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シンギュラリティ2045年

2015年07月12日 | コンサルティング

2045年はシンギュラリティ(Singularity)が起こる年だそうです。 シンギュラリティとは「技術的特異点」と訳されている言葉で、その意味するところは「科学技術を進歩させる主役が人間からコンピュータに代わる時点」ということです。

「主役の交代」という意味がわかりにくいのですのが、これから2045年までにどのようなことが起こるのかをみてみましょう。

まず、Googleの技術者によれば、あと5年からせいぜい8年以内に、人間が発する長くて複雑な質問の意味を理解し検索してくれるエンジンができるようになるそうです。そして2029年までには、人間の要求に応じてコンピュータが自らが考える情報を探し出すようになるそうです。

「え?それだけ?」と思われたかもしれません。

しかし、ちょっと考えてみると、大きな変化が起こりつつあることがわかります。

まず、コンピュータが人間の思考パターンにどんどん近づいてきます。たとえば、技術者が新しい製品を作ろうと一所懸命考えていたとします。

ある問題をクリアしなければその製品を作ることができないとしましょう。そこで、人間の代わりにコンピュータにその問題を解かせます。コンピュータは、現在入手できるあらゆるデータと計算力を使ってあっという間に答えを出します。

それを繰り返しているうちに、人間が望む製品とはどういうものかを、コンピュータは「理解」していきます。それは、人間というクライアントの膨大なニーズを処理していくうちに、人間の思考パターンをコンピュータが身につけていくことでもあります。

やがて、その思考パターンを利用して人間のニーズを先取りするような「発明」や「発見」をするようになります。すると、人間は特に何もせず(つまり何も勉強しなくても)、コンピュータが考え、新しい技術を生み出し、工場を動かして製品を作り、それを欲しがるところに届けるようになります。つまり、科学技術を進歩させることは、人間の仕事ではなくなるということです。

それが2045年のシンギュラリティです。

こうして、科学的な発見や発明が加速度的に進めば、自然災害や食糧難などを解決することができるようになるかもしれません。

「素晴らしい!」と思われたことでしょう。

その通りかもしれません。しかし、そうではないかもしれません。

2045年以降、コンピュータが世界中の通信や運輸、工業生産、農業、環境保全などを管理するようになれば、人間の存在そのものが脅かされるようになるかもしれません。

なぜなら、人間にとって、一番やっかいで排除したい対象は人間だからです。コンピュータが、人間の思考パターンを完全に自らのものとしたらどうなるか考えてみてください。

こうした話は、昔からSFではおなじみのテーマになっています。最近では「ターミネーター」ということになりますが、私には「禁断の惑星」(1956年のアメリカ映画)の方がはるかにリアリティを感じます。

シンギュラリティがいつ起こるのかわかりませんが、1969年に月面着陸に成功したアポロ11号を支えたNASAの全コンピュータよりも、現在のiPhone1台の方がはるかに処理能力が高いという事実をみれば、いずれ起こることは間違いなさそうです。

私たちとコンピュータとの付き合いはこれからもずっと続きます。

(人材育成社)

※画像は「Forbidden Planet (MGM,1956)」より

禁断の惑星 - 作品 - Yahoo!映画



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