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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

JR島本駅西側周辺の将来像を問う

2011年10月31日 | JR島本駅西まちづくり
9月議会で「JR島本駅西側周辺の将来像を問う」と題して一般質問していますので、議会だよりの原稿依頼とともに質問者宛に送信される、未校正原稿を参考に、一部整理して紹介します。

1)学校法人西大和学園の大学立地構想に関連して。
①法人におかれましては、まずは教育学部、看護学部、健康医療学部の設置を計画。将来的には大学を拠点に教育、医療関係の付属施設の併設も構想。豊かな地域福祉環境づくりに貢献したいと考えておられるとのこと。法人の経営される奈良の女史短期大学の実習先病院には、例えばどのようなところがあるのか、把握されていますか。

総合政策部長 学校法人西大和学園の大学立地構想に関連しまして、「短期大学の学生の実習先について」。現在、学校法人西大和学園からJR島本駅西地区へ大学立地を希望する旨のお話があり、これを受けまして、まちづくり協議会においてご検討をいただいている状況。当該大学の学生の実習先につきましては、把握はいたしておりません。

戸田議員 なぜ、これを問うたか。まちづくり協議会の第1回理事会におかれまして、病院設置構想について事務局から説明がありました。学校法人西大和学園の実習先病院と何か関連がある施設なのですか、病院なのですか。特に関連がなく、町内にある病院の移設構想であるとしたら、学校法人が示しておられる医療関係の付属施設の併設、豊かな医療福祉環境作りへの貢献という将来構想には、具体性、実現性がないように思えますが、いかがですか。

総合政策部長 第1回のまちづくり協議会でのお話についてのお尋ねであるというふうに思いますが、当日、ご説明申し上げましたのは、そういった病院の立地についてもお話があるということで申し上げておりますが、それについてはJRの西側地区に限定したお話ではなく、島本町域内でそういったお話がある、こういうふうな観点からご答弁申し上げたところでございます。

戸田議員 島本町内に、幾つも病院を建てることは可能なのかどうか。
②難関進学校として、実績も勢いもある中・高等学校をお持ちです。その教育ノウハウを本町で活かしたい、また保育園・幼稚園などの幅広い教育福祉施設の設置もお考えであると、総合政策部長は6月の平野議員の一般質問においてご答弁されています。町内にそのような土地がどれほどあるのか。町としてどういった候補地が考えられるのか。隣接する府立島本高校との位置関係も気になります。想定できる利用可能な土地を、具体的にお示しいただけませんか。

総合政策部長 「法人が将来的に検討されている教育福祉施設の候補地について」当該法人におかれましては将来的な構想として、中学校・高等学校をはじめ保育園・幼稚園などの教育福祉施設の立地を検討したいというふうにはお聞きしております。なお、法人から、これらの用地についての具体的な候補地のお話はいただいておりませんことから、本町といたしても候補地について申し上げられる状況ではございません。

戸田議員 キャパシティーの問題を申し上げています。もとより、駅西側だけではとうてい実現できない将来構想となっていると思います。桜井以外の農空間保全区域の開発も必要になってくるのではないか、と危惧しているわけです。中・高一貫校設置ともしなれば、当然、運動場や体育館も必要になり、新たな私立幼稚園設置となれば、今ある二つの町立幼稚園の充足率からすると、これはもう統廃合ということにもなりかねない。そうなれば、駅前の一等地の第一幼稚園を手放すことになるかも知れない。私は議員ですから、いろいろなことを総合的に考えようといたします。町は、この点、どのようにお考えですか。

総合政策部長 将来的な構想として、そういうふうに考えておられるというふうなことを申し上げたところでございますが、本町の限られた土地利用の中で、駅前に限らず、そういった候補地があれば、それはそれで検討されるというふうには思っておりますが、今、例えば駅前の幼稚園とか、そういった具体的な話は全くございませんので、町として、今、具体的に申し上げらよれるような状況ではございません。

