新米の時期を目前にして、通常ならば値下がりする古米の値段が値上がりを続けているという。言うまでもなく、新米の放射能汚染を恐れての買い占めが始まっているからである。
関東以北の総ての県では、新米の“予備調査”・“本調査”が義務付けられている。しかし予想では、ある程度の放射能汚染は避けられないようではあるが、暫定規制値以下の汚染で収まる可能性が高いようである。
汚染状態を調査し、暫定規制値を超えた地域の米は総て出荷停止とし、政府が買い上げ廃棄処分とするそうであるから、今回の措置で、市中に出回る米は安心して食べられるはずである。綺麗な食品を食べられるに越したことはないが、過度に神経質になり食料を無駄にするのも如何かと思う。
世界各地で行なわれてきた原爆実験後の汚染の状態は、殆んど公表されず、曖昧な中に済まされてきているようである。その点、今回の日本の措置は安全の面から考えても妥当であろう。政府が支出した賠償は東京電力に請求する方針であるそうだが、現実の問題として、負担は政府即ち一般国民に及んでくることも考慮する必要があるであろう。