おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
2カ月ほどかけて小説『道真 <上・下>』(高瀬千図、日本放送出版協会、それぞれ2,100円+税、1997年)を読みました。
著者の高瀬さん(小説家として森敦氏に師事、芥川賞候補に2回)がヒューマン・ギルドの会員だった1990年代後半にご本人から直接いただいていました。
「学問の神様」とも言われる菅原道真については「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」や、この時期人気の天神さま(天満宮)で知られていますが、その生涯は、栄達に伴う周囲からの嫉妬、大宰府に左遷されてからは慟哭に満ち満ちています。
「百科事典マイペディア」などでは菅原道真(845~903)についてこんなふうに書かれていました。
・平安中期の学者,政治家。
・学者としての最高位であった 文章博士(もんじょうはかせ)となり、栄進を続けた。
・宇多天皇に信頼され,藤原氏を押さえるため,藤原基経の死後蔵人頭(くろうどのとう)に抜擢(ばってき)された。
・899年藤原時平が左大臣になった時に道真も右大臣に任ぜられ,学者として異例の出世であったが,901年時平の中傷により大宰権帥(だざいのごんのそち)(大宰府の現地での実質的な長官)に左遷され,そこで死んだ。
・北野天満宮や太宰府天満宮、そして防府天満宮で「学問の神様」としてまつられている。
栄達では、現代では東京大学総長を経て副総理、官房長官に匹敵するような立場になり、本人が固辞したり、辞任を申し出ても受け入られないまま時の左大臣の藤原時平を中心とする陰謀により大宰府(今の福岡県)に追放され、非業の死を遂げます。
小説では、自分の地位を望むこともない、不器用な人間としての道真がクローズアップされ、初恋の人であった明子(あきらけいこ、文徳天皇の女御)との道ならぬ恋や、女性にだらしない側面も描かれています。
下巻の「邯鄲の夢」は、そのサブタイトルにふさわしく、栄華の時期から一転して、健康を害し、衣食にも事欠く姿にやるせない思いを抱きました。
上下で800ページ近くの大著ですが、どなたかこの本を読みたい人がいれば差し上げます。
ただし、『経営者を育てるアドラーの教え』 (岩井俊憲著、致知出版社、1,400円+税)と『アドラーに学ぶ70歳からの人生の流儀』(毎日新聞出版、1,500円+税)をセットでヒューマン・ギルドからお買い求めの方に限り、計2,900円、送料サービスで2月21日に先行お渡しとします。
◆菅原道真をより知るためには、次の2つに目を通すことをお勧めします。
(1)大宰府天満宮のURLから 道真公のご生涯
(2)PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)2019/07/31 6:00
菅原道真が学問の神様になった本当の理由 ― 7人が落雷で死んだ清涼殿落雷事件
(山本 博文東京大学史料編纂所教授)

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<お目休めコーナー>2月の花(15)
