一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

すぐり著「東上線各駅短編集」

2013-01-08 21:55:44 | プライベート
きょう読売新聞の夕刊を見たら、見覚えのある顔があった。
作家のすぐり氏で、「東上線各駅短編集」上梓の記事である。東武鉄道東上線は日光線などほかの路線と比べると地味だ。すぐり氏はそこにスポットを当て、各駅を「主人公」に、39の短編を編み出した。前著「だいだい色の箱-中央沿線物語」に次ぐ、ヒューマン電車短編集第2弾というわけだ。
すぐり氏は将棋ペンクラブの幹事を務めており、当ブログの読者でもある。
ここは大事なところなので、もう一度書く。
すぐり氏は当ブログの読者である。
そこは特筆大書しておきたいがしかし…全国紙の夕刊社会面に載るとはタダゴトではない。スペースは3段×1/2相当あり、かなりの大きさだ。広告費に換算したら相当な額になる。すぐり氏に読売新聞記者の知り合いがいたとは思えぬから、これは純粋に、ホンがおもしろかったということだろう。
写真を見れば、自著を両手ににっこり笑っている顔は確かにすぐり氏だが、すぐり氏、こんなに黒髪が多かったろうか。もう少し白髪が目立っていた気もするのだが…。
すぐり氏は作家として「知る人ぞ知る」状態だったが、これで一挙に全国区となった。何だか、すぐり氏が急に遠い存在になった感じである。次回どこかで会ったとき、「どなたでしたか?」とか言われたらイヤだな。言われそうだな。
コメント (2)
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ムリヤリの旅・1

