中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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営業力ってなんだろう?

2016年08月28日 | コンサルティング

中小企業庁によれば、中小企業が重視する経営課題の第1位が「コストの削減、業務効率化」、第2位が「営業力・販売力の維持・強化」です※。「コストの削減、業務効率化」については、取り組むべきことは比較的はっきりしています。原価や経費の明細、業務手順などを具体的に洗い出して、無駄があれば取り除き、よりよい手段があれば置き換えるといった活動を継続的に行ないます。

しかし「営業力・販売力の維持・強化」については、そう簡単には行きません。なぜなら、営業力とはなにかがはっきりしていないからです。

先日、当社のコンサルティング先のある中小企業の社長とその話になりました。この会社はよい商品を扱っているのですが、売り上げが伸び悩んでいました。

「社長、少し難しい質問をしますが、営業力ってなんでしょう?」
「そんなのは簡単だよ。お客様からカネを引っ張ってくる力だね」
「ということは営業マンの力量ですか?」
「そう。同じ商品でも売れる奴とそうでない奴がいるからね」
「じゃあ、売れない営業マンは一生そのままですか?」
「いや、いや、そんなことはない。うちのトップセールスのK君だって最初は全然売れなかったよ。」
「どうしてK君は売れる営業マンになったんですか?」
「そりゃあ、彼が努力をしたからさ」
「どういう努力ですか?」
「営業力をつける努力さ」
「その“営業力”ってなんでしょう?」
「だから、お客様からカネを引っ張って・・・あれ??」

確かに、あえて「営業力」とは何かと問われても答えに窮します。この後、社長といろいろ話をした結果、営業力とは「お客様に商品の良さをわかってもらうための行動がきちんとできること」という結論に至りました。

そこで、お客様との初回コンタクトから受注・納品にいたるまでの間に行なった「商品の良さをわかってもらうための行動」とは何だったのかを明らかにすることにしました。具体的には、「いつ、どこで、なにを、誰に対して、どうやったか」を、社長と営業担当役員に細かく書き出してもらいました。

次に、この会社の営業担当者5名の過去の営業日報の精読と、各人に対する2時間程度の個別インタビュー、客先訪問に同行しての行動観察などを1か月かけて行い、ようやく「お客様に商品の良さをわかってもらうための行動」の実態を明らかにすることができました。

「いやあ、驚いた。こんなに細かいことをタイミングを外さずに、きちんきちんとこなして行くのは大変だなあ」社長はそう言って、トップセールスのK君をやや尊敬の眼差しで見ました。

しかし、一番驚いていたのはK君自身でした。「自分は何も考えずに、ただがむしゃらにやってきただけですが、こうして改めて見てみると何かパターンみたいなものが確かにありますね」

最終的に「パターンみたいなもの」は、セールス・プロセス・ガイドマップという形にまとめられ、営業担当者全員の共有財産となりました。

セールス・プロセス・ガイドマップの成果は、半年を過ぎたあたりからじわじわと現れてきました。そして翌年の売り上げは大きく改善し、新たに営業担当者を増員することになりました。

皆さんも是非「営業力」を定義してみてください。当社は喜んでお手伝いいたします!

中小企業の営課題

(人材育成社)


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