田舎者ですが(^◇^)

会津の四季やローカルな話題、日常の出来事などを不定期ながら少しずつ綴っていきます。

やまちゃんの詩

2008-05-29 01:38:38 | ポエム

やまちゃんの詩集の数ある作品の中から僕がお薦めしたい詩を独断と偏見で選び、ご紹介したいと思います。
いくつかの誤字が見られますが、全て原文に忠実に再現しました。
どの詩にもとても素敵なメロディがつけられておりますが、ここではお聴きかせできないのがとても残念です。
でも、彼が声に出せない切ない想いをキーボードに託して生み出した詩を読めば、胸を揺さぶるような彼の心の叫び声があなたにもきっと聞こえてくると思います。
なお、このブログでは編集時に空白行を設けても反映されないため、行の先頭に半角文字の「.」を記入する方法で行間を空けており、それが多く目に付いてちょっと気になるかもしれませんが、申し訳ありません。
詩においては空白行も重要な要素ですのでどうぞご理解下さい。
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 『謳う』 ~風に向かい~
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生きることに疲れた時は 果てしない大空あおいでみれば
きっと何かが 見えてくるはずさ
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 涙が頬をつたわぬように 上を向いて
 空の青さに洗い流そう すべての痛みを
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  今を見つめ 夢を追い続け そして人生を謳う
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今じゃ西瓜も真冬に食えるから 本当の季節を忘れかけている
春には苺 秋には葡萄 自然のままがいい
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 あいつを馬鹿にするような 世の中だけど
 土に親しみ命をそそぎ 作ることの喜びを
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  風に向かい 大地踏みしめ そして自然を謳う
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 様々な人がいるから いろんな男と女が
 あってもいいじゃないか 渇いた社会の中に
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愛することを憶えはじめた あなたと出会ったあの日から
遠く離れているのに 思いはつのる
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  あなたを映し 心のままに そして愛を謳う
  今を見つめ 夢を追い続け そして愛を謳う
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『僕からの手紙』
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雨が雲の糸で結ばれているのなら
想いを束ねて あの人に伝えたい
書き残した白い画用紙と折れたクレヨン
今頃 何処で どうしているんだろう
互いに傷つき ためらいながらも
若さの鼓動に震えてた
  夜更けの雨が 心を呼び覚ましている
  戻らない 青春の日々と影
  あれからいくつかの 『物語』できたけれど
  その時々 出会った かりそめは
  挿絵に挟んだ 一枚のしおり
  若さの痛み哀しすぎて
  夜が囁く 心切なく 唇震わすよ
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    雨が雲の糸で結ばれているのなら
    想いを束ねて あの人に伝えたい
    今夜も独り グラスに注ぐため息で
    君を琥珀色に染めたのです
    色褪せた写真の中
    若さの苦みをしみています
      夜更けの雨が 心をかき乱している
      戻れない 青春の熱き記憶
      あれからいくつかの『物語』できたけれど
      その時々 出会った かりそめは
      モヤに隠れた 青春の傷跡
      闇を 探れば探るほど
      若さの痛みが哀しすぎる
      夜が囁く 心切なく 唇震わすよ
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    雨が雲の糸で結ばれているのなら
    想いを束ねて 君に伝えたい
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 『泣かないで・・・・・・』
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別れは突然すぎるもの
横殴りのノイズがある昔の映画のように
ホームに響きわたる発車のベル
早足の靴音がふたりの言葉を途切れさせ
涙が頬をつたう一滴 それがさよなら
泣かないで・・・見送られるほうが 心揺らいでしまう
泣かないで・・・いつものように笑顔で さよならしよう
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 離れる時がきて 気づきはじめた
 このやるせなさは愛ってかもしれない
 恋するなんて ふたりには似合わなかった
 駅員のアナウンスが そっと出発をつげ
 言葉にできなかった一言 それはさよなら
 泣かないで・・・見送られるほうが 心揺らいでしまう
 泣かないで・・・いつものよう笑顔で さよならしよう
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 『花だより』
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君に押され あるいた桜の並木道を
今年は ひとりであるいてみたよ
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満開手前の花たちも
行き交う人のなみも
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何も変わりはなかったよ
ただ隣にいた 君がいなかっただけ
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この便り届いたら 想い出して下さい
あの日のお城の 花吹雪を
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君に届け・・・・・会津花だより
君に届け・・・・・会津春だより
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 君に手をひかれ のぼった石段
 車椅子から ながめていたら
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 染まりゆく 緑のキャンバスも
 さわやかな 風のささやきも
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 そうあの日と同じに
 やさしく つつんでくれていた
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 この便り届いたら 想い出して下さい
 春風にゆれる 鶴賀の森を
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 君に届け・・・・・会津花だより
 君に届け・・・・・会津春だより
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 『もっとスマイル』
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苦しいことや困ったことに 出逢ったら
ここへ来て話してみなよ 仲間がいるから
誰にだって落ち込む時 涙する時がある
そんな時互いに語り合おう 心の悩みを
雨上がりの空にかかる 8番目の虹の色を捜して
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 ほら・・・ほら・・・ 微笑み合おう
 ほら・・・ほら・・・ 涙が乾くから
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もっとスマイル もっともっとスマイル
 勇気がわいてくる
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もっとスマイル もっともっとスマイル
 明日がみえてくるから
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※「スマイル」とは自立生活センターに付けられていた名前です。
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 『シンガー』 ~sing songs~
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幕が静かにあがり 唄いはじめる
マイクにそっと 息吹きこむように
やさしいラブバラードから
ピアノの音色は あなたの姿を
ギターのつま弾きは あなたの心を
バイオリンの響きは あなたの夢を
精一杯飾りつけて 唄い続ける
sing songs 歌声は永遠に生き尽く みんなのなかに
sing songs できるかぎりの感激の 拍手をあびながら
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   最後の曲ですと 星空の駅が
   いくつもの星たちが ステージ彩り
   空の雫と変えた
   アンコールの手拍子は あの歌を
   多くのあつい歌声は 車いすのヨッチを
   花束かかえた手に 優しいぬくもり
   そして唄った UN......会いたい
   sing songs リボンを結んだ プレゼントのように
   sing songs 受けとめ感じた あなたの歌声を
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※歌手の沢田知可子さんがやまちゃんの仲間であるヨッチさんの

