「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

岡野俊一郎氏逝去、私たちには「三菱ダイヤモンドサッカー」

2017年02月05日 16時25分59秒 | サッカー選手応援
元日本サッカー協会会長の岡野俊一郎氏が2月3日逝去されたそうです。岡野さんは日本オリンピック委員会の役員、国際オリンピック委員会の委員も長く務められた方なので、日本スポーツ界全体の功労者でもあります。

そのように偉い岡野さんですが、私たちにとっては何といっても、あの「三菱ダイヤモンドサッカー」の解説です。

私が「三菱ダイヤモンドサッカー」の名コンビ、金子勝彦アナウンサーと岡野俊一郎さんの解説に初めて出会ったのは、息子が小学3年生で始めたサッカーに親しむためでした。当時は地方都市に住んでいましたから、放送局がテレビ東京ということも知りませんでした。

その後、東京に住むようになった1985年以降は毎週のように放送を楽しみました。それにしても、お二方とも大変なジャントルマンです。

それは、日本サッカーの父と呼ばれているデットマール・クラマーさんの言葉「私はサッカーを好きなのではない。心から愛している。なぜならば、サッカーは少年を大人に育て、大人を紳士に育て上げるスポーツだからだ」という考え方を持っておられる方々だからだと思います。

サッカーというスポーツが、一つのスポーツの枠を超えて、人間の生き方、あり方をも教えてくれる文化だということを、しみじみと感じます。

お二方の実況と解説は、日本の「サッカー文化遺産」であることに疑いの余地がありません。この場は、そういった視点から日本サッカーを語っていく場でもあります。

You tubeでお二人の名調子が聴ける画像を見ることができます。まだお聞きになったことのない方も、ぜひ一度はご覧になって名コンビを楽しんでください。

https://www.youtube.com/watch?v=M9hzbnJLh3A

金子さんが岡野さんとの思い出を語ってくださったコメントもあります。岡野さんのお人柄をよく語ってくださっていると思いますので、少し長くなりますが転載させていただきます。出典は2月4日の「日刊スポーツwebサイト」からです。

「岡野氏は人生の師」ダイヤモンドサッカー金子アナ

2日に亡くなった元日本サッカー協会会長の岡野俊一郎さんと、長年テレビ番組でコンビを組んだフリーアナウンサーの金子勝彦氏(82)が3日、「人生の師」を悼んだ。68年から20年間、岡野さんの解説で続いた「三菱ダイヤモンドサッカー」(テレビ東京)は、当時のサッカー少年のバイブル。金子氏はサッカーを通して世界の歴史、文化を語った岡野さんの死を惜しみ、その思い出を語った。

 「最後に岡野さんに会ったのは昨年3月。メキシコ五輪メンバーで闘病中の岡野さんを激励したんです。元気そうで、お酒もワインを1杯。20年東京五輪を楽しみにされていたので「一緒に(放送を)やりましょう」と約束しました。それだけに残念でなりません。

 放送終了から30年近くたつのに、今でもダイヤモンドサッカーの話をされる。うれしいですね。それだけ岡野さんが素晴らしかったということ。私は単なるサッカー番組ではなく、教養番組、旅番組だと思っていました。歴史や音楽も出てくる。サッカーからショパンですよ。岡野さんは博識で、知らないことがなかった。ついていくのがやっとで、緊張しました。

 もちろん、サッカーは詳しかった。長く海外の雑誌を購読していて、選手や戦術の知識も豊富。メキシコ五輪で銅メダルを獲得し、日本サッカーが世界に目を向けた時。いわば大航海時代だったけれど、岡野さんだけは正確な海図を持っていた。我々は、それに導かれていったんです。

 冷静な情熱家。たくさんのことを教わった「人生の師」でした。サッカーだけでなく、IOC(国際オリンピック委員会)委員としても大活躍でしたが、決して前に出ることはなかった。常に黒子として陰から支えた。放送開始前に「主役は競技者であり、競技そのもの。それを伝えるのが我々の役割」と言われました。自分が主役になることは嫌ったけれど、岡野さんが残したものこそ、日本サッカー界、スポーツ界の「レガシー」そのものです。」

以上が金子さんのコメントです。初めて気づいたのですが、金子さんのほうが年下だったんですね。画面から受けた印象で、私は金子さんのほうが少し年上だと思っていました。それだけ岡野さんが控えめに徹していたということでしょう。

金子さんも書いておられましたね、「岡野さんが残したものこそ、日本サッカー界、スポーツ界の「レガシー」そのものです。」と・・・。まさに、お二方の実況と解説は、日本の「サッカー文化遺産」です。

あらためて岡野俊一郎さんのご冥福をお祈りいたします。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ここしばらく日曜と月曜の楽... | トップ | 代表海外組の出場チェック(第... »

コメントを投稿

サッカー選手応援」カテゴリの最新記事