まずは、遺伝子組み換え食品の表示制度の問題点を三つの視点から整理しておきます。
①表示の対象にならないものが多すぎる
対象食品は現在約30食品。代表的なものは豆腐、みそ。他にコーンスナック類・ポテトスナック類・冷凍とうもろこしなど。遺伝子組み換え原料に頼らざるを得ない醤油・大豆油・コーン油・菜種油・綿実油・コーンフレークなどは「免除」されています。
これらの食品では分析しても結果が得られない(つまり化けている!)というのが主な理由です。
②表示義務があるのに表示されないケースがある
加工食品においては、使用原料の上位3位まで、かつ食品中の重量が5%以上のものだけを表示すればよいということに。すなわち4番目以降、5%以下の使用ならば知らされない、わからないということです。
③表現のわかりにくさ
「遺伝子組み換え使用」「遺伝子組み換え不使用」「遺伝子組み換え不分別」が使用されています。「不分別」とは、分けて運んでいない、つまり混入の可能性があるということです。これはあいまい表示としてEUでは不採用になったものですが、日本では「すべてを表示しなくともよい制度」として歓迎され、導入されたとのことです。
「混入」についての問題もあります。EUでは0.9%までしか混入を認めていません。1%で「遺伝子組み換え」と表示しなければなりません。日本は5%までは「意図せぬ混入」を認めています。このことを知らなければ「不使用」の表示があれば0%、未使用、あるいは混入なしと思ってしまいます。消費者にとってきわめて不親切、不利な表示です。
「不使用」のわかりにくさと矛盾の一例をあげます。
豆腐には表示義務があります。使用していれば「遺伝子組み換え使用」としなければならない。従って無表示は「遺伝子組み換えでない」ことを意味します。コーン油には義務がありませんから「遺伝子組み換え使用」とする必要はなく、無表示であっても「遺伝子組み換え」または「不分別」の可能性があることになります。
同じ無表示でも、まったく逆の意味になってしまう。義務のある食品を把握していなければ意味がない、消費者には実に酷な表示制度といえます。
課題は、「いつ」「どこで」「だれが」「なにで」「どのように」つくったか、自ら確かめられる制度を国がつくること。EU基準並みの表示制度に限りなく近づくことです。甘い基準、抜け道の多い表示制度を改め、作る側、売る側、ましてアメリカを中心とした輸入国の方を向くのではなく、食品を口にする側の視点にそった制度に改めることです。
買う側の知る権利、選ぶ権利を保障することが、食の安全安心の向上に必要不可欠です。
ところで、そもそも遺伝子組み換えとはどんなものなのか、みなさんはご存知ですか?
ひとことでいうなら、品種改良と異なり複数の生物の遺伝子を合体させて全くあたらしい生物を創造するもの。例えば、豚にクラゲの遺伝子を組み込むと、鼻とヒズメが光る豚ができるそうです。
現在日本で輸入が認められている食品は、大豆・菜種・とうもろこし・じゃがいも・綿・テンサイ・アルファルファの7品目だそうです。ここでいう大豆には、枝豆・大豆もやしも含まれます。
日本では研究用の作付けのみで商業用の作付けは認められていないのですが、結果的に日本人が世界でもっとも多くの遺伝子組み換え食品を食べているといわれています。多く栽培されているアメリカでは、基本的に家畜の飼料になる割合が多いからです。このあたりの事情を国民は知っておく必要があるといえます。
なぜ日本人がもっとも多く食べているのでしょうか。①食料自給率が低いこと カロリーベースで約40% 穀物ベースでは30%以下といわれています。②輸入国で遺伝子組み換え作物の栽培割合が増えています。③食品表示の欠陥が要因です。
表示制度の欠陥とは、①豆腐をはじめ、わずかな食品、約30の食品しか表示義務がない②上位3位の原材料、かつ重量の5%以上の原材料のみの表示義務③意図しない混入を5%まで認めている、です。
以上の点により消費者に知る権利が保障されていません。知らされていないことで、知らず知らずに口にしてしまっているのです。
ある統計によると、アメリカの大豆のおよそ80%が遺伝子組み換えであり、日本の大豆自給率を5%として、輸入大豆の約75%がアメリカ産という現状から、計算上国内で使用される大豆の約60%が遺伝子組み換え大豆ということになります。
