キマグレ競馬・備忘録

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中村哲医師、銃撃され死亡

2019年12月04日 | Current news

アフガニスタンで現地復興に貢献してきた医師・中村哲さんが襲撃に会い、亡くなりました。
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アフガニスタンで活動している福岡市のNGO、「ペシャワール会」現地代表の医師、
中村哲さん(73)を乗せた車がアフガニスタン東部で何者かに銃撃され、
中村さんが死亡したとペシャワール会が発表した。
中村さんは胸を撃たれて、病院に運ばれ、集中治療室で治療を受けていた。
ペシャワール会によると、中村さんは九州大学医学部卒業。国内の病院勤務を経て、
1984年、パキスタンのペシャワールにあるミッション病院ハンセン病棟に赴任し、
パキスタン人やアフガン難民のハンセン病治療を始めた。1989年よりアフガニスタン国内へ
活動を拡げ、医療過疎地でハンセン病や結核など貧困層に多い疾患の診療を始めた。
2000年からは、アフガニスタンで飲料水・灌漑用井戸事業を始め、
2003年から農村復興のため大がかりな水利事業に携わってきたという。(byハフポスト)
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第一報を見た時、命に別状はないという報道だったので安心していましたが、
その後の続報で彼が亡くなったことを知りました。大変ショッキングなニュースでした。
彼の活動は、10年前に「医者、用水路を拓く」というノンフィクションを読んで知りました。
アフガニスタンという大変危険な地域で、本職の医療活動のみならず、衛生、農業にも
貢献した彼の活動に大変感動した記憶があります。
アフガニスタンに、勇気と高い志を持った日本人がいることがとても誇らしかった。
大変残念ですが、志半ばで倒れた彼の冥福を祈りたいと思います。(涙)

2009年10月に彼の本「医者、用水路を拓く」を読みました。その時の感想を再録します。
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先日テレビで放映された番組をきっかけに、アフガニスタンで医療活動と現地復興に
取組むペシャワール会の活動を記録したこの本を読んでみました。
これは代表・中村哲氏による手記をまとめたものです。
当初、医療支援として「ハンセン病」の撲滅に取組み、その後医療全般へ活動を展開、
その後は地域の衛生環境向上のため、井戸の掘削による水資源の確保を目指しますが、
地下水の減少を機に用水路工事に取り組んだという経緯です。
中村医師の職業は医師であり、土木事業については知識も経験も無い中で、
福岡にある用水路を作った先人達の技術を参考にしながら考え、応用できる土木技術を
習得していきます。とにかくアフガニスタンの人達の役に立ちたいという熱意と、
逆鏡に負けない強靭な精神力で現地人と日本人スタッフをまとめ、現地の用水路建設に
努力する様子が伺える手記になっています。
彼は医療という末端の支援活動からスタートしたのですが、結局それだけでは現地の問題は
解決しないとの認識から、徐々に生活・衛生環境改善という「源流改善」にシフトしていき、
大多数の人を救うには用水路建設しかないとの信念を貫いて活動する姿にはとても感動します。
実際、1人の人間が出来ることは限られていますので、いかに人を動かしていくかが
事業推進のポイントになっています。
彼が多くの人を動かすことができるのは、現地の言葉で話し、長年少しずつ積み重ねた
現地人との信頼関係にあります。上から目線の支援ではなく、現地人の立場に立って、
現地人と一緒に長年取組んできたことが成果となって現れてきたのでしょう。
用水路は作ってしまえば終わりというものではなく、メンテナンスが大変であること。
今後も工事は続いていくことを考えると、この手記で語った部分は単なる通過点なのかも
しれません。
今後のペシャワール会の活動に注目していきたいと思います。この本は、自分も何かの
支援をしてあげたいという気持ちにさせるくらい読み応えがあります。
この本を一冊買うことで多少なりとも支援になるのではないでしょうか。


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