80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

ラジコンバスの話

2013-03-23 23:54:35 | バス事業部
こんばんは。

弊ブログのカテゴリーリストに「バス事業部」というのがあります。遥か昔にラジコンバスの記事を1本UPしたきりで開店休業状態でしたが、先日、検索で弊ブログにたどり着いたという方から、あのバスの作り方が知りたいというコメントを頂きました。ご自身も大型ラジコンバスのフルスクラッチを検討されているとのことでした。

ちょうど自分もあの模型(当然、未完成です(笑))のことが気になっていた時だったので、久しぶりに取り出して「火」を入れてみることにしました。
とはいえ長らく放置状態で、走らせるには少し整備する必要があるため、今回はまず回顧録的に車体の構造などについて若干の解説をしてみたいと思います。テツな話からは逸れますが、模型つながりということでおつきあいください。


このバスは1/14スケールで全長は90センチにもなるビッグサイズです。車体はフルスクラッチしていますが、足回りにはタミヤのビッグトラックシリーズ「メルセデスベンツ1838LS」というトレーラーヘッドのシャーシをそっくり使っています。このトラックシリーズはコアなファンがいて、各地で走行会なども行われています。
プロトタイプは空港リムジンバスでお馴染みの東京空港交通が所有していた三菱エアロバス。1989年式ですから四半世紀も前の車になりますが、エアロダイナミズムを追及して生まれたそのスタイルとリベットのない滑らかなボディは、それ以前のバスとは比べ物にならないほどの輝きを放っていました。



ちょっと転がしてお腹を見てみましょう。幸か不幸か屋根板がまだできあがっていないのでこんなことができます。左が前になります。よく見て頂くと、床の中央に2本走っているシャーシ・フレームの色が、前後車軸の部分と中間とで違っているのがわかるかと思います。先のメルセデス・ベンツのフレームを真っ二つにして、ホームセンターで求めたアルミチャンネルを使って延長しているのです。



切り継ぎ部分はこんな感じになっています。黒い方が元のフレームでこちらも材質はアルミ。この内側にアルミチャンネルがぴったり入ったので、ボルト・ナットで横から1~2ヶ所締めるだけで済みました。



フロントアクスル(=前車軸)周辺の様子で左が前です。実車は独立懸架のエアサスですが、こちらはトラックシャーシそのままの、板ばね+リジッドアクスル(左右輪が1本の梁でつながったもの)となっています。
車軸の左側にあるのがステアリング用のサーボモーターで、オリジナルのトラックでは複雑なリンク機構を介して駆動するのでガタが多かったのですが、こちらはシャーシ・フレーム間に落とし込んでダイレクトに駆動しているので、ステアリングの切れ味は抜群です。ただそのぶん非常に苦しい配置になってしまいました。
車軸の右側にある、同じように腕が出ている箱はウィンカー用のスイッチで、左右にステアするとウィンカーが点滅する、なんともアナログな仕組みです。



車体中央部はもともと何もなく、実車のようにトランクの扉をガバッと開けるとカラフルなスーツケースが詰まってる、みたいなつくりにしようと思っていたのですが、強度的にどうも難しそうなのでトランクの扉はダミーとし、代わりにサウンドシステムのブラックボックス(右下)とスピーカー(中央)を置くことにしました。そうです、このバスには、わが家の鉄道模型にも載っていないサウンドシステムが載っているのです!
スピーカーは後部のエンジンルーム内に置けば実感的ですが、スペースと重量の問題から諦め、車体中央部(お尻が床上にはみ出しています)に置いて地面に音を反射させることにしたものです。しかし車体裾が低いため、期待したほどの効果はありませんでした。



そしてこれは後部の床下です。実物のリヤエンジンを模してモーターを後部に置きました。ただし黒い大きな箱はギヤボックスで、モーターはその後ろ側(車内側)に収まっています。ギヤボックスがこんなに大きいのはシフトチェンジができるからです。ギヤボックスの上側に見える黒い箱がシフトチェンジ用のサーボモーターで、これを使ってロー、ミドル、ハイの3速の切り替えができます。どうです、楽しそうでしょう?(^_^)
リヤアクスル(後車軸)には実物と同じ作用をするデファレンシャルギヤ(デフ=差動ギヤ)が組み込まれていて、これもメカ好きにとってはたまらない逸品です。そのデフとギヤボックスを結ぶプロペラシャフトには、ミニッツ用(だったか?)の30mmくらいの短いドライブシャフトを使っています。元のトラック用のは10cm以上あるので、もしこのパーツがなかったらモーターをリヤ搭載するのは諦めていたでしょう。
ギヤボックスの下側の黒い箱は受信機とアンプ(速度コントローラー)です。



そのモーターはこんな感じでギリギリ収まっています。特にレース用などに換装はしておらず、元のトラック用のRS-540という普及型のモーターです。スイッチを入れる順番などがゴチャゴチャ貼ってありますが、しばらくぶりに扱う上では大いに参考になりました。準備はしておくものですね。。。
モーターの右にあるのはメイン電源スイッチで、これを入れるとエンジンがかかります!? 詳細は下の動画で(^_^)



続いて車体の方ですが、ペーパー製の電車とは違い、窓を抜いて丸めて補強して出来上がり、というわけにはいきません。実車のように工場で「組み立てる」感覚です。骨格は市販のアルミ材が主体で、長手方向に主として10×10mmアングル、屋根を含めた胴回り方向に幅10mm、厚さ1.2mmの平棒を使い、φ3mmネジでカゴ状に組んでいます。
ボディ側板はt1.0mmのABS板を使い、これは熱可塑性があるので、熱めのお湯につけて腰から下のゆるいカーブを曲げました。窓ガラスはスモーク調のアクリル板です。これらを骨格に貼るにはゴム系接着剤とφ2mmの皿ネジを併用し、強度を持たせています。側板は一見フラットに見えますが、座グリをした穴に皿ネジを差し込んで固定した後、上からパテで穴ごとネジの頭を埋めています。



エアロバスの特徴である丸っこい前面はさすがに板からは作れず、ホウの木材から削り出しました(ライトの上部分)。ヘッドライトまわりやバンパー部分はプラ板の貼り合わせで何とか形にしました。ヘッドライトケースは元のメルセデスのものがそっくり使えたのは好都合でした。中央の通称「アンドン」も含め、ライト類はすべて点灯します。



運転席まわり。ダッシュボードはプラ板から自作しましたが、ハンドルとシートはトラックの流用です。シフトレバーも自作です。車内の通路には「アースモデリングシート」から適当な柄を選んで貼ってあります。フロントガラスは複雑な3次曲面なのに加え天井付近にスモークが入っているため再現が難しく、一度トライしたものの失敗し、もっか素材と成形方法を再検討中です。3次曲面といってもそう複雑なものではないので寝押し?程度で済むかなとは思うのですが、どうしたらグラデーション気味にスモークが入れられるかが課題です。



というわけで、本当は製作途中の写真があったはずなのですが見つかりませんので、ざっと現車を見ながら構造を振り返ってみました。ではエンジンをかけてみましょう。コントロールはこの4チャンネルプロポを使います。左がスロットルとシフトチェンジ、右がステアリングです。実は右のレバーは下に倒すとホーンが鳴るのですが、その音がまったく「コンボイ」そのものなので使っていません。



ではどうぞ。
走行シーンはありませんが、空ぶかしとかエンジン再スタートとかしてみました。エアブレーキ音もありますよ(^^;



よろしければ1クリックお願いします。
にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型へにほんブログ村
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする