とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

地権者のご意向、優先?

2012年03月17日 | JR島本駅西まちづくり
午後、第3回まちづくり協議会を傍聴しました。冒頭(財)大阪府都市整備推進センターより、2月17日に予定されていた第3回まちづくり協議会が直前に、突然、延長された理由が述べられました。今後は、中高一貫校を先行するのではなく、まちづくり勉強会(平成22年度)でつくった「まちづくり基本構想」を、まちづくり協議会として承認していただき、土地区画整理事業で面整備して開発するのがもっとも望ましいと告げられました。

学校立地を先行するなら残りの部分がどうなるのか、というご指摘はそのとおりであること。地図上(スクリーンで示されたのみ、小さくて見えない)駅前の部分に病院と書かれているが、これは町立病院的な役割を果たしている「みなせ病院」のことで、病院を誘致できたら「うまいことになる」が、それは条件次第で実現可能なこと。駅前に「病院」と「学校」をもってくる計画であるが、非常にタイトなスケジュールになり、平成26年度の学校開校は難しいこと、などの説明がありました。

以下、整理できていないので読みづらいかもしれませんが、メモをもとに協議会の様子をレポートします。

現在、全国で行われている土地区画整理事業では保留地処分に苦慮するなど苦戦しているところがあるが、保留地を業務代行者が引き取ることでリスクは代行者が負うことになり、早期に「業務代行者」を選定して、リスクをここに渡して事業を遂行するとのこと。阪急上牧駅前の土地区画整理事業は阪急電鉄が行い、これを支援、指導したのが(財)大阪府都市整備推進センターでした。阪急上牧駅前とJR島本駅西地区では、一部、地権者が重なっており、一部の地権者には土地区画整理事業の経験があり、土地を売却、あるいは利活用されています。

学校法人・西大和学園が希望されている土地の地権者のなかには、納税猶予がかかっている農地もあり(一定期間中は農業を続けねければならない)、それが解除されるまで時間を要す人もいるとのこと。土地区画整理事業によって土地を整備することにより、公共事業的になるので行政から支援が受けやすく、交換、分筆などもできると説明されました。上牧駅がその手法をとったということですが、わたしの見る限り、上牧駅前に農地はもうほとんど残ってはいません。

関東大震災の後にできた土地区画整理事業は、土地価格が上昇しているときに可能な都市開発の手法です。高度成長期時代には「開発の母」といわれたものですが、現在では、道路や公園のインフラ整備(公共減歩)、あるいは開発に必要な資金を立替える業務代行者が取得する土地(保留地減歩)のために地権者が手放される土地は、30%~40%になるようです。つまり、土地所有者は所有する土地を40%近く開発に伴うインフラ整備と業務代行者の利益(おそらく大手デベロッパー)に提供されることになります。

社会情勢が不安定な今日の状況では、業務代行者の財政力に万が一のことが起これば、土地が「塩漬け」になってしまう危険性がないわけではないと、説明を聞きながら、わたしはふと不安な気分になりました。

それよりも、なによりも、現在、農地である土地を悪びれもせずに「地べた」と呼ぶ(財)大阪府都市整備推進センターのセンスが、わたしは許せません。説明の言葉も、口調も、内容も一貫して「乱暴」「強引」という印象を受けました。先祖から受け継いだ土地の将来を任せることができるのか、あるいは住民の暮らしを左右する駅前の姿を任せることができるかを考えると、前向きの気持ちになれるものではありませんでした。

平成24年度中に都市計画決定(事業を明確にし市街化区域に編入する)をしないと学校法人を誘致するのは難しい、と告げられましたが、このことは12月の段階で地権者から学校法人の担当者に質問があり、その際、法人側は「たとえ遅れても、この桜井の地を望む」「西大和という名称ではなく当地に相応しい名を考える」と明言されていました。あれから3カ月も経っていないのに、態度が変化しています。あるいは「合意」を迫るセンターの手法なのかもしれません。

今回は、「町立病院的な役割を果たしておられる「みなせ病院」が他にも適地を探しておられる状況で、水無瀬という名がつきながら別のところに移ってしまいかねない」という言い方で地権者に「協力」を求める展開に・・・今日の傍聴で、個人的には、ここがもっとも腹立たしいところでした。なぜなら、「平成25年2月の大阪府都市計画審議会、その前に島本町の都市計画審議会にかける必要があり、ここをめざせば学校法人の誘致になんとかギリギリ間に合うだろう」という説明が何度もあったからです。「地権者のみなさんのご協力があれば可能」という表現も繰り返されました。

「西大和のためではなく、みなせ病院をなんとかここにもってきたい」「病院が適地を探しているなか、町立病院的な病院、みなせという名がついていながら、よその土地に行ってしまうことになりかねない」「早期に業務代行者を決めたい」と力説されていましたが、それならば、水無瀬病院を誘致することこそ先行して行うことが可能、そうすべきではないかと、傍聴していて感じました。

