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研修講師の正しい選び方(中上級編)

2018年04月25日 | コンサルティング

「研修講師を選ぶときには必ず事前に面談し、自分の考えとズレがないかを確認してください。それが『役に立つ研修』を実現する唯一の方法です」と先日(4月22日)のこのブログでお伝えしました。

ここで、あらためて研修担当者が事前に講師と面談する目的を整理してみましょう。

それは、まずどういう経路でその講師を知ったのかによります。

たとえば、研修担当者自身が講師を探したのであれば、それは一定のリサーチの結果、講師の経験や専門が研修の目的をかなえてくれるだろうと判断してのことでしょう。その場合には面談では具体的に研修内容や進め方などについて確認することになります。

逆に、講師を知ったきっかけが自身によるものではなくエージェント等からの紹介であれば、事前に書類等で確認してはいても、まずは講師の経験やプロフィールの確認から面談がはじまることになります。

そこで研修担当者の方にお願いしたいのは、面談の際にはあらかじめ研修の目的や受講者の概要を整理しておいていただきたいということです。

言うまでもないことですが、研修は講師が一方的に提供するものではありません。たとえば管理者研修を実施する場合、研修の目的に関すること(何を目的に行うのか、受講者にどのようになってもらいたいのか、現状はどうなのか)、受講者の属性(新任の管理者なのか、年齢はどれくらいなのか、受講者は何人なのか)など、いろいろなねらいや条件があるはずです。

多くの場合、研修講師は事前にそれらの情報をある程度お聞きしてから研修プログラムをカスタマイズします。しかし、その場合にはやはり直接会って、伺うことが一番望ましいです。

もちろん講師が研修企画書を作成する際には、できる限り公にされている情報を収集するのですが、生の情報や具体的な事例などはやはり直接伺わなければ知りうることができないわけです。それらを伺うことでよりよいカスタマイズができるのです。

このように考えると、研修担当者と講師が面談する目的は「研修をよりよいものにするための情報交換の場」と言えます。

以前、ある企業の研修担当者から次のような話を聞いたことがあります。

「A講師は経験豊富でしたし、話も上手かったです。講師としての力量はとてもある人だと思いました。しかし、今回講師を見直そうと考えたのは、共同解決者としての姿勢に疑問を感じたからです。私たちは講師に『一緒に研修を作っていきましょう』という姿勢を求めたかったのですが、A講師にはそれが感じられませんでした」とのことでした。

この例が示すように、講師に共同解決者としての姿勢を求めるのであれば、面談は目の前の講師が研修をより効果的なものにするために共に取り組むよきパートナーになりうるのかどうかを判断できる場だと言えます。

それでは、面談でよきパートナーになりえる講師かどうかを判断するためには、どうすればよいのでしょうか。

そのためには、まずは講師にいろいろな角度から質問をしてみることをお勧めします。

研修担当者が質問をするためには、どういう経緯で講師を知りえたにしても事前の情報収集が必要になります。講師が作成した企画書の中身をきちんと把握し、疑問点を明らかにするのはもちろんのことです。しかし、それ以外にも講師のホームページを検索したり発信物(書籍や執筆したものや、ブログなど)をできうる範囲で見たり、読んだりすることが必要です。

こうして事前に情報収集し、様々な角度から講師に質問すれば、講師の研修に対する考え方、受講者に対する思いなど外見やプロフィール以外の部分も知ることができます。そして、共同解決者たりえる講師なのかをきちんと見極めることができるのです。

ただし、何でもかんでも「できます」「やります」を連発する人が必ずしも共同解決者になれるとは限りません。共同解決者は時には「できない」ということを言わなければならないこともあるわけです。その点は十分にご注意いただきたいと思います。

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