中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,115話 文章は長すぎたり細かすぎたりしては相手に伝わらない

2022年05月11日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「文章を書くのが苦手です」

これは、弊社が研修を担当させていただく際に受講者からかなりの頻度で聞く言葉です。研修中に行っていただく課題の中では、話し合いだけでなく文章で表現していただくこともあります。たとえば、議事録作成の練習をしていただいたり、ときには課題図書を読んでいただき、実務でどのように活用するかなどについて書いていただいたりすることもあります。そうしたときに、研修の内容やテーマとは別に、冒頭の「文章を書くのが苦手です」という感想をいただくことが多いのです。

では、なぜ文章を書くことが苦手だと感じる人がたくさんいるのでしょうか?理由は様々だとは思いますが、一つには文章を書くことに関して私たちがしっかり習ったり練習したりする機会が、実は少なかったからなのではないかと私は考えています。 

「読み書き算盤」という言葉がありますが、これは文字どおり文字や文章を読む、文章を書く、計算をすることです。これらは初等教育で獲得する基礎的な能力・学力ですが、読むや計算についてはは学ぶ機会は多いものの、それらに比べると書くことについて習ったり練習をしたりする機会(時間)は案外少なかったように記憶しています。こうしたこともあって、多くの人にとっては「書く」経験がさほど多くなく、その結果として文書の作成に苦手意識を持つことになってしまったのではないかと推測しています。

それでは今後、ビジネスパーソンとして最低限必要となる文章を的確に作成するためにはどうすればよいのでしょうか。こればかりは特効薬といった類のものではなく、地道に経験を積むことが近道なのだとは思いますが、苦手意識を持つ人が自ら積極的に経験をつむとするのは簡単ではないとは思います。

この「書く」に関して、先日NHKで放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の中で興味深いシーンがありました。

源頼朝に対して、源義仲を追い詰めている現況に関しての知らせが京都より続々と届いている場面で、以下の4名からの報告書に対して次のとおり頼朝が感想を述べていました。

土肥実平(目付け役):「あまり書きなれていないようで、とても読めたものではない」     

和田義盛(侍所別当):「絵入りでそれなりの工夫は見られるが、これも読めたものではない」

小四郎(北条義時):「中身は確か。しかし、内容が細かすぎて全く頭に入ってこない」

梶原景時:「戦の進み方や御家人の主な働きなど肝要なことのみ手短に記され、実に読みやすく見事な出来栄え」

あくまでドラマの中ですが、頼朝は梶原景時の報告書を評価していたわけです。私たちビジネスパーソンに求められる重要な役割の一つに報告書の作成がありますが、その際には頼朝の感想のように、報告書を書く時には長すぎたり細かすぎたりしては相手に伝わらないということをふまえ、短めの文章でポイントを押さえて書くことが大切だということです。これは鎌倉時代であっても現在でも変わらない、文章作成時のポイントです。そして、報告書に慣れてきたら徐々に自身の考えやメッセージなどを盛り込んだ文章を書いてみるという流れがおすすめです。まずは、短い文章からでよいので、「書く」経験を積むことをお勧めします。

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