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第1,020話 報連相が漏れてしまったことによる代償は大きい

2021年05月12日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「もう少し早かったら、手の打ちようがあったのに・・・」

これは、先日弊社が担当させていただいた管理職研修の受講者のA氏(課長職)から聞いた言葉です。A氏に状況をお尋ねしたところ、概ね次のような話でした。

Aの部下であるB係長が、ある事業を独断で中止してしまっていた。さらにそれについて報告がなかったために事態が判明した際には既に影響が大きくなってしまっていて、的確なフォローをすることができなかった。今年度だけの影響ではなく、次年度の予算獲得にも大きな影響を及ぼしてしまうことになったとのことで、「事態の大きさを痛感している。課長の私としては何に気を付ければよかったのか?」とのことでした。

この間の経緯についてさらにいくつか質問をしたところ、以下の問題があったことがわかりました。

まず1点目はA氏の言葉にもあったとおり、係長から課長への報告が適切に行われていなかったことです。本来のルールに従えば、この事業の執行の有無については係長だけの判断では決められず、必ず課長に報告し相談する必要があったそうです。それにもかかわらず、一切の報告もなく独断でことを進めてしまっていたということです。

それではなぜ、B係長は相談をしなかったのでしょうか?これが2点目の問題点になりますが、その理由はB係長が自分の判断で決裁できる予算額の限度を忘れてしまっていたということです。予算の決裁区分はルールとして明文化されていたのですが、B係長は時間の経過とともについ失念してしまって結果として課長への相談をしなかったようです。

3番目の問題としては、A氏もB係長も各々テレワークで仕事を行っていたため、B係長が独断で仕事を進めていたことに、A氏がすぐに気が付けなかったということです。A氏が言うには、テレワークではなく対面で仕事をしていたら、もっと早くこの問題に気づけたと思うけれど、テレワークでB係長から報告がなかったため気づくことができなかったそうです。

この話を聞いてあらためて考えたのは、報告のルールや予算執行に関するルールがあったとしても、時間の経過でルールが忘れられてしまうなど機能しなくなってしまうことがあり得るということです。そのため定期的に職場で確認し合うなどのバックアップ体制を用意しておく必要があるということです。                                   また、テレワークに関しては冒頭のケースのように部下からの報告がない場合は、上司の側が何もしなければきちんと情報を把握することは難しいということです。対面であれば部下が他者とやりとりをしている様子などが自ずと目に入ってきますから、一定程度の情報を得ることも可能です。しかし、それができないテレワークにおいては、上司の方からも意識して定期的に声をかけるなど、情報を取りに行く姿勢が必要ということです。

このブログでもこれまで何度も書いてきたとおり、仕事における「報連相」の重要性はいうまでもないことです。一方でテレワークはコロナ禍で一気に導入が進んだこともあり、仕事を進めるうえでの仕組み・ルールが十分に整備されていないケースも少なくないようです。今後、コロナ禍が収束したとしても、テレワーク自体は継続する組織が多いでしょう。そのため冒頭の例のようにしないためにも、まずは状況をしっかり把握できる仕組みを早急に整備していく必要がありそうです。あなたの会社では何から始めますか?

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