一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第3回電王戦を振り返る(後編)

2014-04-20 13:44:33 | 将棋雑考
第3局は▲豊島将之七段VS△YSS。早くもプロ側はカド番だ。
将棋は横歩取りに進む。22手目△6二玉がYSSの誘いの隙?だったが、本当に隙になってしまったようだ。
▲3三角成~▲2一角と踏みこんで、豊島七段の快勝。豊島七段はラクをして勝ったようだが、そこに至るまで、血のにじむような努力があった。
第4局は△森下卓九段VS▲ツツカナ。下馬評で意外だったのが、森下九段の評価の低さだ。
私の記憶が確かならば、かつて森下九段は若手の頃、「公式戦で1,500勝する」と豪語した。私も森下九段がタイトルのひとつやふたつは獲り、A級の常連になると信じていた。
その後の森下九段の活躍はやや期待外れだったが、その実力は折り紙つきだ。今回の予想でも、3つ勝つうちのひとりに、森下九段が入っていた。
戦型は相矢倉。森下九段の得意戦法で、実際中盤までは森下九段が優位に進めていたと思う。
しかし72手目△4七金に、ツツカナの▲2八角が素晴らしい辛抱。また80手目△3八金に▲5七金が意表の手で、これで十分というコンピューターの異能感覚には、大いに唸らされた。
そして本局、私が最も感心したのは、85手目の▲7八玉である。
後手の端攻めから予め逃げ、自陣の金銀に近付く。さらに▲8八歩受けの余地も作り、まことに味のよい一手に見えた。
従来コンピューターはこの類の指し手が苦手だったのだ。それがいまはノータイムで指している感じだ。コンピューターの進歩に、改めて驚くのである。
以下はツツカナの勝ち。中盤すぎまでいい勝負だったが、最後はコンピューターが勝つ、という雰囲気があり、果たしてそうなった。
これでコンピューターの3勝1敗。またもコンピューターの勝ち越しが決まったのである。
最終第5局は▲屋敷伸之九段VS△Ponanza。消化試合になってしまったが、一局の注目度はほかの対局と変わらない。
将棋は横歩取りになった。60手目、Ponanza△1六香が異能の香。プロ棋士はほとんど考えない手であろう。そして66手目△1六金が力強い金出で、この手には凄まじい迫力を感じた。ガチン、と金属音がしたものである。以下△3四歩まで角が詰んでは、金がソッポにいったものの、十分に働いたといってよい。
そもそもこの金は、34手目に△4三金と出たときから異能だった。ここはふつう、△4三銀と立ちそうなものである。そこを金とは、どういう感覚なのだろう。
最後はPonanzaの勝ち。△1六香は結果的に7九まで横すべりし、大いに働いた。Ponanzaがここまで読んでいたとは思わないが、あまりにも人間離れした指し手に、畏怖の念を抱いたものだった。
ところで第4局の終了後だったか、森下九段が新たな提案をした。棋士の棋力を最大限に引き出すために、対局者の継ぎ盤での検討を提案したのである。
私たちの棋士に対する畏敬の念のひとつに、頭の中で駒をどんどん進めることにある。それなのに、対局盤の横?で、あーでもない、こーでもないと、棋士が駒を動かしている姿を見せられても、興醒めしてしまうのではないか。
そんなにしてまでコンピューターに勝って、棋士側に何の得があるのかと思う。失うもののほうが多すぎはしないか?
ということで、今回の電王戦は、コンピューターの4勝1敗となった。今回の条件で4勝ならオンの字だろう。
さて私は以前から、コンピューターの棋力はプロ棋士を越えたと主張している。トップ棋士が出てくればコンピューターにはまだまだ負けない、と見る向きもあるが、トップ棋士と下位クラスの棋力差は、薄い薄い紙0.1枚であろう。それくらいなら、コンピューターが全て凌駕してしまうと思う。
コンピューターの進歩は凄まじい。これからその差は開く一方である。それを埋める簡単な方法は、やはり「駒落ち」であろう。
プロがコンピューターに駒を落とされるのは屈辱以外の何物でもないが、半世紀前の王将戦七番将棋や、戦前の公式戦では、プロ同士の駒落ち戦が行われていた。今回の戦績も、三番手直りに照らせば香落ちに該当する。
もし「第4回」があるならば、駒落ちの手合いは一考に値すると思う。
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第3回電王戦を振り返る(前編)