戸田議員 そもそも法人がお示しくださっている将来構想は、例えば、多くの自治体が総合計画基本構想で述べている、掲げている、理想を網羅した総花的な構想と言えなくもありません。超一等地に大学を立地し、あとは諸事情により実現できなかったということになるかも知れない。具体的で確実な全体像を議会にも住民にも示すことなく、大学立地を前提に地権者の合意形成を進めようとしていると見える町の姿勢に、私は問題を感じているわけです。不信と不安を感じます。この点、ご答弁をいただきたいと思います。

総合政策部長 大学の設置につきましては、まず、今現在まちづくり協議会で十分検討いただいておる状況でございます。その立地につきましても、前提条件として、これまでも申し上げておりますが、地権者の皆様のご意向、合意がなければ、これは実現する話ではございませんので、そういった観点から、町としましては、協議会の中でさらにしっかりと議論していただきたい、このように考えておるところでございます。

戸田議員 町が地権者のご意向を調査、集約されるのは当然のことで、繰り返し述べられなくても、実は当たり前のことです。農の後継者を持たない地権者の方が、農業以外の方法で土地を有効的に利用したいと思われるのも、また当然のことです。豊かになるということは、本来、素晴らしいことです。しかし、前のアンケートでは、「売りたい」と答えておられた方は、ごく少数でした。

そこで2)点目の質問に先に移りたいと思います。「JR島本駅西側に、交通広場がないのはなぜ?」ということで、①から③まで、続けて問います。
①駅西地区は、JR新駅駅前という公的な空間であるにもかかわらず、新駅設置構想の中で、公共団体施行による土地区画整理は行われませんでした、現在のところ。なぜか。その理由と、意思決定の過程で交わされた議論について、ご説明ください。

②現在、駅西側には交通広場的空間がありません。新駅と周辺の開発計画において、西側広場のあり方、尺代・若山台方面からの交通アクセスについて、当時、どのように考えておられましたか。

③新駅ができて利便性が高まる桜井台、若山台、尺代方面からの交通アクセスを考えれば、本来、駐車場も駐輪場もあってしかるべきです。しかし、町としては設置されていない。なぜ、町の公共事業として設置されなかったのか。その理由をお示しください。

総合政策部長 まず、「JR島本駅西側の交通広場について」の①点目「土地区画整理事業を行わなかった経緯について」JR新駅の設置につきましては、当時の町の財政規模や財政状況などを踏まえまして、まずJRの新駅を設置することを第一義として、必要最小限の施設設置を基本に事業を進めてまいったところでございます。従いまして、本町の財政状況や執行体制等の状況、また地権者を含めた住民の皆様の土地利用についての意向把握もできておりませんでした。こういった理由から総合的に勘案をし、これまで新駅設置の当面の必要な事業について進めさせていただいたところでございます。

続きまして③点目「駐輪場及び駐車場の設置について」。島本駅西側にも駐輪場や駐車場があれば、桜井台、若山台、尺代方面の住民の皆様の島本駅へのアクセスの利便性は向上すると考えております。しかしながら、設置に伴う費用として住民の皆様の税金を投入することとなり、費用対効果を勘案すると、さらに慎重な検討が必要である、このような判断をさせていただいたところでございます。従いまして、島本駅西側の駐輪場につきましては計画案としては設置をする、このようになっておりましたが、当面は東側の駐輪場の利用状況なども勘案をしながら、具体的な設置につきましては今後の検討課題とさせていただいたところでございます。

都市環境部長 それでは②点目。島本駅西側に駅前広場が必要であるとの考え方につきましては、駅設置計画時点から当然ございました。しかし、これにつきましては財政や執行体制等の状況から、駅西側に駅前広場や自動車でのアクセス道路を設置することは、新駅設置後の課題といたしました。また尺代や若山台から自動車でのアクセスは、当面、東側の駅前広場を利用していただくことといたしましたが、徒歩と自転車につきましては西側にも一定のアクセス道路が必要との考えから、桜井50号線の新設道路を計画したものでございます。

戸田議員 東側には水無瀬駅がありまして、島本駅設置の際、より考慮すべきは主に西側からの利用者の利便性の向上でした。しかし、尺代、大沢、若山台からタクシーや家族の送迎で自動車を利用されても、結局、JRを超えて東側からアクセスしなければならない。水無瀬鶴ヶ池線を通らねばならず、また狭く危険と言われる踏切の危険性が多少なりとも改善したとは思えません。一体、島本駅は誰のために、何のためにできたのか。

