一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

三十九たび大野教室に行く(その1)・2013年一発目

2013-01-24 00:05:27 | 大野教室
20日(日)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。大野教室とは、日本将棋連盟棋士の大野八一雄七段が講師を務める将棋教室で、第1、3土・日曜日の開講である。時間は午後1時から5時まで。料金は1回3,500円。月4回出席は12,000円。月極めの一括で払ってもいいが、1回ごとの支払いでも最初の2回は3,500円、3回目からは2,500円となるので、最終的には同じ料金になる。生徒にとっては良心的な措置といえる。ただしこのシステムは、月が替わるとリセットされるので注意されたい。
特別講師には植山悦行七段(日本将棋連盟)、特別スペシャル講師に中井広恵女流六段(LPSA)が名を連ねる。ほかに将棋連盟からの派遣で、男性棋士が訪れることもある。
生徒はアマ有段者が多いが、3棋士とも初心者講習に定評があるので、年配の女性でも心配はいらない。一度体験してみればよい。納得のいく講義が受けられるはずである。
きょう20日は、午後1時20分ごろに入った。本当は前日もお邪魔する予定だったのだが、録りだめしたビデオを観るため、見送りとした。
大野七段がHonma君とMa君に指導対局を行っていた。前日は盛況だったらしいから、この数は意外だ。スタッフのW氏の姿もなかった。
遅ればせながら、大野七段に年頭の挨拶。今年も1年間、大野教室に通えればうれしい。通えなくなったら、私の生活に何かあったということだ。
奥の部屋では、植山七段がFuj氏とHa氏に指導対局を行っていた。植山七段にも新年の挨拶。
「今年もよろしくお願いします」
「久しぶりですね」
「娘さんの成人式、おめでとうございます」
「勝手に大きくなりますから」
という植山七段、うれしそうだ。
まずは大野七段に指導をお願いする。
「先週、仕事で中村亮介五段と札幌に行ってきたんですよ」
と大野七段。
「そうですか」
「でも寒くてねえ。大沢さん、よく毎年、(冬の)北海道に行けますねえ」
「はは」
「今年は積雪が2mもあったよ」
「それはすごいですね。見たことがない」
「地元の人も初めてだってさ」
まったく今年の寒波は凄まじいが、それで怖気づいては冬の北海道を観光できない。今年ももちろん各地の冬まつりに行くが、実はまだ、行きの飛行機のチケットを取っていない。8日(金)も休めるかどうか様子を窺っていたら、ズルズル日にちが経ってしまったのだ。今年はひょっとしたら、鉄路での道内入りになるかもしれない。
さて対局。私は居飛車から飛車先の歩を交換し、▲3五歩と伸ばす。△4四銀には▲3八飛。大野七段は△7二飛だが、のちの△7五飛~△3五飛の歩得には、▲同飛と応戦して下手十分だから恐くない。
大野七段は△5五歩。私は▲4六歩~▲4七銀。大野七段、△5四金。ここで▲3六銀が継続の構想だったが、その前に▲4五歩を利かすかどうかで迷い、指しそびれた。私は▲6七金右とし、矢倉を目指す。しかし▲5六歩型ではないので、角の活用がむずかしい。
そこへW氏が来た。立派な重役出勤である。W氏と会うのも久しぶりで、あらためて挨拶する。
大野七段は△2四歩~△2三銀。さらに△3四歩とされ、ここで事の重大さに気付いた。こんな歩、当然▲同歩と取りたいが、△3五歩とフタをされ、次に△3四銀と盛り上がられて困る。
私は▲3四同歩と取り、それを取り返される前に暴れるが、いかにも苦しい。以下は上手に気持ち良く攻められ、惨敗した。
感想戦に移るが、大野七段のアドバイスでは、やはり▲3六銀を早く決め、右金も5八のままで進めるべきだったらしい。かくして、新年最初の指導対局も、苦いスタートとなった。
W氏と談笑する。LPSA駒込サロンでもそうだったが、対局の合間のおしゃべりが、ほどよい息抜きとなるのだ。
コンロの前に、コーヒーメーカーがある。昨年末、中井女流六段がみなにプレゼントしたものらしい。
しかし生徒はどちらかというとコーヒー牛乳が好きで、本格コーヒーはお呼びでない。
そういえば、中井女流六段はコーヒーが好きである。「倉敷藤花戦・勝手にマッカラン勝負」の賞品にも、私はコーヒーカップとドリップコーヒーをプレゼントした。そこで、
「実は中井さんが自分で飲むためにプレゼントしたんじゃないの?」
の声も上がった。私はただただ黙っていた。
続いて植山七段に指導いただく。と、植山七段が
「もう(大野先生との将棋)終わったんですか?」。
私が曖昧にうなずくと、「簡単に終わってるじゃないですか。もっと一局の将棋を大事にしないと」
と、いつにない厳しい口調で言った。私も気を引き締める。
前を見ると、Ha氏との指導対局が熱戦になっていた。植山七段が強引な寄せを見せ、下手玉は風前の灯である。

上手・植山七段:7六馬、8四桂、8七香 持駒:銀、香
下手・Ha氏:1一竜、9五玉、9六歩、9八馬 持駒:金、銀、桂2…

この局面で上手の手番。植山七段は持ち駒の銀を手に持った。
(つづく)
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