2014-04-19 12:00:55 | 将棋雑考
今さらという気もするが、先ごろ行われた、第3回電王戦を簡単に振り返ってみる。
前回の私の予想はコンピューターソフトの5勝0敗だったが、今回はプロ側の3勝2敗とした。
理由はもちろん、ルールの変更にある。それは、「出場ソフトが決定してからのアップデート禁止」「ソフトの事前貸し出し」「ハードの統一」など、ことごとく棋士に有利に働くものだったからである。
まず、「アップデートの禁止」。これがよく分からない。私などは了見が狭く、相手が子供であろうが女性であろうがいつも勝ちたいから、相手は弱いほうがいいと思う。大会などに参加したときも、なるべく弱い相手に当たりたいと思う。
でも棋士は違うだろう。先日のTBS系「情熱大陸」でも何人かの棋士が述べていたが、棋士はより強い相手との戦いを望むものではないのだろうか。
しかし電王戦ではアップデートを禁じた。この期間、棋士自身も勉強していくらか強くなるにも関わらず、ソフトにはそれを禁じた。
棋士はストイックに将棋に対峙しているが、こと電王戦に限っては、棋士の対局心理は私と同じ軟弱なものになってしまったようである(失礼)。
次に「ソフトの貸し出し」。これもよく分からない。棋士がソフトの実戦譜を研究するのはもちろん構わない。しかしコピー「そのもの」を使って研究するのはやりすぎと思う。これじゃあ相手の手の内が丸分かりではないか。
相手が誰であろうと、「かかってらっしゃい」と鷹揚に構えるのが、プロの矜持ではないだろうか。
「ハードの統一」も含め、とにかく今回は、ソフトが弱くなるよう弱くなるよう設定された感じだ。これではプロが勝ち越すだろう、いや勝ち越さなければならない、と思ったわけである。
こうして3月15日(土)、第3回電王戦は幕を開けた。
第1局は▲菅井竜也五段VS△習甦。通算勝率7割越え棋士の登場だから、この5局では勝ちを計算できる一番だったといってよい。
しかし結果は習甦の快勝。菅井五段の中飛車に、習甦は自然に対応し、目を瞠る好手を指すことなく?先手玉を仕留めてみせた。とくに終盤、自玉の不詰めを読み切り(当たり前だ)、△1三玉と逃げ越したあと、△6七歩成が大いに感心したところで、これで先手は受けなしなのかと目を疑ったものだった。
重複するが、菅井五段は勝率7割である。その彼がとくに見せ場を作ることもなく、ふつうに負けたのが信じられなかった。
習甦は指し手の方針がしっかりしており、終始手厚い指し回し。コンピューターソフトにありがちな「無味乾燥感」もなく、まるで人間が指しているようだった。
余談だが、先日植山悦行七段はこの将棋を評して、
「大沢さん、習甦の指し手は好きでしょ。大沢さんみたいな指し手だったもんね」
と言った。
第2局は△佐藤紳哉六段VS▲やねうら王。これは対局前、ソフトのバグ修正があったとかで一悶着あったのだが、棋士がそれほどまでに神経質になっているのかと、少し意外に思った。
戦型はやねうら王の四間飛車に、佐藤六段の居飛車穴熊。これは佐藤六段、ガッチリ穴熊に囲った時点で、勝ったと思ったのではないだろうか。
しかしそこからいろいろあり、結果的にはこれも、ソフトの快勝となった。
これはなかなかに衝撃的で、正調四間飛車に居飛車穴熊の対抗なら、ふつうは穴熊側がよしとしたものだ。これはアマプロ共通の認識である。だから振り飛車側は藤井システムや角交換四間飛車を駆使して穴熊に対抗しているのだ。
しかし今回振り飛車側は、ふつうに駒組をして、桂損までしたのに、勝ってしまった。
大山康晴十五世名人ではないが、相手が穴熊であろうと何だろうと、最後は強い者が勝つ、を教えられた一局だった。
(つづく)
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4月12日のわらび将棋教室(後編)