2013-01-08 00:18:40 | 旅行記・その他の地域
途中、佐原に着く。佐原は日本地図を作成した伊能忠敬の生誕地で、一度訪れたことがある。あたりは古い建物が現役として残っていて、これらが東京に現存していたら、某建設会社がマンションに建て替えようと、毎日営業をかけるに違いない。
ここでは降りない。女子中学生が4人乗ってきた。うち3人はグループで、「始業式の日は授業あったっけ」とかしゃべっている。休みの日でも、制服姿の女子生徒は健在なのだ。
彼女らは十二橋駅と延方駅で下車した。
列車は北浦橋梁を渡る。延方から次の鹿島神宮までが、鹿島線の白眉だ。トラスなどの障害物が一切ないので、海の中を走っている感じがする。
鹿島神宮、12時33分着。鹿島神宮は何度か訪れたことがあるが、駅の雰囲気が松島海岸駅によく似ている。
きょうは平日だから旅行貯金ができるが、まずは参拝である。駅前の神宮坂を登り、そこを左折。しばらく歩くと、参道が見えてきた。
初詣は正月3が日がピークだが、私のようなフェイント型もいるようで、きょうも参拝客が多い。お賽銭を投げるのに列を作っていて、閉口する。
正月でなけりゃ引き返すところだが、さすがの私も今回は並んで参拝した。
とって返して、ご朱印をいただきに行く。と、整理券をいただいた。それだけお願いが殺到しているということか。私は「奥の院」まで足を伸ばす。しかしここの賽銭箱にも大勢の人が列を作っている。いまの時期、神社は書き入れ時だ。
ご朱印をいただき、ついでにおみくじも引く。「吉」で、そこそこいいことが書かれてあった。しかしこれがアテにならないのは、経験上分かっている。
帰途、塚原卜伝の資料館があった。無料なので入る。塚原卜伝は戦国時代の剣豪で、ここ鹿島の生まれである。近年、堺雅人の主演でテレビドラマ化もされたようで、神社内のそこここに、そのお知らせがあった。
館内は充実していたが、私の目を引いたのは、昭和30年代の標準的家庭を再現した居間だ。いまは懐かしいブラウン管の白黒テレビ、手動ミシン、年代物のラジオは見応えがあった。ちゃぶ台に置かれていた「小学一年生」にも歴史を感じた。
さて昼食である。行きの途中に、値段を堂々と表示していた蕎麦屋があったので、そこに入る。昼どきを過ぎたからか、先客は3、4人で、閑散としていた。
私はもりそばを頼んだ。しばらくして出されたそれは、少しゆで時間が長かったかもしれない。量も、もう少しほしいところ。
しかし最も残念だったのは、ざるがプラスチックだったことだ。味や量は別にしても、せめてざるぐらいは、竹とか木を使ってほしかった。
ただこの店は有名なのか、私が店を出る頃は、広めの店内が満席になっていた。
空腹も解消されたところで、旅行貯金である。参道からひたすら真っ直ぐ歩いたため、駅から離れてしまっていた。しかしこれが正解で、目指す郵便局はこの先にあった。
「ちょっとかわったとんかつ」と書かれた洋食屋があった。日本テレビ「ぶらり途中下車の旅」なら確実に入るところだが、辛抱して郵便局に向かう。
「鹿島神宮前郵便局」、104円。1月4日だから「104円」で、当旅行貯金では最も安い。
100円ショップがあったので、缶コーヒーを2本調達する。この飲み物が後で利くのである。
駅に戻って、鹿島臨海鉄道に乗る。鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線は、鹿島神宮のひとつ先、鹿島サッカースタジアムから常磐線水戸までの53.0kmを結ぶ第3セクターである。
もうだいぶ昔、たしか鹿島神宮のホームでのこと。クラブ活動帰りの女子高生が何人かいた。ここは上級生と下級生のタテ関係が厳しいようで、下級生は上級生にペコペコしまくり、上級生が列車に乗ってシートに座っても、自分たちは立ったまま直立不動だった(そのあと自分たちも座ったような気がする)。
あの光景が今回も見られるかと期待したが、正月4日ではさすがにそれはなかった。
14時41分、鹿島神宮発。水戸までは1,530円もするが、全国のローカル民鉄はどこも赤字で、存続しているだけでもありがたい。これは乗車料金ではない。鉄道マニアのお布施なのだ。
列車の構造は、ひとり旅にはうれしい転換式クロスシートだった。一両の列車は田園の中をゆるゆると走る。私は缶コーヒーをプシュッと開け、窓外の景色を楽しむ。鉄道マニアにとって、至福の時間である。
ローカル民鉄には珍しく、高架が多い。夕暮れなので、西日の太陽に列車が照らされ、田園に長い影が落ちている。沿線写真コンテストがあったなら、この「影」を撮影して応募してもおもしろいと思う。
16時09分、水戸着。水戸の駅前には、うまい蕎麦を食わせる蕎麦屋がある。茶そばで香りもよい。前回訪れたときには、何かの理由で食べられなかった。今回はのちの行動の関係で微妙だが、食べられるものなら食べたい。私はとりあえずその店に向かう。と、そこにあったと思われる場所が、駐車場に変わっていた。
…そうだった! 以前訪れたときは、それで蕎麦を食べられなかったのだ!
すっかり記憶を失くしていた自分に嫌気がさしたが、気を取り直して水戸駅に戻る。Suicaをかざして、駅の改札口を通った。常磐線の下りホームに降りる。反対側には、上野行きの上り電車が入線していた。
あれに乗れば自宅へ帰れる、と思う。日帰り旅行にして5日、6日は「大野教室」に行くのもよい、と考えるが、すでに今夜の宿の予約をしてしまった。どうも今回の旅は、いまひとつ楽しくない。余計なことを考えず、旅に専念しなければならない。
次の目的は、お隣の勝田から出ている、ひたちなか海浜鉄道に乗ることである。同路線も第3セクターのミニ路線で、かねてから一度乗りたいと思っていた。
常磐線の勝田着は16時33分。ひたちなか海浜鉄道の勝田発はその3分後の、16時36分である。かなり際どいが、乗り換えは可能だろうか。ホームが隣接していれば問題ないが、駅舎が別になっていたら厄介だ。また、仮に同じ駅構内にあったとしても、ひたちなか海浜鉄道はSuicaを受け付けていない可能性がある。事実鹿島神宮駅ではJR東日本なのにSuicaが使えず、現金で精算する乗客が続出していた。今回それをやったら手間取って、乗り継げない可能性がある。
勝田発16時33分のあとは17時11分である。それだとほぼ日も暮れて、車窓を楽しめない。
こんなことなら面倒を避けるため、水戸では切符を買って入場するのだった…と後悔するが、もう遅い。16時33分、電車は勝田に着いた。
(11日につづく)
コメント (8)
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