イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

餃子の王将で考える人生の先発ローテーション問題

2009年02月20日 21時50分32秒 | Weblog
ローフードをダイエットに取り入れてから、しばらくたつ。といっても、朝はフルーツ、午後はサラダ山盛りを基本にして、ご飯は玄米、動物性タンパク質は少し、を心がけている程度だ。あとは自由。料理の腕がないためバリエーションに乏しく、毎日同じようなものを食べていることもあるし、肉をあんまり食べていなかった反動もあってか、最近少々お肉が恋しくなり、ここ数日ランニングの帰りにお肉屋さんによって豚肉を買うことがお約束になってしまった。トン汁にしたり、鍋風にしたり、炒めたり。今日は恋放浪じゃなくってホイコーローを作った。炒め物はたまに食べると美味しい。毎日じゃないのだからそれほど気にしなくてもいいかと自分に言い聞かせながら、胃袋に放り込んだ。

ところで、この手のお肉と野菜の炒め物風な料理を食べると、京都に長く住んでいた僕としては、「餃子の王将」を思い出してしまう。京都にいたとき、昼ごはんを外で食べようと思って頭の中に候補の店を浮かべるとき、王将はかならずといっていいほど候補のなかにノミネートされていた。当時も今も、京都在住の男性諸氏の多くが僕と同じで王将をお昼の「先発ローテーション入り」させているのではないかと思う。それくらい王将の店舗はたくさんあった。街中だけじゃなく、市内のあちこちにあまねく分布していて、どこにいてもちょっと歩けば行ける距離に店を見つけることができた。

店内には、日本と中国・香港の文化が融合しているような独特の世界があった。客層もどちらかというと少々荒っぽい雰囲気があって、いなせなトラックの運転手とか、近場の現場でいい汗流してきたようなおっさんとか、体育会系の学生とか、ともかくそういう食欲旺盛な、まさに腹の減り具合が王将級な男っぽい人たちであふれていて、その光景は同時になんというか「仁義なき闘い」のようなかなり日本っぽい和の空間であり、さらにそこで飛び交う関西弁が輪をかけてコテコテな日本を感じさせるのだけど、店のコンセプトの根底にあるのは実は中国四千年の歴史であり、中華料理であるという、考えてみればさまざまな歴史・文化が混然一体となった奥深い世界だった。厨房にいるお兄さん、おっさんたちのワイルドな働きぶりを見ているのも楽しかった。

僕が好きだったメニューは、ラーメン、チャーハン、餃子、鶏のから揚げであり、自分のなかではこの4つを密かに「王将四天王」と名付けていた。ホイコーローとか、天津飯とか、他の人にしたらこれぞ王将っていうかもしれない料理は、僕にとってあくまでわき役だったのだ(好きだったけど)。ラーメンは好きだけど、ラーメンだけしか注文しないのではせっかく王将にきた意味がない。でも、チャーハンだけというのも嫌だ。チャーハンは好きだけど、僕の中ではチャーハンはあくまでも助演男優なのであって、主演男優ではない(なぜだかはよくわらからない)。だから、どちらかを頼んだら半ラーメンか半チャーハンを加えるようにしていたし、ラーメンとチャーハンがコンビを組んでいるセットメニューがあったらだいたいそれを選んだ。で、王将にきたからにはやっぱり餃子は外せない。なので、から揚げは好きなんだけど、組み合わせ的に上手く入り込む余地がなくて、毎回注文するわけにはいかなかった。ラーメンとチャーハンのセット+餃子を頼んで、そこにから揚げを加えるのは、さすがにまだ若くてよく食べていた僕にとっても勇気がいった。だから、から揚げはその実力を高く評価されていながらも、止むを得ず先発ローテーションには入れなかったのである。

というわけで、先発には「ラーメン」と「チャーハン」の左右本格派の二本柱を擁し、中継ぎには「から揚げ」、「餃子」を抑えの切り札とするのが長嶋茂雄風に言うと基本的なピッチングスタッフであったわけなのだけど、他にも「酢豚」とか「ニラレバ炒め」とか「カニ玉」とか、とにかく投手陣が充実していて、原監督ならぬ腹監督としては毎回頭を悩ませてしまうのが常だったのである(原監督が出てきたついでに、頑張れ!原ジャパン!)。