2014-04-18 00:09:28 | 蕨将棋教室
次はS君との対局である。S君には先日の東十条将棋教室で惜しい将棋を負けているので、本局は私の雪辱戦だ。
S君の先手で▲7六歩△8四歩▲2六歩△8四歩。
ここでS君が私を何とも言えない顔で見る。私は先日のブログで、S君は横歩取りの将棋も指すとよい、と書いた。S君がそのブログを読んでいる可能性は低いが、お父さんが読んでいて、それをS君に伝えた可能性はある。
▲2五歩か、▲6六歩か。私が注目していると、S君は(やっぱりこれで…)という顔で、▲6六歩と突いた。私も追随して、相矢倉になる。
と、横で指導対局をしていた植山悦行七段が
「矢倉ですか」
と言った。
「S君の▲7六歩~▲6六歩でこうなりまして」
「大沢さんは矢倉が苦手だから、S君チャンスですよ」
おっしゃるとおりで、私は矢倉が苦手だ。しかし苦手なら、勉強して自分のものにする楽しみもある。まあそれはともかく、いまは目の前の将棋だ。
S君、▲3七銀から▲3五歩。これを△同歩と取るから、いつも作戦負けに陥るのだ。私は△6四角と出た。
「もう△3五同歩とは取りません」
「いや取ってもいいんですが…」
と植山七段。
ここから矢倉独特の攻め合いになったが、S君の攻めが一枚上で、飛車角に成りこまれてしまった。
私は寸隙をついて△8六桂。これをS君が▲8六同歩と指しかけて、▲同銀と取ったのがマズかった。△同歩▲同歩に△8七歩と王手で叩けては、一瞬にして後手ペースである。
▲8六同銀では、もちろん▲同歩が良かった。これなら以下△同歩▲同銀△同飛に▲8七歩で、先手を取ることができた。
S君、前回の東十条で「△8六歩には(この局面では)▲同銀と取るのが形」と植山七段に教えられたが、それを守ったのが今回は裏目に出てしまったようだ。
△4六馬の飛車取りに構わず、私は▲4三角成。△2八馬なら▲3二馬までなので△同金だが、ここで▲3二銀打でなく▲1五桂が好手。以下△1四玉▲2三銀△1五玉▲1六歩まで。
詰め上がりまで指して、S君は「…け、ました」と言ったが、聞き取れないと思ったのか、「負けました」と言い直した。
S君、オッサンに負けたのが信じられないというふうだったが、私はもう少し抵抗するつもりである。
続いては別の少年と対局。彼とは前回のわらび教室で連敗している。それを植山七段も憶えていて、「大沢さんは彼が苦手だからなア」とか言っている。私が彼に負けたのは先日が初めてなのだが、否定するのも大人げない感じだ。
将棋は私の誘導で、△4五角戦法となった。▲1一角成に△3三桂と跳ねず、△8七銀。前回と同じだ。少年は▲7七馬。前局は▲7九金だったが、感想戦で出た手順を踏襲してきた。
△7六銀不成以下、少年は▲8五飛だが、△2五飛が切り返しの好手。これで私が優勢になったと思ったのだが…。
以下数手進んだ局面を記そう。

先手・少年:1七歩、1九香、2六歩、2八銀、2九桂、3七歩、4七歩、5七歩、5八金、5九玉、6三と、7七歩、9七歩、9九香 持駒:飛、角、銀、桂、歩2
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2四歩、3一銀、3二金、4三歩、5一玉、5三歩、6一金、7一銀、7三歩、7九と、8一桂、8八飛、9一香、9三歩 持駒:角、金、歩
(▲5八同金まで)

以下の指し手。△6九角▲5二銀△4二玉▲4一飛△3三玉▲6八歩△6七歩▲3六香△2三玉▲5六角△1四玉▲6七角△5八角成▲同角△3八金▲3九銀△同金▲1六歩△5二金▲1五歩△2三玉▲6七角△2二玉▲3二香成△同玉▲2三角打 まで、少年の勝ち。

