山笑ふ……以前、物知りの国語の先生から聞いた言葉。改めて調べてみた。
『俳句歳時記 春の部』 (角川書店編) によると、
山笑ふ……冬山の蕭条たる感じを 「山眠る」 というのに対し、春の山の明るい感じを 「山笑ふ」 という、とある。
「春山淡冶(タンヤ)にして笑ふがごとく、夏山蒼翠にして滴るごとく、秋山明浄にして装ふがごとく、冬山惨淡として眠るがごとし」 (臥遊録) が出典らしい。
春は「山笑ふ」、夏は 「山滴る」、秋は 「山装ふ」 、そして冬は「山眠る」 と、 会話の中ですらすら話す先生の知識に感心した。
世界は言葉によって広がる。
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桜が散ると、今まで蕭条としていた山が、もこもことふくらんでくる。
近くで見る樹木が新緑を着けて美しくなるから、山のすべての木々がこのように新緑で装い始め、それで山全体がもこもこという感じに見えるのだろう。
(大和川の向こうの信貴山)
大和川の河原も、一面に黄色の花でおおわれる。
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大和川に架かる橋の上から見下ろすと、流れが変わるあたりの浅瀬に、鯉がたくさん泳いでいる。
( 橋の上から望遠で撮影 )
以前、大和川の水は汚く濁り、その濁った川べりで鯉を釣っている人をよく見かけたものだ。最近は、鯉釣りをする人を見ない。透き通った流れの中で、鯉たちは増え、悠々と遊んでいるように見える。
( たんぽぽ )
たんぽぽは、円い綿毛が面白い。
京生まれ、はんなり美人の女性写真家が、写真技術指導のテレビ番組に出演した時、「写欲をそそる」 という言葉を使って、なるほどと印象に残ったが、たんぽぽの綿毛は 「写欲をそそる被写体」 である。
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今日の散歩は、春日神社まで。
「春日大社」では、ありません。小さな、人けのない、旧村の神社です。
(春日神社の鳥居)
社の上の新緑のなかで、鶯が正調で鳴いている。
小鳥の鳴き声以外には聞こえるものがなく、小鳥が神々のように感じられる。
( 春日神社の小さな社 )
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