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埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

桜の「雅(みやび)」 さいたま市見沼

2012年04月09日 17時35分17秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物
桜の「雅(みやび)」 さいたま市見沼

10年4月3日の土曜日、いつもの仲間とさいたま市見沼の花見に出かけた。東京の都心部からほぼ20km北にあるさいたま市の桜も満開に近づいていた。

首都圏ではみられない広大な見沼には芝川を真ん中に、西側に「見沼代用水西縁」と東側の「見沼代用水東縁」の2本の用水路と合わせて、計3本の水路がある。

この時期、桜と言えばもちろん「染井吉野」である。300種を越す桜の品種の中で最も豪華で華やかな染井吉野が、この川沿いの道にそれぞれ延々5km以上も連なっているのだから壮観というほかない。これまではママチャリで走っていたのを今度は初めて歩いてみた。

朝9時、武蔵野線東浦和駅前に集合、西縁沿いに北上した。東縁、芝川沿いの桜を愛でながら南下、午後4時過ぎ駅前に帰り着いた。

「今日は3万歩」と歩数計を持った女性。歩幅は、身長から100cmを引いたら分かると言われる。その女性が150余cmだとすると歩幅は50余cm、これに3万歩を掛けると、ざっと15km歩いた計算。

数多くの桜の名所を訪ねたが、吉野山を除き、これほど長距離の花見をしたことはない。もちろん吉野は山桜で、染井ではない。「こんな素晴らしい所が地元にあるのになぜ都心の混雑の桜を見に行くの」と語り合いながら歩いた。

最大の収穫は、ところどころ畑の中に咲いていた濃紅色の桜だった。(写真) 親のオオシマザクラの血をひいて白色系の染井吉野の中で、強烈なアクセントをつけている。「桃の花かな」と近づいてみると、どう見ても桜である。

初めてなので、帰りに訪ねた古刹で野菜などを売っている女性に尋ねると、「雅と書いて ”みやび”、雅子さまご成婚記念の桜」だとのこと。

帰ってインターネットなどで調べると、「さいたま市大崎の見沼田んぼの畑で発見され、接木で増殖、1993年のご成婚を記念して、プリンセスミヤビ桜(雅桜)と命名」。「耐寒性が強く、一重で濃紅色。カンヒザクラの交雑種らしく、小さな花が下向きにたくさん咲く」とあった。

「全国で栽培可能」とも。人気の桜のようなのだ。その名のとおり、この優雅な桜の普及と雅子さまの完全なご回復をお祈りしたい。