後方では、植山七段とFuj氏が平手戦を行っている。Fuj氏の居飛車に、植山七段が右玉の趣向を見せていた。
私は△6九角と打った。しかし▲5二銀以下を決めてから▲6八歩がいい辛抱で、△6七歩と使わせてから▲3六香でシビれた。私も頑張ったが、もう後手の勝ちはないようである。
感想戦では、△6九角で△6七角を少年に指摘された。そうか上から打つのか。なるほどこれなら自陣にも利いて、たしかに決め手に見える。
さらに植山七段からは、△3八角の指摘もあった。うう…この挟み撃ちもあったのか。私の△6九角はスジっぽく見えて、決め手になっていなかった。
まあそれは置いといて、では先手はどこが悪かったのか。やはり▲8五飛だろう。これに代わる手として、少年は▲5六香を示したが、なるほどこれで後手は困っている。
もう▲1一角成に△8七銀は使えないようだ。
植山―Fuj戦も終わったようで、植山七段の勝ち。感想戦を聞いていると、
「大沢さん、飯島先生の横歩取りの本、買ったんじゃないんですか?」
とFuj氏が聞いてきた。
「まだ読んでない」
確かに飯島本をしっかり読んでいれば、▲8五飛に対して、もっと明確に勝てたかもしれない。
食事は植山七段、W氏、Fuj氏、私の4人で、ガストに行く。喫煙席が満席で、そこが空くまで入口で30分近く待った。けっきょくしびれを切らして禁煙席に座ったが、スモーカーは、煙草を吸うためにはここまで辛抱するのかと感心した。
食事後の植山七段は、弁舌が滑らかだった。まさに一刀両断という感じだが、それだけにその内容は、ここに書くことはできない。
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4月12日のわらび将棋教室(前編)

2014-04-17 00:02:15 | 蕨将棋教室
現在、たまたまチャンネルを合わせた「マツコ有吉の怒り新党」に、豊川孝弘七段が出ている。最初の5分ぐらい見逃してしまったようで、残念。こういうのは、番組表に書いてくんないかなあ。

8日(火)の東十条将棋教室のあと、植山悦行七段、W氏と食事を摂ったとき、植山七段から
「大沢さん、12日はどうなの?」
と聞かれた。
「12日(土)」とは、植山七段が講師を務める、「わらび将棋教室」のことである。
同教室の生徒は子供が中心で、通常はレギュラーが3、4人。それに私やFuj氏、Ok氏が加わっている。
ところが前回の3月23日(日)は、「おためし」も含め、7人もの子供が集まったのだが、たまたま大人は0人だった。大人が0人でもふつうは問題ないが、わらび教室は様相が異なる。子供の棋力が初級者から有段者まで幅広いので、大盤を使っての講座ができないのだ。
よって、植山七段が多面指しをすることになるが、これがすこぶる大変だったようだ。
スタッフのW氏も助っ人として頑張ったらしいが、このパターンが次も続いたら大変と、植山七段から冒頭の言葉が出たらしかった。

それを聞いたからというわけではないが、12日はわらび将棋教室に行った。屋敷伸之九段―Ponanza戦もおもしろいが、棋譜はあす見ればよい。
それにしても、6日(日)の大野教室、8日(火)の東十条将棋教室、11日(金)の東十条囲碁将棋サロン+ジョナ研、そしてきょうと、1週間で4回目の将棋教室だ。これでは私が将棋バカだと揶揄されても、否定できない。
「くるる」のエレベーター前でS君親子と会う。S君はいつも父親同伴なのだ。
しかし教室に入ると、子供生徒はS君も含め3人。この程度の生徒なら私が来た意味がないではないか。
「帰ろうかな」
と不貞腐れてみる。本当は将棋を指したいのに、心と裏腹なことを言う。
「まあゆっくりして行ってください」
と植山七段が穏やかに言う。私は余計なことをつぶやいてしまったようだ。
とりあえず3面指しが始まったところで、新たに少年が来た。彼と私が指したほうがいいとも思うが、植山七段はそれを制す。
やがてFuj氏、A君も来た。W氏がくすっと笑う。Fuj氏は8日(火)から11日(金)まで地方に出張で、ために今週の東十条にもジョナ研にも参加できなかった。Fuj氏、将棋に飢え、ウズウズしているようだ。
もっとも本人に問うと、ホテルでは名人戦の棋譜を並べ、それなりに充実したひとときを過ごしていたらしいが。
新たな少年はW氏が講義をし、A君にはFuj氏が指導対局を行うことになった。手合いは植山七段の指示でFuj氏の飛車香落ち。この前までは二枚落ちだったから、昇級したことになる。子供の棋力向上は早い。
書き遅れたが、私は植山七段と平手戦である。通常は角落ちなのだが、横の子供2人が植山七段に平手で挑んでいては、私も同じ手合いで指さざるを得ない。
将棋は私の四間飛車に、植山七段は△6四銀~△7三桂~△8四飛。珍しい形となった。
奥の少年は横歩取り。隣のS君は相矢倉戦となっていた。
少年らは早指しで、ポンポン指し手が進む。私も早指しのほうだが、彼らより遅い。植山七段△7五歩の仕掛けに、私は定跡どおり受けていった。
奥の少年、S君と相次いで終わる。いずれもいい勝負に見えたが、上手がきっちり寄せ切った。下手にも指したい手を指させ、最後は綺麗に決める。指導対局のお手本を見るようだった。
こちらはむずかしい将棋になっている。私の左桂が上手の右銀と交換になったが、左銀は8七で遊んでおり、思ったほど得していない。
その銀を植山七段が馬で取る。馬筋が逸れたので、私は▲2二角と放り込んだ。
教科書どおりの攻めで、△2二同玉なら▲4一飛成と金を取り、これが▲3二金と▲5二竜(金を取る)を見ている。
実戦もそのように進み、植山七段の淡白な指し手もあって、私が幸いすることができた。
アマがプロに平手で勝つ。一見アマの大殊勲に見えるが、指導対局では当てはまらない。上手は勝敗度外視、下手のチカラをいかに引き出すかに焦点が置かれている。「ここでどう指します?」という上手の問いかけに正解を続ければ、上手も抵抗することなく、土俵を割ってくれるのだ。
とはいえ平手での勝利は、やはりうれしかった。
(つづく)
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第36期女流王将戦予選・枠抜け予想

