■県も影響の実態調査
新型インフルエンザの感染拡大の影響で休所していた障害者の通所施設も、5月27日に再開した。休所の間、通所施設への報酬はなく、施設側にとっては大きな打撃となった。県も休所による福祉の現場への影響の実態調査を進めている。
大津市弥生町の障害者の通所施設「唐崎やよい作業所」(定員34人)。休所明けの27日付けの家族との連絡帳には「長~い1週間でした」「家で過ごすしかない状況に親としては、とてもつかれました」など、施設再開を心待ちにしていた言葉が目立った。
利用者だけでなく、施設の運営にとって休所は痛手だった。21~26日の休所期間中、職員は出勤し、電話相談や自宅訪問をしていた。だが、現行の障害者自立支援法では、収入は日額制なので、通所する人がいない施設への報酬はゼロ。唐崎やよい作業所の場合、約130万円の収入がなくなった。
「非常に厳しい」と、所長の山田宗寛さん(43)は言う。「福祉施設のほとんどはぎりぎりのラインで経営しているのが実情。何か起きると、困難な思いをしている人にふりかかる仕組みはおかしい」
県障害者自立支援課は26日、休所要請した県内95ヵ所の障害者の通所施設などの休業状態や職員の利用者宅への訪問人数などを調査し、影響を調べている。担当者は「今回のような事態が起きたときに、利用者と事業者への影響が可能な限り小さくなる仕組みづくりを進めたい」と話した。
(5月28日付け朝日新聞)