今後のスケジュールとしては3月31日総会が開かれ、・区画整理事業でやる・法定土地計画の手続進める(業務代行者を選定)ことを「協議会の意思」としたいということです。6、7月に準備組合発足させ、業務代行者と協定を結び、平成25年2月の府都市計画審議会にかける・・・「しかし下水道整備ができなければ、この事業は進みません!」との説明もあり、常に、早く、早くと合意を迫る姿勢は昨年6月に開かれた第1回まちづくり協議会から変わりません。ただ、1回めは「大学」2回目は「中高一貫校」3回目は「病院」をもちだしての「土地区画整理」と内容は、常に豹変しています。

参加された土地所有者の方から、「インフラ整備の問題は、町もセンターもプロなのだから以前からわかっていたはずである。今になって、インフラ整備を早くしなければと地権者を慌てさせるという感じを受けた。西大和学園の話から土地区画整理事業になぜか変わっている」という指摘がありました。まったくもってその通りだと思います。下水道整備事業の予算編成はどうなるのか、浸水がたびたび起こるマンボへの対策もありJR側にもこういった協議会に出席を求め状況を理解してもらう必要があるのではないか、意識調査の結果がフィードバックもされていない状況で判断を迫るのはどうかと思うなど、質問、意見が相次ぎました。この眼差しこそもっとも信頼できるものです。町が繰り返し述べてきた「地権者のご意向」はここにあります。

「1時間あまり説明をきいたが、去年、西大和学園と突然に説明受け、今日は西大和のはなしは飛んで、区画整理事業の説明をされている。みなせ病院の件は、噂では聴いていたが正式に聴いたのは今日がはじめて。西大和学園が来ないとしても、みなせ病院は手放したくないというような話をされたが、今、減歩をして土地区画整理をやらなければならないのか」という質問に対するセンター側の説明は、「ウワモノとして西大和学園が入れることに変わりはない。開校をめざして急いでいるといえる。市街地調整地区なので地区計画をうたないといけない。みなさんが合意されてうまくいくならばやったらええですよ。しかし浄化槽です。言わば、汲み取りですわ」と言いました。

「西大和が下水道整備を自らするのか!浄化槽でするのか!ということになる。みなさんには言ってきた、一年近くかかって!」と強い口調で言われましたが、「みなさん」とはいったい誰なのでしょうか。たった3回しか行われていない「まちづくり協議会」。しかも、大学、中高一貫校、病院と土地区画整理と、説明は毎回異なっています。「去年、西大和学園と聞いたとき、土地区画整理をしなければできないと理解していた人、何人いたでしょう。理解していなかったのは、わたしだけでしょうか。ほとんどの人が協力して誘致したらよいのではないかと、漠然と聞いていたと思う。」という地権者の声。町長はしっかり受け止めていただきたい。議会も受け止めなければなりません。

駅にもっとも隣接するエリアの話がまったく出てこなかった理由は、「病院」でした。正式に「みなせ病院」が移転を考えておられることがオープンにされました。今までは、他の適地をあたっておられるなかで公表することはできかねるという段階だったそうで、今回、病院側に確認をとり、公表してもよいということとなったそうです。3月31日、2週間後の総会には、これで進めてよろしいかと問われることになり、議決されれば、協議会としての議決事項として土地区画整理事業での開発が進められることになります。1年かけて「ふりだし」にもどったともいえます。

あくまでも検討に入るということで「最後はみなさんに判断していただく」というセンター側の発言に、質問者から「その判断材料が少なすぎる!」「順序が逆やないか」と苦言が・・・実際、今日の資料は、レジメが一枚。水無瀬病院がどこに位置するかの地図も配布されていません。

センター曰く「平成25年2月、なんとかここにもっていけるよう、滞りなく事務手続きを行うのが町の仕事。下水道整備がネックになり、スケジュールにはまるよう行政で尽力してもらわなければならない。」これを受けて、「町の下水道事業はどうなっているのか。決定権をもっている人がいたら答えて欲しい。」という質問があり、総合政策部長が答えました。「3月31日に総会で賛同を得られれば、その上で、下水道計画にかかることになるが、平成24年中に計画の変更が必要。市街化調整区域なので現在は計画に入っていない。平成25年に実施設計、平成26年に工事にかかるというスケジュールになる」

財政の平準化が必要として、一般会計では小学校のエアコンやさまざまなことに慎重の姿勢の町が、この時期に下水道に多額の投資をできるのか。自滅行為ではないのか。下水道会計の財政見通しの視点、さらにはこの計画で高浜、桜井台地区の計画にどのような影響がでるのか、わたしは疑問に思っています。今日の協議会において、平成26年の工事を確約したわけではありませんが(地権者はそういう印象をもたれたかもしれない)、計画ができても「議会の議決」を経ないと予算の編成ができないことの説明はありませんでした。

19日、建設水道委員会で質疑されることになります。16日の委員会初日で、民主党議員の質問のカタチをとってオープンにされた部分は、17日の協議会で駒を先に進めるために必要な手立てでした。3月31日の総会は、午後7時から桜井公会堂で行われます。傍聴可能なはずですから、みなさんの関心をお寄せください。


画像は、阪急水無瀬駅前の島本町の観光案内(20日撮影)
壊れて隠されていた時計が、ちゃんと修理されて動いています
駅前に時計は必要と町が判断し、修理の手配をしていました


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