中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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言い切れば実現する可能性が高くなるのではないか

2014年10月01日 | コンサルティング

私が担当した研修の終了時に、受講者にそれぞれの今後の行動の目標を発表していただくことがよくあります。その発表を聞いていて感じるのは、「今後、○○したいと思います」というように、いわば願望の表現で締めくくる人が多いということです。「○○します」と言い切ってしまえばいいのに、と思いますが、言い切ることに抵抗があるのか、受講者の8割はその表現を使います。

一昨日の研修では、思い切って「○○します」と言い切ってみてくださいと伝えたのですが、そのように言い切れた人はごく一部でした。

もちろん、他の受講者などの聞き手がいる中で言い切ることに恥ずかしさを感じるなど、抵抗感があることはわかるのですが、あまりにも消極的な言い方だと、はたして本当にそのとおり行動するつもりがあるのかな、もしくは本当にそのようにしたいと思っているのかなと、つい考えてしまいます。

そのような時に思い出すのが、「言霊」です。

言霊とは、言葉に宿っている霊威であり、古代では言葉の通りの事象がもたらされると信じられていた考え方です。実際のところ、言霊のもたらす効果があるのかないのか、あるにしてもどれ位のものなのかを定性的や定量的に示すのはおそらく困難なのでしょうが、やはり「口に出すこと」、そして「宣言する」ことの効果はあるではないかと私は考えています。

それは、自分が口にした言葉を初めに聞くのは、実は他の誰でもない自分自身だからです。言い切ることで、そのとおりにしなければならないというある種の強制力が自分自身に働くのではないかと考えられるのです。言い切ることは、頭や心で考えていることを顕在化させる行為だとも言えるからです。

そして、それを人前で発言することは、多くの人に聞かせることになるわけですから、自らへの強制力はさらに高まるのではないでしょうか。

敢えて口にして言い切る、大勢の前で発言することの効果がすぐに出るものなのか否かはわかりませんが、たとえ何十年か経った後にでも、「あの時の発言のとおりになった」と言えたら幸せですね。

ということで、実は私の今の目標は「目前に迫った○○試験に絶対合格する」ことなのですが、ここまで書いていながら「○○」を公言することをためらっている私には、言霊は宿らない、やはり合格できないのだろうかと、自分に突っ込みを入れたのでした。

(人材育成社)