一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中倉宏美女流二段の誕生日に寄せて

2013-01-26 10:12:49 | 女流棋士
きょう1月26日は中倉宏美女流二段のお誕生日。おめでとうございます。
その宏美女流二段は先日の女流名人位戦で藤田綾女流初段に負け、今年度の公式戦成績は2勝5敗となった。あとは3月に開幕する倉敷藤花戦を残すのみだが、もしこの初戦に負けると2勝6敗で終了、1年前とまったく同じ成績となる。
宏美女流二段は一昨年秋ごろから居飛車急戦の勉強を始め、それまでは居飛車でも振り飛車でも穴熊が多かったがキッパリとやめた。対振り飛車には「▲5七銀左」を採用し、玉の薄い将棋に新境地を開き、いわゆる脳ミソに汗をかく将棋を指すようになった。新規の研究会にも参加したという話もある筋から聞き、彼女の意気込みは本物だと思った。
私は大いに感銘を受け、2012年の中倉宏美は期待できる、と当ブログにも書いたりした。
ところが冒頭にも書いたとおり、その努力が成績には反映されず、宏美女流二段は黒星が先行した。そんな折り、宏美女流二段と島井咲緒里女流二段らのトークショーが阿佐ヶ谷であった。10月下旬のことである。このとき宏美女流二段が言った言葉を私は忘れない。
「最近は1週間に2日、将棋を忘れる日を作るようにしています」
文言は正確ではないかもしれぬが、大体こんなニュアンスだった。これを聞いて私は、自分の耳を疑った。将棋棋士たる者、片時も将棋を忘れないのが当たり前。それが本能だと思う。それを忘れる日を作るなんて、言ってることがおかしくないか?
2日間も将棋から離れていて、焦燥感は生まれないのか。否それ以前に、「禁断症状」みたいなものは現れないのか。駒を持ちたくならないのだろうか。定跡書を読みたくならないのだろうか。
当時も当ブログに書いたが、せっかく多くのファンを前にしたのだから、「一日24時間、将棋のことを考えてます」と答えてほしかったところである。以前彼女が自分の腕に「将棋命」と書いた意気込みは、どこに行ったのだろう。
誤解を恐れずに言えば、将棋棋士は自分の趣味が仕事になった、稀有な職業である。私のようなグータラ社会人が、休日に仕事を忘れるのとは訳が違う。そんな重大な事柄なのに、それをファンの前で臆面もなく吐露してしまう宏美女流二段のココロがよく分からなかった。
宏美女流二段は、もうタイトルを諦めてしまったのだろうか。だが、昨年9月に本田小百合女流三段がタイトル初挑戦を決めたとき、彼女は33歳だった。それまでの「タイトル戦初登場・岩根忍女流二段・28歳」の記録をを大幅に塗り替え、年齢を重ねてもタイトル戦に出られることを証明して見せたのである。
本田女流三段の通算勝率は5割ちょっと。宏美女流二段のそれは5割をちょっと欠けるくらいだから、両者の才能はそれほど変わらない。唯一違っていたのが、努力の差だったのではあるまいか。片方は24時間将棋のことを考え、片方は忘れる日を作った。勝利の女神がどちらに微笑むかは、火を見るより明らかであった。
宏美女流二段は昨年、上記のトークショーを始め、ラジオ番組にゲスト出演したり、ふだんの活動がテレビ番組にも取り上げられたりした。しかし私は、宏美女流二段が勝利したことで、メディアに登場してもらいたかった。
今年の宏美女流二段はどうするのだろう。どうなるのだろう。研究会も自然解散になった、という噂も聞いた。しかし私は今年もう一年だけ、宏美女流二段を熱烈に応援したいと思う。
2013年度は、最低でも勝ち越してもらいたい。これは決して無理な希望ではない。もしこれが叶わなかったら、宏美女流二段を「女流棋士ファンランキングトップ10」から外す、くらいの覚悟でいる。
…と、宏美女流二段の誕生日に、また宏美女流二段を怒らせるようなことを書いてしまった。しかし彼女がこれに発奮して、対局にどんどん勝ってくれるなら、それでも構わない。
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三十九たび大野教室に行く(その2)・植山悦行七段の思いやり

