中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,174話 「ホワイトすぎる」対応も不安にさせる

2023年07月12日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「仕事が何となく物足りないのです。社会人とはもっとバリバリ働くものだと思っていたので」

これは最近、弊社が若手社員を対象とした研修を担当させていただいた際に、研修終了後に相談されることが多い内容です。

詳しく聞いてみると、職場に配属後、上司をはじめ先輩達は忙しそうに働いているのにもかかわらず、自身はまだ担当する仕事があまりなく、また残業になることもほとんどないことから、そのことが物足りなく感じてしまうのだそうです。また、学生時代の友人の中には、既に複数の顧客を担当したりプロジェクトのメンバーに入ったりするなどしていて、どんどん成長している。一方の自分は、今は少々ぬるま湯の中にいるような感じすらして、このままの状態が続けば友人たちとの差は広がる一方のように感じ、自身の将来に不安を感じてしまうとのことです。

少々贅沢な話のようにも思えますが、これはここ最近話題に上ることが増えている、いわゆる「ホワイト企業」のことを言っているように思われます。かつて長時間労働の企業を「ブラック企業」と評したことがありましたが、ホワイト企業はその反対を指す意味で近年使われるようになりました。具体的には、仕事量をはじめとして若手に配慮をした結果、若手社員にとっては仕事の難易度が低すぎると感じられたり、仕事の絶対量が少ないために不安にさせたり、やる気を削いだりしてしまう企業や上司の対応のことを指しています。冒頭の受講者の悩みは、まさにこのホワイトすぎる対応によるものだと思います。

このような話を聞いた際には、上司や先輩に仕事量を増やしてほしいと具体的に話をしてみると良いのではとアドバイスをしているのですが、入社後半年から数年程度の彼らが自らそのような話をすることは少々ためらわれるようです。実際にそのような行動に移せる人はあまり多くはないように感じます。

しかしながら、こうした状態が長期間続いてしまうと、成長の実感が得られないことに不安を覚え徐々にモチベーションが下がってしまい、その結果離職につながってしまうというケースも実際にあるそうなのです。

それでは、こうした問題にどのように対応すればよいのでしょうか?「べた」な方法かもしれませんが、私は上司と若手社員が定期的、継続的に意見交換をする場を設けることが最初のステップだと考えます。そのような場を通じて、若手社員の考えや希望を聞きながら仕事量が適切であるかどうかを見極めて必要な対応を行い、それを繰り返すことで若手社員の成長の度合いを確認することもできるのです。もちろん、組織としてオフィシャルな面談の機会を用意しているところも多いと思いますが、若手社員の不安や物足りない気持ちに向き合うためには、もう少しカジュアルな雰囲気の面談を月に1回程度設け、フリーな意見交換をできる場があるとさらに良いのではないでしょうか。「昔は一緒に飲みに行けば、話を聞いていろいろアドバイスができたのに・・・」と思われる上司も多いのではないかと思いますが、今は昔ではありません。飲み会や飲ミュニケーションに頼るのではなく、双方が率直に話すことができる場を上司の方から積極的に設けていくことが「ホワイトすぎない」ためにも必要なのではないでしょうか。

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