◆赤城徳彦農水相の政治団体「赤城徳彦後援会」の事務所経費をめぐる問題は、「政治家とカネ」について新たな疑惑を国民の目にさらけ出している。佐田玄一郎前行革担当相、伊吹文明文科相、松岡利勝前農水相らの政治資金管理団の事務所経費問題と続いて、またまた「政治家とカネ」の問題が噴出した感がある。
◆これらの問題の根源には、米ソ東西冷戦体制下で許された自民党政治の古い慣わしを、東西冷戦終結後のいまでも改められずに引きずっているということである。それが元凶となっている。
米ソ東西冷戦というのは、米ソ両超大国が熱い戦いを避けながら、最前線においては小国に「代理戦争」をさせて、互いに覇権を競う戦争の一形態であった。日本も、アメリカを守る最前線の砦の役目を担わされた。そのなかで、保守勢力は社会主義革命や共産主義革命が起きないように厳戒態勢を取りつつ、自民党政治家に「自由主義体制堅持」に努めさせた。そのため活動資金となる「政治資金確保の手段」として、二つの方法を与えた。
一つが、政治団体による資金の調達と支出の詳細にベールを被せるという方法であった。献金主や使途を天下に公表することを義務化すれば、体制破壊を策動する革新勢力の攻撃される。これを防ぐために政治資金収支報告書の記載を「大雑把」にすることを許したのである。
もう一つが、株式市場からの資金調達であった。自民党本部は、大手証券会社と旧財閥系のグループ企業を使って、株式市場から巨額の資金を調達できた。個々の自民党政治家も政治団体や後援会幹部の名前を使って、株式売買により資金調達した。最近ではあまり聞かれなくなった「政治銘柄」というのがその名残である。「田中銘柄」「竹下銘柄」「金丸銘柄」などが活躍した時代が、いまや懐かしい。
◆ところが、米ソ東西冷戦の終結とともに、自由主義体制を守るために暗黙のうちに許されてきたこの二つの資金調達手段が、不必要になった。加えて、政治改革の一環として衆議院に小選挙区比例代表制度が導入され、併せて、政党助成金制度が新設されたことから、政党や国会議員の政治資金に「透明性」が要求されるようになった。この結果、政治資金管理団体やその他の政治団体に対する国民監視の目が厳しくなったのである。
◆それにもかかわらず、自民党の古い政治家や二世、三世政治家たちのなかには、古くから持っている政治団体のあり方を変えず、そのままにしてきた政治家が少なくない。赤城徳彦農水相もその一人であることが、バレてしまったのである。実は、安倍首相も似たような政治家であり、赤城農水相をひたすら庇う発言を繰り返しているのが、何よりの証拠である。「戦後レジームからの脱却」を叫びながら、「55年体制からの脱却」をしようとしていない矛盾した政治姿勢を取り続けていることに、安倍首相自身が、まだ気付いていないかのようである。
この調子では、赤城農水相ばかりでなく、この後続は、跡をたたず絶たず、政治資金収支報告書から少なくとも自民党の半分近い国会議員が、槍玉に上げられ、遂には、自民党瓦解という重大事態に追い込まれていくのは、間違いない。
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◆これらの問題の根源には、米ソ東西冷戦体制下で許された自民党政治の古い慣わしを、東西冷戦終結後のいまでも改められずに引きずっているということである。それが元凶となっている。
米ソ東西冷戦というのは、米ソ両超大国が熱い戦いを避けながら、最前線においては小国に「代理戦争」をさせて、互いに覇権を競う戦争の一形態であった。日本も、アメリカを守る最前線の砦の役目を担わされた。そのなかで、保守勢力は社会主義革命や共産主義革命が起きないように厳戒態勢を取りつつ、自民党政治家に「自由主義体制堅持」に努めさせた。そのため活動資金となる「政治資金確保の手段」として、二つの方法を与えた。
一つが、政治団体による資金の調達と支出の詳細にベールを被せるという方法であった。献金主や使途を天下に公表することを義務化すれば、体制破壊を策動する革新勢力の攻撃される。これを防ぐために政治資金収支報告書の記載を「大雑把」にすることを許したのである。
もう一つが、株式市場からの資金調達であった。自民党本部は、大手証券会社と旧財閥系のグループ企業を使って、株式市場から巨額の資金を調達できた。個々の自民党政治家も政治団体や後援会幹部の名前を使って、株式売買により資金調達した。最近ではあまり聞かれなくなった「政治銘柄」というのがその名残である。「田中銘柄」「竹下銘柄」「金丸銘柄」などが活躍した時代が、いまや懐かしい。
◆ところが、米ソ東西冷戦の終結とともに、自由主義体制を守るために暗黙のうちに許されてきたこの二つの資金調達手段が、不必要になった。加えて、政治改革の一環として衆議院に小選挙区比例代表制度が導入され、併せて、政党助成金制度が新設されたことから、政党や国会議員の政治資金に「透明性」が要求されるようになった。この結果、政治資金管理団体やその他の政治団体に対する国民監視の目が厳しくなったのである。
◆それにもかかわらず、自民党の古い政治家や二世、三世政治家たちのなかには、古くから持っている政治団体のあり方を変えず、そのままにしてきた政治家が少なくない。赤城徳彦農水相もその一人であることが、バレてしまったのである。実は、安倍首相も似たような政治家であり、赤城農水相をひたすら庇う発言を繰り返しているのが、何よりの証拠である。「戦後レジームからの脱却」を叫びながら、「55年体制からの脱却」をしようとしていない矛盾した政治姿勢を取り続けていることに、安倍首相自身が、まだ気付いていないかのようである。
この調子では、赤城農水相ばかりでなく、この後続は、跡をたたず絶たず、政治資金収支報告書から少なくとも自民党の半分近い国会議員が、槍玉に上げられ、遂には、自民党瓦解という重大事態に追い込まれていくのは、間違いない。
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