2014-04-16 00:05:07 | 勝敗予想
きょうは第36期女流王将戦・予選の枠抜け予想をする。◎印が枠抜け者。

1枠
相川春香女流2級VS竹俣紅女流2級
中倉彰子女流初段VS小野ゆかりアマ 左の勝者VS◎中井広恵女流六段
この枠は中井女流六段で固い。

2枠
島井咲緒里女流二段VS室谷由紀女流初段
石高澄恵女流二段VS小野花依アマ 左の勝者VS◎中村真梨花女流二段
タイトル戦登場の実績を買い、中村女流二段とする。

3枠
竹部さゆり女流三段VS久津知子女流初段
和田あき女流3級VS高柳理沙アマ 左の勝者VS◎岩根忍女流二段
いつも書いているが、私は元奨励会員の実力を高く買っている。岩根女流二段の枠抜けと予想する。

4枠
植村真理女流三段VS鹿野圭生女流二段
高浜愛子女流3級VS今井絢アマ 左の勝者VS◎室田伊緒女流初段
女流名人リーグに在籍している室田女流初段の実力を買う。

5枠
山田朱未女流二段VS北村桂香女流1級
山根ことみ女流3級VS中澤沙耶アマ 左の勝者VS◎長谷川優貴女流二段
長谷川女流二段に一時期の勢いはないが、とりあえずは勝ち抜かねばならないだろう。

6枠
蛸島彰子女流五段VS安食総子女流初段
船戸陽子女流二段VS◎村田智穂女流二段
村田女流二段でほぼキマリ。

7枠
斎田晴子女流五段VS長沢千和子女流四段
藤田綾女流初段VS◎渡部愛女流初段
ここは斎田女流五段以外の3人に、枠抜けのチャンスがある。各棋戦で勝っている、渡部女流初段の勢いを買う。

8枠
大庭美樹女流初段VS渡辺弥生女流初段
◎中倉宏美女流二段VS飯野愛女流2級
誰が枠抜けしてもおかしくない。希望をこめて、中倉女流二段を挙げておこう。

9枠
◎千葉涼子女流四段VS高群佐知子女流三段
早水千紗女流三段VS松尾香織女流初段
千葉女流四段にかつての勢いはないが、元奨励会員、元タイトルホルダーの実績を買う。

10枠
真田彩子女流二段VS北尾まどか女流二段
◎井道千尋女流初段VS野田澤彩乃女流1級
ここは難しい。4人の中では、わずかに井道女流初段の実力が上回っていると思う。

11枠
◎本田小百合女流三段VS熊倉紫野女流初段
山田久美女流三段VS山口恵梨子女流初段
女流王座戦における本田女流三段の活躍は、まだ記憶に残っている。本田女流三段に一票。

12枠
鈴木環那女流二段VS貞升南女流初段
◎矢内理絵子女流五段VS中村桃子女流初段
矢内女流五段と鈴木女流二段の一騎打ちと見る。矢内女流五段は最近パッとしないが、今回は彼女に賭けてみたい。

女流王将戦は早指し戦ながら、本戦からはテレビ出演がかなう、夢の棋戦である。出場女流棋士の皆さま、精一杯頑張ってください。
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