2013-01-25 00:05:17 | 大野教室
上手・植山七段:7六馬、8四桂、8七香 持駒:銀、香
下手・Ha氏:1一竜、9五玉、9六歩、9八馬 持駒:金、銀、桂2…

ここで植山悦行七段は△8三銀。以下▲8六桂△9二香(△9一香は▲1一竜がいる)▲9四桂打で、寄せの見えない泥仕合となった。
岡目八目だが、△8三銀では△9三銀がよかったようだ。これなら▲8六桂にも△9四香▲同桂△同馬▲8六玉△7六馬▲9五玉(▲9七玉は△8五桂)△8三桂までの詰みがあった。
ちなみにこの日放送されたNHK「将棋フォーカス」の講座で、先手▲9九玉、後手持ち駒・金銀桂の局面をやっていた。正解は△9七銀で、これで必至。△8七銀はのちの△8七桂が打てず、必至にならないのだ。上の局面も、これと同じ理屈なわけだった。
指導対局は結局上手が勝ったのだが、感想戦で私が「△9三銀」を述べると、植山七段は「△9二香で1枚トクするつもりだった」と言った。
さて、私の指導対局である。私は居飛車を採り、飛車先の歩を交換したあと、▲3五歩。対大野八一雄七段戦の序盤を踏襲したわけだ。そして植山七段も△4四銀。この進行は前局の経験で下手十分と見ていたので、ここでは自信があった。
左ではFuj氏が指導を受けているが、下手が芳しくない形勢だ。私なら投了しているところ。
私は居玉のまま突っ張る。ここで3時休憩となった。Hon氏が来ており、生徒はこれで6人(+W氏)になった。ここで大野七段からの提案があり、ミニトーナメント戦を行うことになった。参加費はもちろんかからない。景品はプロ棋士扇子だった。
アミダクジを行い、私は1回戦シード。休憩後、そのまま植山七段との指導対局を続行した。数手後の局面が下である。

上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三歩、2一桂、2三歩、3二玉、3三銀、4二金、4三歩、5二金、5五歩、6三歩、6五銀、7三桂、7四飛、8五歩、9一香、9三歩 持駒:歩2
下手・一公:1七歩、1九香、3六飛、3七桂、4五歩、4七銀、4八金、5七歩、5九玉、6六歩、6九金、7六歩、7七銀、8七歩、8九桂、9六歩、9七角、9九香 持駒:歩2
(▲6六歩まで)

以下の指し手。△7六銀▲7五歩△2四飛▲2五歩△3四飛▲同飛△同銀▲7六銀△2九飛▲6八玉△1九飛成▲7四歩△3六歩▲同銀△2八竜▲3三歩△同桂▲5八金寄△3七竜▲7三歩成
△6四桂▲6一飛△3六竜▲6七銀△4五桂▲1一飛成△5七桂成▲同金△5六歩▲2二銀△5七歩成▲7九玉△4一金▲5四桂 まで、一公の勝ち。

