「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

Jリーグ100年構想クラブに潜むモラルハザードのリスク

2022年04月09日 20時09分37秒 | Jリーグ・三大タイトル
「Jリーグ100年構想」は、ある程度認知されたものですが「Jリーグ100年構想クラブ」となると、私は正直「あれっ、そんなのあったの?」という状況でした。

Jリーグが、将来Jリーグへの入会を目指すクラブを、Jリーグ百年構想クラブ(以下「百年構想クラブ」という)として認定する基準を満たしたクラブのことを指すようで、2012年4月に制度化されて以来、ちょうど10年目、2022年2月下旬に3クラブ追加され、現在14クラブが認定されているようです。

10年目の節目を迎えたこの時期、認定されているクラブの一つ、JFLに所属する三重県の鈴鹿ポイントゲッターズが、いわゆる「八百長」未遂事件を起こしたとして、Jリーグより懲罰処分を受けました。

この処分に先立つこと3ケ月、鈴鹿ポイントゲッターズはカズ・三浦知良選手の移籍で話題になったクラブですが、今度は不祥事で話題になったことになります。

このニュースに接して、私は「Jリーグ100年構想クラブ」という全国にクラブの裾野を広げる取り組みの陰で、クラブ経営者・チーム関係者のモラルが本来備えているべきレベルに達していないクラブが潜り込んでしまっている状況に危機感を抱きました。

およそプロスポーツ関係者が遵守すべきことの第一条ともいえる「絶対、八百長に関与しない」。そのことを、こうも簡単に守らないクラブ経営者・チーム関係者がいることは大問題です。

「Jリーグ」が関係者を懲罰処分にして事足れりと考えているとしたら、同じような事案が今後も後を絶たないでしょう。

そもそも、「Jリーグ100年構想クラブ」を認定する規約なるものに、クラブとして、チームとしてのコンプライアンス厳守について、どのように盛り込まれているのかですが、「Jリーグ100年構想クラブ規程」という名の規約を読むと、いわゆる「Jリーグ参入基準」ともいうべき、法人・組織の整備、スタジアムの整備、地元との連携といった点を中心になっていて、コンプライアンス厳守などのことは、それ以前の当然のことといったニュアンスが伝わって来ます。

私は、そのことが逆にクラブ経営者・チーム関係者をして、コンプライアンス厳守についての認識が甘くなっているのではと危機感を感じました。

「Jリーグ」側が「いまどきコンプライアンス遵守がなっていない経営者なんてあり得ない」と考えているとしたら、それは大間違いで、とりわけ、これからビジネスの戦いに勝ち抜いて大きくなろうとしている企業のレベルでは、ある意味「何がなんて何でも」という考えの人たちが少なくないということです。今回の「鈴鹿ポイントゲッターズ」の事案が、その実例となりました。

したがって「Jリーグ100年構想クラブ規程」という、まだ成熟していないクラブ経営者・チーム関係者に向けた規則においては「絶対、八百長に関与しない」「関与が明らかになった場合は即刻、資格剥奪」という、今更のことをキチンと明文化しておかなければならないと思います。
今更「明文化」なんてと軽視していると、取り返しのつかない事案が発生してしまいます。「八百長問題」ほど、その競技に対する信頼を失墜させる問題はありません。二度と起こしてはならない対策が必要なのです。

本来であれば「Jリーグ100年構想クラブ」資格の剥奪に値する今回の事案、いろいろな思惑というか、ひところ流行った「忖度」が働いた気がしないでもありません。
「鈴鹿ポイントゲッターズ」は当分の間「八百長クラブ」というレッテルを貼られたまま「Jリーグ100年構想クラブ」でいることになります。そのこと自体、不幸なことです。

全国47都道府県にJリーグクラブの空白県を早くなくしたい、それを急ぐあまり、モラルハサードに陥っている新興クラブが潜り込んでしまわないよう対策が必要だと思います。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする