一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士の投了が遅い(推理編)

2013-01-06 01:18:50 | 将棋雑考
某七段が愛棋家から聞いた情報によると、自分がファンである女流棋士の対局が中継されているときは、どんなに形勢が悪くなっても、対局を続けてくれるだけでうれしいのだという。
これは興味深いファン心理である。私などは、中井広恵女流六段やパーフェクト室谷由紀女流初段が勝ち目もないのにズルズル指し手を続けていたら、つらくてとても見ていられない。
だが、女流棋士がファンのためを思って投了を遅らせているとは考えにくい。やはり自分のために指している、と考えたほうが自然だろう。
はじめに戻るが、どうして女流棋士は投了の時期が遅いのか。
早指し戦の秒読みだから、気持ちの整理がつかないまま指し手を続けてしまう、ということはある。しかしスポーツ報知に掲載されている将棋を見ると、持ち時間は残っているのに、誰もがけっこう最後の最後まで指している。
ところで将棋は囲碁に比べると、戦いが厳しいと言われる。終盤までどんなに形勢が良くても、一手バッタリを指して負けたら、それまでの苦労が水の泡となるからだ。
読者にも経験があると思うが、終盤までこちらが圧勝形、そこでこちらが大ココセを指して負けになり投了すると、感想戦で、序盤から私(勝者のほう)がよかったから…みたいな主張をされるケースがある。
これぞ勝てば官軍で、こちらは否定すると負け惜しみになるから言い返せず、ひたすら耐えることになる。かように敗者は、一局で2回叩きのめされるのである。この厳しさが、将棋離れの一因といもいわれるゆえんだ。
その点囲碁は負けても「これだけの地を取ったから」と慰められるところがある。
勝負事で自ら「負け」を宣言する競技は珍しく、囲碁と将棋ぐらいしかない。ことに将棋は、これをやらないと、勝負が終わらない。
囲碁の場合は若干違って、中終盤で大差をつけられれば投了するが、最後まで石を置いた場合は、その限りではない。石を数え、「私が○目(勝ち)ですね」と告げて、一局が終了するらしい。そしてここに、囲碁人気の秘密と、冒頭の疑問に対するヒントがある気がするのだ。

では結論を言おう。女流棋士は、「負けました」と言うのがイヤなのではなかろうか。
私に嫁さんはいないけど、夫婦ゲンカをすると、どちらが悪いかは別にして、謝るのは必ずダンナのほうだ、という声はよく聞く。
将棋の女流棋士も、対戦相手に頭を下げるのが悔しくてならないのではあるまいか。どんなに敗勢でも、指している間は相手に頭を下げなくてよい。だから負けと分かっているのに、指し手をズルズル進めてしまうのではないか。
ある女流棋士などは、自玉が詰み上がっているのにそのまま考え続け、ようやく投了を告げたのは48分後だった。これは勝者の女流棋士に直接確かめたから事実である。女性の負けず嫌いは、かようなまでに凄まじい。
蛇足ながら男性(棋士)は、これはうまく指されたからしょうがない、と諦める潔さがある。それが投了の早さに繋がっているのではないか。

「女性は負けを認めるのがイヤな生き物である」
…とこんな結論を書くと、何人かの女流棋士から猛反発を食らいそうだが、このところ私は、女流棋士との交流がまったくないので、いまはのんびり構えている。
コメント (5)
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