「金メダルを目指して、最高の仲間と、最高のライバルを相手に戦えたことが、幸せだった」 (女子サッカー・沢穂希選手
今回のオリンピックでは、チーム種目が好成績を挙げた。また、メダル獲得後の選手のコメントでも、「この仲間と闘えて、最高だった」という感想が多かった。
確かに、女子サッカーも、女子バレーボールも、卓球団体女子も、チームとして機能していた。そして、その背後に、なるほどこの監督があってのメダルだなと思わせる、監督の人間力があったように見えた。
スポーツに限らず、企業でも、学校でも、役所でも、ボランティア団体でさえも、リーダーがリーダーシップを発揮し、フォロアーがフォロアーシップを発揮することなしに、組織は機能しない。
管理職の中には、命令することがリーダーの仕事だと錯覚している人もいる。部下は命令に当然従うべきだと考えている短絡的な管理職もいる。リーダーは、言うことを聞かない部下を処分したり、悪い評価点を付けて溜飲を下げるためにいるのではない。
怒鳴ったり、殴ったりするのは最低である。それはリーダーとしての自らの無能をさらけ出している姿と言えよう。
歴史を見ても、日本人は、専制君主には心服しない民族だ。古代から現代まで、例えば、帝も、将軍も、執権も、殿様も、西欧、中東、中国の、皇帝や、王や、教皇や、スルタンのような専制君主にはならなかった。
もちろん、リーダーの役割は、単なる仲良しグループをつくることではない。
組織の目標や戦略を確立していく創造性、その目標や戦略の達成に向けて部下の心を一つにする人間力、これがリーダーに最も必要な資質である。
女子バレーの監督や女子サッカーの監督を見て思うのは、そういうリーダーとしての資質をもった監督であるということだ。