このように、僕という小さな人間の世界のなかにおいてさえ、昼飯の先発ローテーションが決まっており、その王将のメニューのなかでも先発ローテーションが決まっていた。それはお昼だけの問題にとどまらず、あらゆる事象にあてはまる。誰もが自分なりの先発ローテーションをいくつも持っている。つまり、世界には無限の先発ローテーションがあるわけだ(推定3兆6000億個)。そして、僕にとって「何か」あるいは「誰か」が先発ローテーションであるように、僕は誰かにとっての先発ローテーションにもなり得る。もちろん先発ローテーションに入るためには相当の実力と安定感がないといけない。それに、いったん決まってしまったローテーションの一角を崩すこともとても難しい。その壁は果てしなく高い。だからこそ、ピッチャーとしての自分は、その一角を目指したいと思う。仕事においても、人生においても、ごくわずかでいいから誰かにとっての先発ローテーションとして活躍していきたい。なんだか話が脱線しまくってしまってすみません。

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6 コメント

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王将 (Natsume)
2009-02-20 23:29:03
高校生の頃、学校から駅までの間に王将がありました。なぜかいつも餃子のタダ券を持っている友人がいて、土曜日の昼にはよく、何人かで立ち寄って餃子だけ食べていました。タダ券もらっていたわけです(他のを追加で頼む友人もいましたけど)。4時間目が12時45分に終わる学校だったので、うちに帰ると2時になってしまい、腹が持たず...。だから、あの餃子は、私にとっては「中継ぎエース」みたいなものでしたね。ピッチャー鹿取、みたいなもんです。あっあれは王監督ですね...
(^^;)
餃子食べたいっす! (iwashi)
2009-02-21 00:06:07
夏目さん

コメントありがとうございます!それは貴重な青春のひとこまですね。半ドンに時代を感じます(^^)
餃子のタダ兼、あったような気がします。タダ兼だけでも食べさせてくれるなんて、やっぱり王将は懐が深いですね(^^)たしかに餃子は先発エースではないけど、不可欠の存在ですね。

そういえば関西では、王将で注文をすると品物が出てくるのが異常に早いので、それは店員がベテランになると入ってきた客の顔をみただけでその人がチャーハンを頼むかラーメンを頼むかがわかり、注文前に作り始めるからだという都市伝説がありました(^^) でもその伝説もあながち嘘だと思えないくらい出てくるの早かったですよね~。
王将のこと。 (hiro)
2009-02-22 18:53:40
語らせてください。
iwashi君とは浪人時代に京都で偶然!?再会し、大学もともに京都なので餃子の(京都)王将については、そこからの本格的な付き合いになる。私の郷里にはずいぶん前からファミレスタイプ!?の王将があり、小学生の時だったか開店当初行ったっきり行かなくなった。理由はまずかったから。安いけど味は・・・だった。それがどうだろう。僕達が浪人時代を過ごした京都鞍馬口の王将は、僕達が知っている小奇麗な王将とは違い、小汚い(失礼!)小さな中華料理屋って感じ。その店がすっごいうまかった。なんつーか中華鍋を最強火で丸いおたまを使って調理する音・・それだけでもとっても味がうまく思えた。iwashi君が言うように京都には少し歩けば王将に当たる。それが10席+小上がりみたいな小さい店がいっぱい。その小さい店の方が旨い!多分厨房が目の前で調理の音、しぐさからそう思えるのか。ファミレスタイプの王将しか知らない方が多いと思いますので投稿しました。
懐かしいな~ (iwashi)
2009-02-22 20:40:47
hiro

コメントありがとう!烏丸鞍馬口の王将、何回か一緒に行ったよね。僕は逆にファミレスタイプの王将にはほとんど行ったことがなくて、京都にたくさんある小さな店がザ・王将というイメージです。純粋なフライチャイズでもなくて、店によってかなりバリエーションがあるところが、また味があるんだよね~。東京でも何回か行きましたが、やっぱり京都の王将が恋しくなります。
TV番組。 (hiro)
2009-02-23 09:03:00
昨年テレビ朝日系の「アメトーーク」というTV番組で「餃子の王将」が取り上げられてた。僕は見過ごしちゃったけど、深夜番組にもかかわらず放送後すごい反響があって東京などの餃子の王将に深夜に行列ができたらしい。見てないから番組の内容は詳しくわからないが、調理の「音」だけで何を作っているのかを当てるなどしていたらしい。そのときの芸人さんたちは大多数関西系の人たちだと思うが、王将はやっぱ関西って感じやね。
この番組は芸人さん数名が「お題」に対し熱く語る!?番組で「家電芸人」とかで一躍有名になった番組です。
Unknown (iwashi)
2009-02-23 11:50:50
その番組、僕も見逃してしまったけど、ネットで記事を読んだことがあります。音だけで当てるっていうのはすごいね(^^) プロになると音だけでチャーハンとキムチチャーハンの違いとかまでわかったりして。やっぱり王将はみんなに愛されてるんですね。

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