▲6六歩に△5四銀は▲4二角成~▲7五金があるので、上手は勢い△7六銀だが、▲7五歩とフタをして銀得が確定した。しかし飛車交換になり、△2九飛と先着されたところでは、まだまだ難しい形勢と見ていた。
△6四桂に▲6一飛が微妙なところで、これに△7六桂なら▲7七玉と上がり、次の▲4二角成を見て上手も忙しいだろうと思った。
植山七段は△3六竜とこちらの銀を取り、駒損を回復。さらに△4五桂と懐を拡げ、気が付くと下手が劣勢になっていた。下手はどこで悪くしたのだろう。
植山七段は△5七桂成~△5六歩。受けていてはキリがないので、寄せられたらしょうがないと、私は▲2二銀と開き直った。
幸い下手玉に寄りはなかったようで、上手は△5七歩成を利かしたあと、△4一金。私は▲5四桂と待ち駒をして、下手の勝利となった。以下△4四歩も▲4一竜△同玉▲5三桂△同金▲4二金までである。
しかし…。どうも釈然としない。
大野七段を交えた感想戦で、植山七段は「ずぅっと悪かった」「▲7四歩がいい手だったね」と言った。しかし上手が△4五桂と跳ねたところでは4四からの逃げ道ができ、上手が優勢になっていると思う。したがって△5七桂成では、△3三玉と早逃げされたら、下手が容易でなかったはずだ。
私がそれを言うと、「(下手に)桂香がいっぱいあるから(それでも捕まる)」とのことだった。
それはそうかもしれないが、実戦的には下手が勝ちにくい。ただ植山七段は、「▲1一飛成では▲6三とがよかったね」と言った。ううむ…。
これはLPSA駒込サロンのころから感じていたのだが、植山七段が指導対局のとき、下手が優勢になると、あまり抵抗しない。それどころかヨリが戻ると、わざと?悪手を指して、花を持たせてくれることがある。下手がここまでうまく指したのだから、あなたの勝ちにしてあげましょう、というわけだ。
こんなこと植山七段に聞けないし私の憶測にすぎないのだが、きょうの将棋を見ていると、明らかにその意図を感じるのだ。この将棋は完全に逆転していた。そしてそうなったら、プロは逃さないものである。
上手は負けても何でもない。下手は勝てれば一日がハッピーだ。植山七段はそんな下手の心理を熟知しているのではないかと思う。
今年の初勝利は、植山七段のありがたい配慮があったのだった。
(27日につづく)
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三十九たび大野教室に行く(その1)・2013年一発目

2013-01-24 00:05:27 | 大野教室
20日(日)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。大野教室とは、日本将棋連盟棋士の大野八一雄七段が講師を務める将棋教室で、第1、3土・日曜日の開講である。時間は午後1時から5時まで。料金は1回3,500円。月4回出席は12,000円。月極めの一括で払ってもいいが、1回ごとの支払いでも最初の2回は3,500円、3回目からは2,500円となるので、最終的には同じ料金になる。生徒にとっては良心的な措置といえる。ただしこのシステムは、月が替わるとリセットされるので注意されたい。
特別講師には植山悦行七段(日本将棋連盟)、特別スペシャル講師に中井広恵女流六段(LPSA)が名を連ねる。ほかに将棋連盟からの派遣で、男性棋士が訪れることもある。
生徒はアマ有段者が多いが、3棋士とも初心者講習に定評があるので、年配の女性でも心配はいらない。一度体験してみればよい。納得のいく講義が受けられるはずである。
きょう20日は、午後1時20分ごろに入った。本当は前日もお邪魔する予定だったのだが、録りだめしたビデオを観るため、見送りとした。
大野七段がHonma君とMa君に指導対局を行っていた。前日は盛況だったらしいから、この数は意外だ。スタッフのW氏の姿もなかった。
遅ればせながら、大野七段に年頭の挨拶。今年も1年間、大野教室に通えればうれしい。通えなくなったら、私の生活に何かあったということだ。
奥の部屋では、植山七段がFuj氏とHa氏に指導対局を行っていた。植山七段にも新年の挨拶。
「今年もよろしくお願いします」
「久しぶりですね」
「娘さんの成人式、おめでとうございます」
「勝手に大きくなりますから」
という植山七段、うれしそうだ。
まずは大野七段に指導をお願いする。
「先週、仕事で中村亮介五段と札幌に行ってきたんですよ」
と大野七段。
「そうですか」
「でも寒くてねえ。大沢さん、よく毎年、(冬の)北海道に行けますねえ」
「はは」
「今年は積雪が2mもあったよ」
「それはすごいですね。見たことがない」
「地元の人も初めてだってさ」
まったく今年の寒波は凄まじいが、それで怖気づいては冬の北海道を観光できない。今年ももちろん各地の冬まつりに行くが、実はまだ、行きの飛行機のチケットを取っていない。8日(金)も休めるかどうか様子を窺っていたら、ズルズル日にちが経ってしまったのだ。今年はひょっとしたら、鉄路での道内入りになるかもしれない。
さて対局。私は居飛車から飛車先の歩を交換し、▲3五歩と伸ばす。△4四銀には▲3八飛。大野七段は△7二飛だが、のちの△7五飛~△3五飛の歩得には、▲同飛と応戦して下手十分だから恐くない。
大野七段は△5五歩。私は▲4六歩~▲4七銀。大野七段、△5四金。ここで▲3六銀が継続の構想だったが、その前に▲4五歩を利かすかどうかで迷い、指しそびれた。私は▲6七金右とし、矢倉を目指す。しかし▲5六歩型ではないので、角の活用がむずかしい。
そこへW氏が来た。立派な重役出勤である。W氏と会うのも久しぶりで、あらためて挨拶する。
大野七段は△2四歩~△2三銀。さらに△3四歩とされ、ここで事の重大さに気付いた。こんな歩、当然▲同歩と取りたいが、△3五歩とフタをされ、次に△3四銀と盛り上がられて困る。
私は▲3四同歩と取り、それを取り返される前に暴れるが、いかにも苦しい。以下は上手に気持ち良く攻められ、惨敗した。
感想戦に移るが、大野七段のアドバイスでは、やはり▲3六銀を早く決め、右金も5八のままで進めるべきだったらしい。かくして、新年最初の指導対局も、苦いスタートとなった。
W氏と談笑する。LPSA駒込サロンでもそうだったが、対局の合間のおしゃべりが、ほどよい息抜きとなるのだ。
コンロの前に、コーヒーメーカーがある。昨年末、中井女流六段がみなにプレゼントしたものらしい。
しかし生徒はどちらかというとコーヒー牛乳が好きで、本格コーヒーはお呼びでない。
そういえば、中井女流六段はコーヒーが好きである。「倉敷藤花戦・勝手にマッカラン勝負」の賞品にも、私はコーヒーカップとドリップコーヒーをプレゼントした。そこで、
「実は中井さんが自分で飲むためにプレゼントしたんじゃないの?」
の声も上がった。私はただただ黙っていた。
続いて植山七段に指導いただく。と、植山七段が
「もう(大野先生との将棋)終わったんですか?」。
私が曖昧にうなずくと、「簡単に終わってるじゃないですか。もっと一局の将棋を大事にしないと」
と、いつにない厳しい口調で言った。私も気を引き締める。
前を見ると、Ha氏との指導対局が熱戦になっていた。植山七段が強引な寄せを見せ、下手玉は風前の灯である。