国からの交付金を得るため、一定の規模が必要であったということは理解しています。しかし、大変大きな駅になっており、自由通路の維持管理費、負担が将来にわたって住民にのしかかってきます。にもかかわらず、新駅開業においては利用者である住民の視点、町全体の総合的な交通施策の視点、人口減少時代への洞察力が欠けていました。
ここで、問いたい。今現在進められている西側地区の開発計画についても、主権者である住民の多くが実は願っている農空間・景観保全を実現しようという姿勢や、大学立地が町の将来にどのような影響を与えるのか、深く全体的に検討、熟考する視点を欠いているのではありませんか。

総合政策部長 「西側地区の今後について」でございますが、これにつきましては先ほどもご答弁申し上げておりますとおり、今現在、まちづくり協議会において議論をしていただいております。地権者の皆さん方のご意向でございますが、西側地区について、一定農空間の保全というふうなことで営農したいというご意見もございますし、また一方では一定の土地利用といいますか、高度利用も考えておられる方もおられます。そういった様々なお考えがございますので、そういった中で、今現在、町としては一定のゾーニングといいますか、そのご意向に沿ったまちづくり、地域づくりを進めていく必要があるというふうに考えておりますので、農空間の保全、営農を希望されている方は、そういった形での営農の支援というふうなことで、一定の農空間の保全ゾーン、そして一定の土地利用を考えておられる方については、そういった形での土地利用が可能なゾーニング、そういったことを町としては進めていく必要がある、このように考えているところでございます。

戸田議員 その勉強会、協議会でございます。平成22年度の勉強会を経て、本年度の協議会では一足飛びに、大学立地ありきの開発を中心に据えたものになっていると思います。今年の2月に法人より打診があったにもかかわらず、勉強会においてはそのことには一切触れられていません。もし、私が地権者の1人があったならば、これは相当に気分を害していただろうなと思っています。なぜ、勉強会の段階で大学立地構想について情報提供されなかったのですか。まちづくり構想の図案を作っていられました、ワークショップで。この点、ご答弁をお願いいたします。

総合政策部長 大学からの意向でございますが、当初は2月頃というふうに私、申し上げておりますが、これは様々な候補地がある中で、それぞれ打診をされている、そういった状況がございました。ただ、その時点では全く、地区を特定したものではなく、大阪府内、京阪神沿線でもいろいろ選択肢はあったというふうに考えております。そういった中で、より絞り込んだ形で4月末頃であったと思いますが、改めて大学(法人)のほうからお話があった。そういった状況でございますので、そのことについて、地権者の皆様方に情報提供をさせていただいた、そういった状況でございます。

戸田議員 協議会には、理事会を設置しておられます。概ね、事前に合意形成をされたうえで、第1回の協議会において冒頭、大学立地構想を公表されました。協議会として、その場で合意を求める雰囲気さえあり、さすがにこれは事務局の方で一定、整理をされたと思います。私は傍聴を認めていただいておりましたので、そこの経緯を見ております。また資料には、資料配付がされたばかりで、その日のうちに協議会としての方針を出すということに関しましてね、要点録を拝見したら、「乱暴だと思う」という記述もございました。

勉強会で、地権者のご意見をまとめたという構想案は、結局、保留区域申請に必要な案として手続き的に作成されたに過ぎなかった(注:この点については、時系列で考えると戸田の発言には誤りがあります。申請の素案は、勉強会の議論を経ていない段階で地権者に知らせることなく町が出しています。)そうじゃなくても、少なくとも結果的にはそうなっています。しかも、1月20日の都市計画審議会において、当該地の保留区域設定を審議する際、その根拠となったこの計画案を、勉強会の成果である、この構想案を資料提供されていない。結果、審議会がこれを必要なしと採択により判断されるという事態をも招いています。このようなあり方が、地権者のご意向を広く公平に尊重していると言えますか。

