とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

水俣の甘夏

2012年03月30日 | とだ*やすこの活動日記
毒で苦しんだ者が毒を使って農を営むことはできないと、無農薬で育てられた水俣の夏蜜柑です。若い人はご存じないかと思いますし、実は、わたし自身もよく知っているわけではないのですが、昭和36年、1961年生まれのわたしは、テレビの画面で繰り返し繰り返し「水俣」をみてきました。「サリドマイド」問題もありました。

魚を捕ったり、草花を摘んだりして毎日のように遊んだ鴨川の水の色が、高度成長期時代、ヘドロで濁っていく姿をみつめてきました。いつごろだったか、川に自転車が捨てられて草が絡まり、水の流れを遮っていました。あの光景は今でも忘れられません。

原子力発電所の事故に対するわたし自身の姿勢は、こういった体験が根っこにあると思っています。また、残留農薬で毎年人が亡くなる香港では、自ら食材を選び取ることが日常の課題でした。できる限り「自然なもの」「安全なもの」が口にできるよう、小さな選択を繰り返していると、最終的に「美味しい」ものにたどり着きました。

見た目の美しさには欠けても、この甘夏にはさわやかに嫌味のない美味しさがあります。

料理の上手下手以前に、食材を選ぶ目利きであることが台所を預かる大人の役目です。消費はもっとも身近な社会活動。「消費」が「生産」を育てています。安さや速さ、まして流行で食べ物を選ぶのではなく、身体を内側から整えてくれる食材を選びたい。あまり好きな言葉ではありませんが、「食育」とはそういうものではないでしょうか。

24時間コンビニが開いていて、インターネットでいつでも好きなTV番組が観られ、電子レンジで温めるだけで食べられる食品が溢れる時代に、朝ごはんを食べて規則正しい生活を送れと繰り返しても、効果がないばかりか、できないストレスが保護者にたまるだけ。コーラとチョコレートパンという朝食を食べていること、朝食は食べないで一日2食と決めている家庭と、どっちがいいかといえばおそらく後者です。

飽食の時代、東洋医学の原点に戻るのがよいという考え方に賛成です。
給食があれば、朝は、おにぎり(胚芽を残した無農薬米と良質のミネラルを含んだ塩)と番茶で十分。
味噌汁(乳酸菌の宝庫)と醤油(大豆の発酵食品)があればいい。
太陽を浴びたもの、人が手をかけて育て収穫したものを美味しくいただくことを伝えたい。
水俣の甘夏をいただいて、そんなことを考えました。

平野かおる議員とともに構成する会派「人びとの新しい歩み」は、学校給食、保育所の食材について、生産地の公表を求めています。放射性物質の問題がなくても、保護者が給食に求めることは絶対的に「安心安全」であることがアンケート結果でわかっています(給食費の見直し=値上げの際に行った調査結果)。

添加物、残留農薬、輸入食材などへの不安は以前からあり、今回の東日本大震災の被災地への風評被害を招く公表は慎重にすべきなどというのは、言い訳(繰り返す管理職あり)。平野議員の一般質問や戸田の総務文教委員会での審議において、教育次長からは前向きに検討するという発言もあり期待していますが、保育所の給食については公表するという方向性が示されていません。

公表すれば安心というのではなく、保護者のみなさんに「関心」をもっていただくこと、自分たちのことと知っていただくこと、そして「多様な価値観で食の安全安心を見守っていくこと」が大事なのです。これが安全安心への第一歩とわたしは思っています。

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