招きを受け会津若松市でコンサートを開いた事がありました。
そのコンサートの様子を詩にしたものです。
この詩にも素敵な曲が付けられました。
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 『新たな旅立ち・スマイル』
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過去の古傷を抱きしめながら
わたしたちは 旅立ちます
永遠につづく 夢と現実につまづき
新たな物語の頁へ
予想もできないことが
多くあると思うけれど
わたしたちは 歩きつづけます
スマイルを絶やさずに
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 新しい闘志を胸に秘めて
 わたしたちは 旅立ちます
 あとにつづく 仲間たちへ
 そして自分たちのために
 たとえ厳しい
 苦難が待ちかまえても
 わたしたちは 頑張り通します
 スマイルの心を忘れずに
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 『CPロック』
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ちょっと「わっ」と言われただけで
カエルがとびはねるように
おどろいてしまう
そして 不本意な筋肉運動
身体がバリバリつっぱってしまうのさ
あって当然 アテトーゼ
あって当然 アテトーゼ
おいら おいらは CP・CP
そう 脳性マヒなのさ
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 言葉がうまく話せない
 口が逆らって異国語みたいな
 言葉になってしまう
 そして 思わぬ力が入って
 口から汗が出てきてしまう
 あって当然 意味不明
 あって当然 意味不明
 おいら おいらは CP・CP
 そう 脳性マヒなのさ
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  文字をきれいに書きたいな
  おいらが書く文字他人には
  なかなか読めない
  とくに ラブレター書く時なんか
  文字が勝手にロックンロール踊ってしまう
  あって当然 アテトーゼ
  あって当然 アテトーゼ
  おいら おいらは CP・CP
  そう 脳性マヒなのさ
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(全国わたぼうし音楽祭入選作)
※「アテトーゼ(不随意運動)」というのは自分の意志とは関係なく