画像はJR島本駅西側の農地 2008年12月撮影
①表示の対象にならないものが多すぎる
対象食品は現在約30食品。代表的なものは豆腐、みそ。他にコーンスナック類・ポテトスナック類・冷凍とうもろこしなど。遺伝子組み換え原料に頼らざるを得ない醤油・大豆油・コーン油・菜種油・綿実油・コーンフレークなどは「免除」されています。
これらの食品では分析しても結果が得られない(つまり化けている!)というのが主な理由です。
②表示義務があるのに表示されないケースがある
加工食品においては、使用原料の上位3位まで、かつ食品中の重量が5%以上のものだけを表示すればよいということに。すなわち4番目以降、5%以下の使用ならば知らされない、わからないということです。
③表現のわかりにくさ
「遺伝子組み換え使用」「遺伝子組み換え不使用」「遺伝子組み換え不分別」が使用されています。「不分別」とは、分けて運んでいない、つまり混入の可能性があるということです。これはあいまい表示としてEUでは不採用になったものですが、日本では「すべてを表示しなくともよい制度」として歓迎され、導入されたとのことです。
「混入」についての問題もあります。EUでは0.9%までしか混入を認めていません。1%で「遺伝子組み換え」と表示しなければなりません。日本は5%までは「意図せぬ混入」を認めています。このことを知らなければ「不使用」の表示があれば0%、未使用、あるいは混入なしと思ってしまいます。消費者にとってきわめて不親切、不利な表示です。
「不使用」のわかりにくさと矛盾の一例をあげます。
豆腐には表示義務があります。使用していれば「遺伝子組み換え使用」としなければならない。従って無表示は「遺伝子組み換えでない」ことを意味します。コーン油には義務がありませんから「遺伝子組み換え使用」とする必要はなく、無表示であっても「遺伝子組み換え」または「不分別」の可能性があることになります。
同じ無表示でも、まったく逆の意味になってしまう。義務のある食品を把握していなければ意味がない、消費者には実に酷な表示制度といえます。
課題は、「いつ」「どこで」「だれが」「なにで」「どのように」つくったか、自ら確かめられる制度を国がつくること。EU基準並みの表示制度に限りなく近づくことです。甘い基準、抜け道の多い表示制度を改め、作る側、売る側、ましてアメリカを中心とした輸入国の方を向くのではなく、食品を口にする側の視点にそった制度に改めることです。
買う側の知る権利、選ぶ権利を保障することが、食の安全安心の向上に必要不可欠です。
ところで、そもそも遺伝子組み換えとはどんなものなのか、みなさんはご存知ですか?
ひとことでいうなら、品種改良と異なり複数の生物の遺伝子を合体させて全くあたらしい生物を創造するもの。例えば、豚にクラゲの遺伝子を組み込むと、鼻とヒズメが光る豚ができるそうです。
現在日本で輸入が認められている食品は、大豆・菜種・とうもろこし・じゃがいも・綿・テンサイ・アルファルファの7品目だそうです。ここでいう大豆には、枝豆・大豆もやしも含まれます。
日本では研究用の作付けのみで商業用の作付けは認められていないのですが、結果的に日本人が世界でもっとも多くの遺伝子組み換え食品を食べているといわれています。多く栽培されているアメリカでは、基本的に家畜の飼料になる割合が多いからです。このあたりの事情を国民は知っておく必要があるといえます。
なぜ日本人がもっとも多く食べているのでしょうか。①食料自給率が低いこと カロリーベースで約40% 穀物ベースでは30%以下といわれています。②輸入国で遺伝子組み換え作物の栽培割合が増えています。③食品表示の欠陥が要因です。
表示制度の欠陥とは、①豆腐をはじめ、わずかな食品、約30の食品しか表示義務がない②上位3位の原材料、かつ重量の5%以上の原材料のみの表示義務③意図しない混入を5%まで認めている、です。
以上の点により消費者に知る権利が保障されていません。知らされていないことで、知らず知らずに口にしてしまっているのです。
ある統計によると、アメリカの大豆のおよそ80%が遺伝子組み換えであり、日本の大豆自給率を5%として、輸入大豆の約75%がアメリカ産という現状から、計算上国内で使用される大豆の約60%が遺伝子組み換え大豆ということになります。
画像はJR島本駅西側の農地 2008年12月撮影