総合政策部長 まず、協議会の状況でございますが、協議会につきましては6月18日だと思いますが、第1回協議会において、そういった地権者の皆様方への情報提供をさせていただいたところでございます。なお、地権者の皆様方について、こういった大きな問題でございますので、その場で判断というのはとうてい無理であるというふうにも私も考えておりましたし、一定、持ち帰っていただいて協議をしていただくというようなことで、今現在、その皆さん方のご意向を調査させていただいておる、そういったことでございますので、その点、ご理解賜りたいというふうに考えております。

本年度の都市計画審議会において、いろいろ議論いただきました。その際に、審議資料として情報の共有というふうな形でいろいろご要望がございましたが、これについては審議会において、その場で皆さん方にお諮りをいただいて、その決定に基づいて手続き、処理をさせていただいたところでございますので、その点につきましても、ご理解賜りたいと思います。

戸田議員 平成21年度に取られた地権者のアンケート結果は、今なお生きていると思います。その後、アンケートは取られていません。市街化調整区域のままでよいとされた方が少なくなかった。大学立地構想を前にして、このことが全く忘れ去られていると思います。いかがですか。

総合政策部長 21年度に実施しましたアンケートについては、当然、そのことを認識しながら進めておりますが、調整区域のままでというふうなご意見については当然あったわけでございますし、今も現在あるというふうには認識しておりますので、当然、営農を希望される方についてはそういった形で考えておられるとは思いますが、今回は協議会において、その対象区域全域、あの区域についてどのようなまちづくりを進めていくのかというふうなことが前提になっておりますので、その一部に大学の立地の構想があるということでございますので、全域について、地権者の皆さん方のご意向を尊重する必要がございますので、仮に大学を立地するということになれば、あの区域については市街化区域への編入が必要になってくる、そういうふうに認識はいたしております。

戸田議員 通告の最後の質問をさせていただきます。桜井の踏切、青葉地区に繋がるマンボ、西国街道、高槻方面へJR高架をくぐるアクセス。これらの問題点については、過去に様々な経緯があったと思います。解決に向けて、現在、どのようなお考えをお持ちですか。大学立地構想と関連して、お答えください。

総合政策部長 ④点目の「アクセスの環境改善について」でございます。桜井の踏切の改善についてはJR新駅の設置時にもご要望があり、検討した経緯がございます。改良工事はJR西日本に委託することとなると思われますが、踏切改良は原則として道路管理者であります本町が事業主体となります。このためJRとの協議も一定行ってまいりましたが、かなりの改良費用が必要となるものと予想され、現時点では困難ではないかと考えております。

次に、青葉地区に繋がるマンボにおいては豪雨時には道路が浸水することも稀にあり、以前から改良のご要望をいただいておりますが、根本的な解決はマンボ内の道路排水が流入する水路敷を最下流から改修する必要がございます。また、ご質問の西国街道とは、府道西京高槻線の高槻市域内のJR東海道本線との交差部分が狭隘で、形状的にも良くないことを指摘されているものと思われますが、この改良につきましても府道でございまして、本町としての実施は困難である、このように考えております。なお、これらの課題につきましては十分認識をいたしており、引き続き課題解決に向けまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。

戸田議員 これら3点の問題につきましては、西側のあり方を総合的に考える中で解決しておかないと、今後も対策を打つチャンスは訪れないと私は心配、危惧しております。それで、お尋ねしました。これについては、町がおっしゃるように提案要望し、関係機関と協議調整するものと思っております。

最後になります。当該地区は北摂山系の稜線を背景にした田園都市構想を可能にし、文化の殿堂として、また町の誇るべき鉄道玄関駅となる魅力を十分に備えています。地産地消、観光、景観、それから環境、防災・減災の視点から、農空間であることが非常に意義があり、今後ますます重要になるものであると考えています。当該地区の農地を失うということの意味を考えると、大学であれ病院であれ、あるいは何か別の施設であれ、具体的かつ全体的な構想の把握と情報開示が町の責務であることを申し述べます。それで、この質問を終わります。

なお、9月議会では、50分(質問&答弁)の持ち時間で他にふたつの一般質問「若山台バスターミナルに音響信号機を!」「よりよい『福祉ふれあいバス』実現に向けての提言」をしました。


最後まで、読んでいただいてありがとうございます!
画像は、9月末頃のJR島本駅西側農地
里山の稜線との連続性が良好な景観の決め手

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