身体が勝手に動いてしまう状態です。
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 『この空の下で』
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ふたりで歩いた 季節は色あせて
できるだけの優しさで つつんでいた頃
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咲きみだれる花に 君の面影揺れる
ときめきが少しずつ 心からはなれてゆく
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この空の この空の下で
またいつか会える時を・・・・・・
この空の この空のどこかで
夢に向かって生きてる君を・・・・・・
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 あてもなく彷徨い そこには何もない
 思い出の破片(かけら)が かすかに残ってる
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 流れる風の中 手を差しのべても
 君への想いが 静かに遠ざかる
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 この空の この空の下で
 またいつか会える時を・・・・・・
 この空の この空のどこかで
 夢に向かって生きてる君を・・・・・・
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 この空の この空の下で
 君は今 幸せで・・・・・・
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(「ドン米」メモリアルソング)
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 『街へ出よう』
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街へ出よう 僕らの生まれた街へ
まだ僕らの知らないとこもあるし
街へ出よう 僕らの生まれた街へ
まだ僕らの見てないとこもあるし
みんなでいっしょに歩こうよ
ジャリ道だって歩いて行くさ
坂道でもへこたれるものか
さあ!みんなで街へ出よう
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 街へ出よう 僕らが育った街へ
 母の背中でこの道を歩いたっけ
 街へ出よう 僕らが育った街へ
 幼いころ手をひかれて行ったところへと
 今度は 自分の力で行こう
 無理な時には 手を借りて
 くじけそうになったら 励まし合って
 さあ!みんなで街に出よう
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(国際障がい者年記念コンサート参加作)
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 『追想哀歌』
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突然すぎた君の悲報(たびだち)に 時がくだかれるほどに
心を一瞬なくしたみたいに ぼくはとまどってた
君が残した仲間達の 熱い涙がみえますか
むせぶ声で何度も何度も 呼びつづけていた
誰よりも君は明るく 笑顔が一番似合ってたね
君の言葉 君の仕草 浮かび消える涙のなかで
君は君をむしばむ病に 精一杯いどんだけれど
力つき標なき天空へ 静かにたびだった
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年がくれゆく北風のなかに 君はそっと横たわり
言葉失い花びらのなかで 静かに眠っている
じっと優しい顔を見てると 今でも信じられない
とぎれず浮かぶあの頃の君が まぶたによみがえる
誰よりも君は力強く ぼくたちに勇気をくれた
君の言葉 君の仕草 浮かぶ消える涙のなかで
君は君をむしばむ病に 精一杯いどんだけれど
力つき無限の見知らぬ世界へ 静かにたびだった
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※やまちゃんが心から尊敬し親しんだ先輩であり友人だった

亡きN君に捧げた詩です。
N君は会津の地に障がい者の為の自立生活センターを設立

する事に尽力した偉大な人物で、障がい者仲間のリーダー的

存在でした。
この詩から作られた曲を聴く度に僕はN君との最期の別れを

思い出し涙ぐんでしまうのです。
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 『ゆきほたる』
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約七千本の絵ローソクが
会津の里の雪の街を彩る
鶴賀の城を中心に花春通り
七日町とおりへと 灯火が広がってゆく
  ゆきほたる ゆきほたる
会津若松 真冬の陣
  ゆきほたる ゆきほたる
天空からも静かに雪が舞う
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遠く近くに揺れる炎のなか
数々の想い出がよみがえる
楽しかった白き想い出や
雪に刻んでいた あの頃のふたりの名前さえも
  ゆきほたる ゆきほたる
会津若松 真冬の陣
  ゆきほたる ゆきほたる
天空からも静かに雪が舞う
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 『春の羽音』
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雪の下の田んぼのうえで
残り籾殻をついばんでいた
白鳥たちは翼を拡げはじめて
北へ向かい帰る準備をしている
餌もそんなになく
荒く流れていた鶴沼川で
ひと冬こした白鳥たちは
旅立ちの時を待ちかまえている
春の羽音......春の羽音......

