ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

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「なぜか埼玉」  さいた・まんぞう

2010年03月08日 19時26分39秒 | 県全般

「なぜか埼玉」 さいた・まんぞう

「ご当地ソング」という歌のジャンルがあるようだ。観光地もなく、とりたてた繁華街もない埼玉には縁の遠い話だと思っていた。

「さいたまんぞう」の「なぜか埼玉」という歌を覚えておられるだろうか。1981年にブレークしたとか。

本人のCD「さいたまんぞう 全曲集 生存証明」の曲目解説によると、その年、深夜ラジオの人気番組だった「タモリのオールナイトニッポン」の「思想のない音楽会」コーナーでオンエアされ、タモリが「イモな歌だね、下手な歌手だね」と面白がったのが、ブレークのきっかけだったという。

そういえば、「ださいたま」を「ちばらぎ」とともに流行らせたのはタモリだったというから、何かの因縁かもしれない。

不思議な歌である。変な歌とも言われたらしい。だが、奇妙な味がある。

曲の始まりは、ラブソングのようなのに、聞いていると、「なぜか知らねど ここは埼玉 どこもかしこも みんな埼玉」、「右も左も」、さらに「前も後ろも」「西も東も」「北も南も」、「ぜんぶ(みんな)埼玉」で終わるのだ。

荒川鉄橋を越えて東京に通勤する日々が終わったので、毎日「前後左右、東西南北」、全部埼玉に囲まれて日々を送っている身には、この歌詞は身に沁みる。

この歌詞を創った人は、「秋川鮎舟」という人だとか。同じCDに入っている「埼玉いろはづくし」「埼玉オリンピック音頭」「なぜか埼玉海がない」の歌詞を見ながら聞くと、すべて屈折した感情を抱いた埼玉応援歌と分かる。

この歌の存在を知ったのは、読売夕刊の小コラム。今度も浦和中央図書館のお世話になった。

「東京歌物語」(東京新聞編集局・編著、東京新聞出版部)によると、まんぞうさんは、埼玉ではなく岡山県の出身だ。野球好きで、本名は「牛蒡(ごぼう)」という珍名。

歌手・西郷輝彦が、家出同然で鹿児島から大阪に出て、バンドボーイになって、身を立てた例にならって上京、バンドボーイになって、キャバレー専属バンドのドラマーになった。

「なぜか埼玉」の歌の話も、バンド仲間が持ち掛け、歌詞も仲間が遊び心で創った。

レコードは売れなかったものの、埼玉県の高校生が、「おやじが変なレコードを買ってきた」と、「思想のない音楽会」に送ってきたのがきっかけで、一時ブレークした、というのである。

1948年12月生まれ。東京都内在住で、草野球の審判をしているので、県内に来ることも多い。(写真は蕨市で)







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