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2:6:2の法則というメガネ

2018年11月04日 | コンサルティング

「2:6:2の法則」をご存知の方は多いと思います。組織がある程度大きくなると、メンバーの構成比率が優秀2割、普通6割、劣等2割に分かれていくというものです。会社で言えば「上位20%が会社を引っ張り、中位60%が会社を支え、下位20%がそれにぶら下がっている」といったところでしょう。

この「法則」は説得力があるせいか、かなり信奉者が多いようです。特に経営者の方とお話をしていると、この「法則」がよく話題に上ります。

「うちも従業員が100人を超えたあたりから2:6:2の法則を実感するようになりましたよ。」先日お会いしたある会社の社長さんの言葉です。

私はちょっと大げさに「え!ダメな人が20人もいるのですか?」と聞きました。すると社長さんはあわてて「いや、ダメとかじゃなくて・・・まあ、相対的にという話です。」

「それなら問題はないですね。そんな法則、気にすることはありません。」と私は言いました。

「先日、大手研修会社の公開セミナーで聞いた話では、下位の2割はいわば組織のお荷物だとのことでしたが、そうではないのですか?」と聞いてきました。

「はい。お荷物ではありません。質問ですが、御社の社員で”お荷物”は何人いますか?」

「そんな人間はいません!私は社員全員、よーく知っていますが、みんな一所懸命やってくれています。」

「そうですよね。それが正しいんです。社員の能力を無理やり2:6:2に分けたとしても何の意味もありません。」

社長さんには納得していただきましたが、こうした「わかりやすい法則」には注意しなければなりません。

人材を「2:6:2」で分類したり、データを調べもせず「20%が80%の成果を生み出している(パレート法則)」と信じたり、「人は見た目が9割(メラビアンの法則)」などと決めつけたりしてはいけません。

こうした数字を口にすると、いかにも正しいことを言っているような一種の自己暗示にかかってしまいますが、後々手痛いしっぺ返しをくらうことになります。

人を見るときは「法則」というメガネを外してみることをお勧めします。

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