上手・植山七段:7六馬、8四桂、8七香 持駒:銀、香
下手・Ha氏:1一竜、9五玉、9六歩、9八馬 持駒:金、銀、桂2…

この局面で上手の手番。植山七段は持ち駒の銀を手に持った。
(つづく)
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今年最初のジョナ研(後編)

2013-01-23 00:04:29 | ジョナ研
しかし物事はいい方に考えなければならない。かえってカロリー摂取が少なくて済み、ありがたいと思うようにした。
R氏は▲4五歩と仕掛けるが、Tod氏は△5四金と、森安秀光ばりの力強い受け。Kun-Kaz戦は息詰まる中盤戦だ。見物のHon氏、Fuj氏、私は世間話を続けるが、横目でチラチラ戦況を見ている。
Tod氏、△6二飛・7六馬の局面から△7五桂が当然ながら好手で、後手勝勢。数手進んで▲4八飛・5七銀・6九金、△6七竜の局面から、Tod氏は△5七竜!
この辺の感覚が異能だ。ふつうは△6九竜と金を取るところ。△5七竜には▲5八金打とされ、紛れた。
Kun-Kaz戦が終わったようだ。Kaz氏が指せる局面に見えたが、Kun氏の追い上げが急だった。△8七銀の▲7六飛取りから、再度の△8七銀が厳しかった。Kaz氏はどこかで▲8八玉と上がっておきたかった。
R-Tod戦はいつの間にかひっくり返って、R氏勝勢。最後は着実な攻めでうれしい勝利となった。Tod氏はもう少し終盤を鍛えないといけない。
午後10時9分、ここでHon氏は退席。美しい奥さんのもとへ帰るのだ。
R-Tod戦の感想戦を眺めていると、Kaz氏が私の肘をつつく。将棋を指しましょう、の合図だ。あまり気は進まないが、応じる。
私が振って、後手。▲2六歩△3四歩▲7六歩に相当迷った。横歩取り△4五角も考えたが、△5四歩からゴキゲン中飛車に。居飛車から見れば、振り飛車のくせに飛車先の歩を受けず、銀の進出にも動じないのが不愉快だが、それゆえに逆をもって指してみたいと思った。
Kaz氏は▲3五歩-▲2四歩と突き捨てて馬を作る。私は△6三金と上がった後、端を受けて△8二銀だが、これではつらいと思っていた。
向こうではKun-Todの平手戦が始まっている。
私は▲5六馬との交換を狙って△6五角。▲5七馬に△5六歩▲6八馬△4三角▲2六飛△7四歩▲6六銀(引)。この局面が下である。

