TIMEの今年の顏に、グレダ・トゥーンベリさんが選ばれました。
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スウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)が、
米誌タイムの「今年の人」に選ばれた。1927年に選出が始まって以来、最年少。
同誌が11日、発表した。(by BBC)
タイム誌のエドワード・フェルゼンタル編集長は、米放送局NBCで、「地球が今年
直面している最大の問題において、彼女は最大の声となった。どこからともなく
現れ、世界規模の運動をリードするまでになった」と、選出理由を説明した。
同誌は、「良くも悪くも(中略)その年の出来事にもっとも影響を与えた」人を
「今年の人」に選んでいる。
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環境活動家として世界的に有名になった彼女ですが、おそらく本人もここまでの
反響があるとは考えていなかったかもしれません。10年前であれば、ローカルな
トピックとして話題になる程度だったと思いますが、ネットやSNSの普及で、
情報があっという間に広がり、多くの人が彼女を知ることになりました。
環境活動家として発言している彼女ですが、正直、年配の政治家達からは
やや疎ましく思われているような印象を受けます。米国大統領は、批判を批判で
返すという大人げない対応だし、ロシアの大統領も、世の中は彼女が思うより
複雑な世界なのだと無視しているようです。
国連での感情剥き出しの演説は賛否両論で、そこまで怒らなくてもという気が
しますが、今の若者は、大人達よりも相当危機感があるということを表現して
みせたのかもしれません。各国の首脳に危機を訴えて、トップダウンで環境改善を
図ろうとするのが彼女の方針のようですが、あまり上手く行っているようには
思えません。
2013年に同じく国連演説して喝采を浴びたマララ・ユスフザイさんは、女性の教育
向上の考えを「教師と本とペンで世界が変えられる」と判りやすく演説しました。
彼女は、グレダさんよりもはるかに厳しい境遇に生きる人達を助けるために、
人がどうすべきかを訴えています。それで共感を得ることができました。
グレダさんもマララさんのように、地球環境の改善のために、人として何をすべきか
をシンプルに訴えたほうが効果があったかもしれません。
(CO2を減らす取り組みを早くしてと訴えても、ピンと来ない人が多いと思う)
地球温暖化はCO2の排出が原因と言われていますが、それは人間が増えている
限り、避けられないことだと思います。人は生きるために経済活動をしなくては
いけない。活動すればCO2を排出する。人間がCO2を出さないというのは死を
意味します。どんなに制限しても、人が増える限り根源を断つことはできないと
思います。個人的には、CO2削減技術の進歩に期待するしかないと考えます。
グレダさんは、科学者の意見にもっと耳を傾けるべきと主張しているけれど、
科学者は現象を捉えて分析できますが、対策のための技術や資金がない。
資金があって対策案ができても、人が動かなければ対策が打てない。
彼女は科学者だけでなく、政治家や資本家、技術者の意見ももっと聞くべきか
もしれません。それから、自分の主張の裏付けとなる証拠の収集、見分をもっと
広めるためにフィールドワークが必要だと思います。その時間を節約するために
飛行機を使うことも必要。ヨットや鉄道だけで世界を把握するのは不可能です。
これからどんな方向に持っていくべきなのか、学校をサボるのではなく、
学校でもっと勉強してから活動しても遅くなかったと思う。環境改善活動の
第一歩を踏み出しましたが、彼女にはもう少し時間と経験が必要かもしれない。
と、こんな事を書くと、ネットの掲示板上の批判と同じように思われるかも
しれません。でも私自身は、国連で世界の首脳を前に演説したグレダさんを
素晴らしいと思っています。ネットで批判を書き込む人達は、彼女のように
国連のような舞台で、果たして堂々と自分の意見を主張できるのか?
(彼女は、ネット上でチマチマと批判するだけの人は相手にしていない)
世界に自分の考えを自分の言葉で発信できることは、それだけでもTIME誌に
取り上げられる価値があると思う。彼女が環境について発言してくれたお陰で、
多少なりとも環境のことを考えるようになりました。自分ができることから、、、
まずは、一本の植樹からでもいい、未来に向けてそういう小さな活動が必要では
ないかと思いました。