「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

スポーツ文化ネットワーク「サロン2002」のこと

2014年12月29日 17時11分27秒 | サッカー文化
昨夜、12月28日、スポーツ文化ネットワーク「サロン2002」の忘年会に参加した。この「サロン2002」というのは、最近、NPO法人化された「サロン2002」が運営している交流の場で、NPO法人の正式メンバーでなくても年会費3000円を払うと参加できるネットワークだ。

私が、このネットワークに入会させてもらったのは、夏に神戸を訪ねた時、神戸市立中央図書館に開設された「神戸賀川サッカー文庫」で、レジェンドジャーナリストの賀川浩さんにお目にかかる機会をいただいたのがキッカケだ。

前回の書き込みでも賀川浩さんのことを紹介したが、夏のその翌週、東京で講演されるとお聞きして、それが「サロン2002」の主催ということを知り、会員にしていただいたのだ。

だいたい毎月末、日曜日夕刻あたりに月例会を開催しておられるようで約1年前からは、JR総武線「錦糸町」駅南口からほど近いところにある「フットボールサロン4-4-2」というサッカーパブが会場となっているとのこと。

私は、賀川浩さんの講演会の時と9月末に行なわれた月例会、ジャーナリストの宇都宮徹壱さんの講演会の2回しか参加していないが、この「サロン」は1997年から活動を続けている。お二方とも、このサロンのメンバーとのこと。

これまで毎年1回のシンポジウムとその報告書公開、そして月例会は200回以上に達している。詳しくは、タイトルにある名称でネット検索していただければホームページにアクセスできる。

このネットワークが2014年版会員名簿を作成してくださり、先日郵便で送ってくださった。ありがたいことだ。私のように、なんの人脈もない人間にとっては、自分の活動について発信できる場は限られており、これまで、このブログで発信してきたのが関の山だった。

そんな中での忘年会だ。忘年会も例会の一環ということで、今回は「お宝映像を見る会」、1972年の欧州選手権決勝西ドイツvsソ連戦というお宝映像だ。西ドイツが1974年ワールドカップでクライフ率いるオランダを破って優勝したことは名勝負だったこともあり、よく知られているが、映像を提供されたサロン会長の中塚さんが「その2年前、この大会の優勝によってベッケンバウワーのリベロスタイルが確立された意義深い試合」と解説してくださった。

この試合、西ドイツが3-0で圧勝、なにぶん忘年会でいろいろと話に花を咲かせながらの観戦なので、ディテールまでは感想を書けないが、インパクトが強かった場面が、試合終了数分前の出来事だ。

会場は、ベルギーのヘイゼルスタジアム。1985年に「ヘイゼルの悲劇」が発生したスタジアムだ。映像を見ていると、試合の終わりが近づいた頃、西ドイツの優勝を確信したサポーターであろう、大勢の人たちが、まだ試合中だというのに観客席からピッチに向かって走り出したのだ。

ここまではよく南米でも見られる光景で珍しくないが、一旦大勢の警備員が出て、観客たちをピッチの外に押し戻したが、観客席までは戻らず、長方形のピッチを取り囲む形で観戦したまま試合が続行されていた。これには驚いた。まるで運動公園で少年サッカーの試合を応援する親御さんたちのような絵だった。

そして試合終了のホイッスル、もう選手がロッカールームに戻るより観客が選手をもみくちゃにするほうが早いのは当然だ。この当時は、警備関係者が観客席に戻すまで試合を一旦止めるなどということはしなかったのだ。

それにしても1972年の段階で、欧州では素晴らしいピッチでスペクタクルな試合が展開されていたのだ。つくづく歴史の分厚さを感じずにはいられない。

この忘年会、会長さんのはからいで、各自、自己紹介する機会をくださった。
私はほとんど知られていない存在なので、いま進めているサッカー情報のアーカイブ化、特に映像のHDD化の作業のことをお話しした。ビデオテープが膨大なこと、それを来る日も来る日もHDDに取り込んでいることなどについて、約20人ほどの参加メンバーの方々は驚いてくださった。

会の終わり際に、会長さんから「もう後継者は見つかりましたか?」と聞かれたので「あと10年ぐらいの間に、どなたか手をあげてくださればと思って続けます」とお答えして店を後にした。

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