理解するのは至難の技ですが、概略は承知しておきたいものです。 


*** 下の写真は、記事内容とは関係ありません。





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