ミュージカル「グレート・ギャツビー」
5/19(金) マチネ 日生劇場 2階I列下手
【原案・原作】F・スコット・フィッツジェラルド
【音楽】リチャード・オベラッカー
【劇作・脚本・演出】小池修一郎
【出演】井上芳雄 / 夢咲ねね / 広瀬友祐 / 畠中洋 / 蒼乃夕妃 / AKANE LIV / 田代万里生 / 他
大好きな日生劇場B席でリーズナブルに観てまいりました。
私の中の「華麗なるギャツビー」はディカプリオ主演の映画をうっすら覚えている程度なんですが、
ミュージカルとしては宝塚版が有名なようですよね。(ジャニの内くんが錦織さん演出でやっていたような)
で今作も、予想以上に宝塚チックでした。
脚本や音楽は一新、ということだけど、音楽の使い方がヅカっぽいし、リアリティより煌びやかさを重視した衣装や、聞き取りやすい台詞回しとか。
何より芳雄さんのメイクが…
カテコで階段降りてくるときに羽根を背負っていても違和感ないレベル。
酒場に現れるギャツビーはいつもコートの袖を通さないままスーツの上に羽織って歩くんだけど、
その「落ちそうで落ちない肩に羽織ったコート」を上手に着こなし、脚を組んで椅子に座る姿勢のカッコ良さ!
何着もパターンがある三つ揃えのスーツ、わりかし露出部分が多い水着、ゴルフウエア、どれも大変お似合いでした。
芳雄さんの歌もたっぷり聴くことができて、「グリーン・ライト」がとても印象的でした。
オーソドックスに展開していく中、2幕ラストで「ララランド」になったところが驚愕(観てきた人には伝わるはず)。
ヒロイン役の夢咲ねねさん、「女はバカで可愛くてナンボ」みたいな台詞通りに少しすれっからしな感じがあってよかったです。
万里生くんがコメディリリーフになったり狂言回しになったりで大活躍だったのも嬉しかったけれど、
畠中さんの老いぼれっぷりが見事でした。
全体的に出演キャラの誰にも共感できないんだけれど、表情や手の震え、歩くときのヨタヨタした感じ、下層階級ながらひたむきに生きてきたことが背中に現れていて、唯一「あんただけがマトモだよ!」と声をかけたかった。
とまあB席価格でとっても満足できたんですが、
上から見下ろすので舞台機構(円形のスクリーン)の後ろが見えてしまったり、セリが上下するときの機械音が異様に響いたりするのは、末席だから仕方ないのかな。
舞台美術もすごく豪華に作られていると思うのですが、退廃的な空気や下町にある工場の殺伐感がイマイチ希薄に感じました。B席あるあるなのかも…
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