先手・Kaz氏:1七歩、1九香、2六飛、2九桂、4六銀、4七歩、4九金、5五歩、5八金、6六銀、6七歩、6八馬、7八玉、8六歩、8九桂、9五歩、9九香 持駒:なし
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2四歩、3二金、3三銀、3六歩、4三角、4四歩、5一飛、5六歩、6三金、6四歩、7二玉、7四歩、8一桂、8二銀、8三歩、9一香、9三歩 持駒:歩3

以下の指し手。△6五歩▲7七銀△2五角▲6六歩△6四金▲6五歩△同金▲2五飛 まで、Kaz氏の勝ち。

私は△6五歩▲7七銀と凹ましたあと、△2五角と△3六の歩を守ったが、この2手は悪手だった。自ら角道を止め、どうでもいい3六の歩を守っている。冷静に見たらあり得ない指し手だ。
Kaz氏に▲6六歩とされ、事の重大さに愕然とした。▲6七馬-▲5六馬とされては完封負けになってしまう。私は△6四金-△6五同金だが、Kaz氏に▲2五飛と角を取られ、次に▲5四角の王手金取りを見られてはそれまで。ここで無念の投了となった。
感想戦で私は開口一番、△9四歩を示した。いかにものんびりした手だが、9筋の歩が切れれば△9八歩が厳しい。よって▲3六飛△9五歩となるが、この歩の取り合いは後手がよい。
△9四歩は△6五角を放ってからの狙い筋だっただけに、この手が指せなかったのは悔やまれた。
あちらの将棋はKun氏の勝ち。平手では手合いが違うから当然だが、Tod氏にも惜しいところはあったらしい。
感想戦を終えると11時すぎ。ここでKun氏が退席。ややあってKaz氏、Tod氏も退席となった。
彼らといっしょにお開きにしてもいいのだが、R氏、Fuj氏と残っておしゃべり。この粘りがジョナ研である。
「大沢さんは仕事を覚えたの?」
とR氏。
きょう幾度と聞かされたが、ここでも言われた。昨年末は、「来年こそ仕事を覚えよう」と意気込んだが、年が明ければ例年どおりの体たらくだ。やっぱり私はクズ人間なのだった。
11時50分ごろ、散会。今年最初のジョナ研は笑いあり、また笑いありの楽しい会だった。実戦も何局かあり、久々の正統ジョナ研だったといえる。
昨年秋から植山悦行七段の「(金曜)将棋教室」が蕨駅前で始まり、W氏やHon氏、Fuj氏がそちらへ行く公算が高くなったので、月2回のジョナ研開催はむずかしくなった。それでもジョナ研は私の心の拠り所であり、今年も継続できればうれしく思う。
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今年最初のジョナ研(前編)