頭を茶色に口元を黄色にそめて
春の羽音......春の羽音......
白き磐梯の峰より高く遠く翔び立つ
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流れる雲にむかい 鳴き声をひとつ
翔び立つ瞬間を待っている
橋のたもとで餌をほおる人たちも
今か今かと心静かに見守る
大川とつながる
鶴沼川の岸辺を寝ぐらに
雪の白さと競っていた
羽ばたき叫ぶ 空は果てしなく
春の羽音......春の羽音......
暖かい日差しから逃げてゆく
春の羽音......春の羽音......
共に過ごしたカモ鳥に別れを告げて
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 『冬の虹』
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白き雪が降りてくるまえに
誰が架けたか 七色の虹
磐梯の山と飯豊の山
手と手をつなぐように
染める虹の架け橋
冬の虹は 心鮮やかに
冬の虹は 瞳なごませ
天空の友達の笑顔 浮かんできます
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         雨上がり空にわたる虹
         雨雲が風に溶けてゆく
         新潟の地へ福島の地へ
         行き交う車に
         ハイウェイレインボー
         冬の虹は 心鮮やかに
         冬の虹は 瞳なごませ
         天空の友達の声が 聞こえてきそう
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 『指輪のあと』
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あつい夏の日差しと共に
あなたが僕たちのまえに あらわれた
朝の風に揺れる あさがおの花
それとも高く なびく向日葵
忘れかけていたスマイル
でも・・・ でも・・・
何か悲しげな 仕草の影
ただひとつ 意味は知らない
しろい指輪のあとか・・・
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           故郷に帰ってきましたと
           一声そえてだした暑中見舞い
           色褪せ枯れゆく 紫陽花のよう
           風に揺れるまえの 秋桜
           でも・・・ でも・・・
           何か淋しげな 後姿が
           ただひとつ 訳は聴けない
           しろい指輪のあとを・・・
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 『小さな田舎村』
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藁葺き屋根が いまだに残る
小さな小さな 田舎村
川のせせらぎにまかせ
古い水車が ガタゴトと
時より すーっと涼風吹き抜け
大地の香りが 哀愁を招く
君が住んでいた 小さな田舎村
来てみたくて 訪れてみた
君はもういないけれど
寄り添い語りかけてきそうな気がして
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冬になるとあたり一面 真っ白に染まる
小さな小さな田舎村
もぎ忘れられた柿の実が
哀しげそうに ゆらり揺れている
枯れ草や 残り藁を燃やす
煙が村中を包み込み
モノクロの版画のように
君が住んでいた 小さな田舎村
秋が過ぎて また長い冬が来る
君はもういないけれど
子供の手をひいて歩いていそうな予感が
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 『村が消えた』
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生まれた時から この地に馴染み育ち
村民として 村の名前書きつづけた
地域合併により もうじきこの村がなくなる
あんなにあった 田んぼや畑もニュータウンとなり
村が消えた 村が消えた
ガキの頃遊びまわっていた おいらの愛しい村
村が消えた 村が消えた
愛着し呼びつづけた 謳いつづけたかった村
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村はずれに高速道路が 音たて突っ走り
新しい町になると インターチェンジが出来るとか
カエルの鳴き声もセミの険しさも すっかり薄くなり
慣れ親しんだ名前に 静かに幕を降ろした
村が消えた 村が消えた
季節彩る花たちも 淋しげに咲いている
村が消えた 村が消えた
やさしい風の囁きも 途絶えてしまうのか
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 『謳うミスターシーピー』
      ~平成なりあがり音頭~
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ふるさと我が街 うたに残したく
自由な白紙に ペンを走らせる
みどりを謳う 自然を謳う
人生(toki)を謳う 愛を謳う
シーピー シーピー Mr. CP
シーピー シーピー Mr. CP
謳うミスターシーピー
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季節の移り変わり 語り継ぐために
無限な言葉 メロディーにのせる
過去(mukashi)を謳う 未来を謳う
現在(ima)を謳う 夢を謳う
シーピー シーピー Mr. CP
シーピー シーピー Mr. CP
謳うミスターシーピー
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 『会津の春は・・・・・・』
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"立春"のこよみに合わせて
窓辺から差し込む 陽のあかりは
やがて訪れる 春をつげている
雪の下 咲き待つ福寿草の花も
木枯らしのなか 息をひそめる土筆も
いまか いまかと春を待つ
会津の春は 春はまだまだ近くて遠い
会津の春は 春は雪の重さ忘れ去れるまで
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"白鳥"は羽をひろげて
空を舞い 北へ旅立つ準備
過ぎゆく冬の足音足早に
苺の苗木も 早く畑に植えてと
桜の木々も 頬を染める準備
いまか いまかと春を待つ
会津の春は 春はまだまだ近くて遠い
会津の春は 春は雪の重さ忘れ去れるまで
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 『夕立』 ~サマー・ピリオド~
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短い夏にピリオド うつかのように
夕刻のいちまつ 突然の夕立
走る稲妻 轟く雷鳴
叩く雨音 吹き狂う風
ラジオから流れる歌も
稲妻に途絶え消え
あの日 あの夏 あの時のあなたのよう
モノクロの写真 ばらまくように
ひとときの夕立
時の坂道 巻き戻す
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乾ききった畑には 良いしおいになると
母さんたちは口癖に云う
走る稲妻 轟く雷鳴
叩く雨音 吹き狂う風
嫁に食わすなという秋茄子も
遅育ちの枝豆 とうもろこしにも
束の間の 潤いあたえるように
ひとときの夕立
自然の成り行き 気象転結
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 『謳いつづける』
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言葉に出せば空しくて
話す分だけ 馬鹿をみる
エイドに打っても 再生できず
すぐにクリアにする 阿呆らしさ
ひとつの出逢い ひとつの別れ
心がときめき 傷ついた
だから俺は 謳いつづける
文字にならない想い 書きなぐる
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一発で云うこと通じれは
気持ちとても 清々しく
何度も何度も 話して
通じないと ヤケになる
ワープロ文字では もの足りず
キザな台詞書き添え 野暮となり
だから俺は 謳いつづける
文字にならない想い 書きなぐる

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