漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「亟キョク」<きわまる> と「極キョク」「殛キョク」

2014年02月13日 | 漢字の音符
 キョク・キ・すみやか・しばしば  二部

解字 篆文・現代字は、「二+人+口+又(手)」の会意。二は上下のあいだが狭い空間、そこに人を押し入れて、その前に口を、後ろから手(又)を加えて、口で罵りながら打ち懲らしめる意。金文は、打つ形の攴ボクになっている。古代の刑罰の方法であり、刑死を意味する「歹(しぬ)+亟」からなる殛キョクの原文である。亟は、死にいたるきわめて重い刑罰であることから「きわまる」意をもつが、仮借カシャ(当て字)され、すみやかの意に使われる。きわまる意は木へんを付けた極が受け持つ。
意味 (1)すみやか(亟やか)。はやい。「亟行キョクコウ」(急いで行く)「亟務キョクム」(急いでやる仕事) (2)しばしば(亟)。

イメージ 
 「仮借」
 (亟)
 「きわまる」 (極・殛)
音の変化  キョク:亟・極・殛

きわまる
 キョク・ゴク・きわめる・きわまる・きわみ  木部
解字 「木+亟(きわまる)」 の会意形声。木は、ここでは広く場所や状態を意味する。きわまった所や状態。
意味 (1)きわまる(極まる)。つきる(尽)。おわる。なくなる。「終極シュウキョク」(物事の終わり) (2)きわみ(極み)。きわめる(極める)。物事の最高・最上・最終。「極限キョクゲン」「北極ホッキョク」「極致キョクチ」「極上ゴクジョウ」 (3)きわめて。「極端キョクタン」「極刑キョクケイ」「極楽ゴクラク」 (4)根本。「太極タイキョク
 キョク・ころす  歹部
解字 「歹(しぬ)+亟(きわまる)」 の会意形声。罰がきわまり死ぬこと。
意味 ころす(殛す)。罰 して殺す。「殛死キョクシ」「殛誅キョクチュウ」(死罪にする)
<紫色は常用漢字>

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