2013-01-22 00:11:06 | ジョナ研
18日(金)は、今年初めてのジョナ研があった。ジョナ研では事前に参加・不参加の確認をするが、今回もW氏の名前がなかった。W氏は最近多忙で、これからも参加がむずかしくなるとのこと。W氏はジョナ研の顔でもあるだけに残念ではあるが、またヒマができたら顔を見せてほしい。
駒込ジョナサンには午後6時50分ごろ入った。先客はHon氏。まずは年始のあいさつ。本当に、今年もよろしく、という感じだ。Hon氏は令夫人と高校生の愛息を持ち、人生も順風満帆と推察する。毎日が苦悩の私とは対照的だ。
私はさっそく泣き言を言う。それを聞いてウンウンと頷くHon氏。それだけで私も救われるが、現実はちっとも変わっていないのが実情だ。
7時20分、R氏が来た。これは珍しい! 正確には調べていないが、ジョナ研参加は半年ぶりぐらいではなかろうか。
席に座るなり、「大沢さん、やっぱり太ったねえ」と言われ、凹む。凹みたくなければダイエットすればいいのだが、あの空腹の辛さも堪え難い。
R氏は現在、業務のほかに、待遇の件で会社との交渉が長期化しており、将棋の時間が全然取れないのだという。私などは将棋を指す時間が売るほどあるのだが、だからといって幸せではない。むしろ将棋が指せないR氏のほうが幸せそうだ。
その15分後、Kun氏が来た。R氏がいるので驚いている。そしてやはり年頭のあいさつ。今年も1年が始まったんだと思う。
Kun氏は雑誌を携えているが、いま話題の「週刊新潮」だった。米長邦雄前会長の記事で、読ませてもらうと、数年前の倉敷藤花戦イベントで日本将棋連盟がLPSA女流棋士を排除したこと、同連盟がLPSA・渡部愛女流3級の公式戦参加を認めないことなどにつき、公正取引委員会が内偵を進めているということが、某棋士の証言を絡めて書かれていた。
どちらもネタとしては古く、倉敷藤花戦に至っては数年前の話だ。そのころの話を持ち出したって、将棋連盟はしらばっくれるに決まっている。週刊新潮も、もっと新ネタで惹きつけないとダメである。記者も、一度ジョナ研に参加してみればいいのだ。某棋士に劣らぬ新鮮ネタが飛び交っているから。
みんな私がLPSA芝浦サロンに行ったことを知っていて、異口同音に松尾香織女流初段の体調を聞く。4人とも彼女のファンであり、やはり気になるのだ。
彼女も全快というわけではないだろうが、日々の業務をこなすことで、体調も恢復していくだろう。
8時すぎにKaz氏が来た。Kaz氏も久しぶりだ。昨年は仕事で多忙だったからだが、仕事をすれば給料が上がるから、それなりに充実しているだろう。
ちなみに私が勤めていた会社は、いくら残業をしても、給料は基本給だけという、チンケな会社だった。思い出したくない悪夢だ。
続いてTod氏が来る。Tod氏はさっきまで、LPSA芝浦サロンにいた。きょうは島井咲緒里女流二段に指導を受けていたはずである。Tod氏は先日の芝浦サイゼリヤでも、「将棋世界」と「週刊将棋」の最新号を所持していた。その勉強熱心さには頭が下がる。
8時22分、Fuj氏が来る。Fuj氏と会うのも久しぶりで、どうも昨年の11月以来らしい。
植山悦行七段が先日前日の棋王戦で泉正樹七段に勝ったので、ファンのFuj氏はごきげんだ。そのFuj氏は最近公務で中井広恵女流六段に会う機会が多いらしい。中井女流六段の美貌はどうなっているのか聞いたら、意味不明の回答だった。彼の美的感覚はよく分からない。もっとも、「Fuj氏は将棋にしか興味がないから」の声もあり、そりゃそうだと納得した。
きょうは総勢7人。では、席の配置を記しておこう。

     壁
R Fuj Hon Tod

  Kun 一公 Kaz

Fuj氏は27日(日)に芝浦で行われる、第2回芝浦ペア将棋大会に、今年もMinamiちゃんと出場する。私も観戦を請われたが、中倉宏美女流二段が男性強豪とイチャつきながら指す図は、つらくて観る気がしない。
9時すぎ、ついに将棋盤が出された。まずはR-Tod戦。後手Tod氏の四間飛車に、R氏の▲5七銀左戦法。左ではKun-Kaz戦も始まった。先手Kaz氏の横歩取りに、Kun氏の△3三桂戦法。Fuj氏はペア将棋の練習をしたかったふうだが、ペア将棋は諍いの元である。
私は黒ごま白玉ソフトを頼む。食わずもがなだが、少しでも店の売り上げに貢献しなければならない。しかし出されたソフトは、どう見てもクリームの量が少なかった。
(つづく)
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