一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第5回 信濃わらび山荘将棋合宿(第6手)・対局つづくパート2

2012-11-11 00:04:06 | 将棋イベント
午後10時22分、私はKun氏と対局。振り飛車党のKun氏、今回の合宿では全局居飛車宣言をしている。最近は振り飛車党のHon氏が居飛車を勉強、居飛車党のFuj氏が振り飛車を勉強、じっくり型のR氏は横歩取りを自分のものにしようとしている。ジョナ研メンバーの志の高さは相当なものだ。
私の先手で、▲7六歩△3四歩▲7五歩。ミエミエの石田流明示で、Kunさん、これでも居飛車で指しますか? と私は問うたのだ。
Kun氏は苦笑した後、△8四歩。さすがだと思った。
しかし▲7八飛△8五歩▲4八玉に、角を換わって△4五角がKun流。居飛車ではいくけど、タダでは収めませんよ、という指し手だ。
私は▲7六角。△3二金▲3八玉△8六歩。しまった…。これに▲同歩は△同飛▲8七歩△7六飛▲同飛△6七角成で先手不愉快。私は泣く泣く▲5八金左だが、Kun氏に△8七歩成とされ、▲同角以下おもしろくなかった。
ところが将棋はむずかしいもので、以下Kun氏に疑問手が出て、私の勝ち。しかしここからが長い。Kun氏もW氏に劣らず感想戦…というか、研究好きである。私も石田流の急戦は不案内なので、勉強した。
本局、序盤でどうやっても私が不利になる。いろいろ調べたが、△8七歩成を▲同角と取ったのがマズかったようだ。ここは▲同銀が正着と結論づけたが、いま考えれば△8六歩に▲同歩△同飛▲5八金左で差し支えなかったようだ。
感想戦終了は11時10分。対局より感想戦のほうが長かったのではないか?

「Honさん、将棋指す?」
と私。
「ああ、指しましょうか」
「何だよHonさん、Honさんも将棋好きだなー」
という訳の分からない会話を経て、11時19分、今度はHon氏と対局。今回3局目だ。
Hon氏の四間飛車藤井システムに、私は穴熊を指向する。ところがHon氏に急攻を見せられ、穴熊を断念。美濃に変更したが、Hon氏に4筋の歩を交換され、また指しにくくしてしまった。
中盤、Hon氏に玉頭を攻められ、私の玉は▲8五まで釣りだされる。ここで△4二角と玉の退路を断たれていたら私が悪かったが、別の手だったので、私は玉を引き、小康を得た。
隣では、Kun氏と、眠りから覚めたKaz氏が対局している。この合宿は、どの組み合わせもおもしろい。どうかすると、対局より観戦のほうがおもしろい。
Hon戦、最後は私の勝ち。対Hon戦の3局は、全部拾わせていただいた。
と、中井広恵女流六段、Minamiちゃんが起きてきた。コテージ内の部屋で眠っていたらしい。それぞれ4~6人部屋なので、ベッドはあり余っている。
寝起きの中井女流六段がアンニュイな感じで、こよなく色っぽい。Kaz氏が「中井先生、いいッスよねえ…」と嘆息した。
今回の合宿では植山悦行七段とR氏が休みで、中井女流六段とお近づきになれるチャンスが拡大したと歓んでいたのだが、とんだ伏兵がいたものだ。
しかし中井女流六段、Minamiちゃんは、そのまま離れで就寝となった。中井女流六段はあすの運転もある。今宵はゆっくり休んでください。
日付変わって午前0時18分、スマホで、ブログの更新をする。3日と4日のぶんは先月26日のジョナ研の模様を書いているが、3日付では、中井女流六段の神経を逆撫でするようなことを書いている。棋友は「いまのうちに書き直せ」と忠告してくれるが、スマホで文章を書くのは意外にめんどうなのだ。ど、どうしようか…。
休憩を終えた大野八一雄七段に、角落ちで再び教えていただく。相居飛車のでだしで、大野七段が「まあこの時間だから」と△3五歩。私も大野七段に数多く角落ち戦を教えていただいているが、△3五歩の位取りがいちばんイヤだ。
それに加え、仮眠してシャキンとしているプロと、連戦で疲れもたまっているアマでは、将棋の勢いも違う。▲4五歩△同歩に、私は▲6八の角で▲2四角と切り角銀交換の強攻に出るが、これはさすがに無謀だった。以下、簡単に切らされて負け。
▲2四角では▲3五歩と抑え、△4四金に▲3六銀と出れば下手が十分だったという。夜も更けて、辛抱が足りなかった。感想戦終了は0時39分。せっかくプロに教えていただいているのだから、もっと将棋を大事にしないといけない。
続いてHis氏と。私の後手で、▲7六歩△6二銀。His氏は最近筋違い角を常用しているので、それを防いだ。結果、His氏のふつうの中飛車に落ち着いた。
広間はだいぶ人数が減り、あとはKun-Fuj、Hon-Kaz戦が行われているのみ。それを観戦しているW氏。
私はHis氏に完敗。His氏の中飛車が原始中飛車風になり、5筋からの殺到を私が受け損ねた。すると、His氏が神妙に、「あのう、もう一局お願いできますか」というので、私もお付き合いした。His氏、本当に将棋が好きだ。もちろん私も。
2局目は私の先手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩と指したら、
「ワタシはゴキゲン中飛車が好きなんだけど、最近は優秀な対策が出てきて…それでワタシも考えた手があんのヨ」
と、角を換わって△6五角。なんだ、いつもの筋違い角ではないか…。
この将棋は激戦となった。いくらか私が優勢だと思ったが、His氏の追い込みも凄い。
最終盤、△9四角と、▲7六玉に王手。私は▲8五桂ハネで受ける。His氏、△7九竜と回ってまた王手。私は▲7七金だが、△7五香と打たれて飛び上がった。トン死である。
相手の持ち駒なんか見ていなかった。香があるなら、△7九竜には▲8六玉で、それまでだったのに…。His氏のスタミナに負けたという感じだった。
さらに時間が経ち、最後に残ったのは▲Kaz-△Fuj戦である。横歩取り系の将棋だった。▲7五歩△同歩に▲7四金がFuj流。深夜にこのまったりとした指し手はどうなのだろう。
これに意表を衝かれたのか、数手後Kaz氏が△9七桂成としたのが失着。Fuj氏に▲8六歩と戻され、指す手がなくなってしまった。桂成では不成とすれば、次に△8九桂成があり、これなら互角だった。
本譜はKaz氏が戦意喪失で投了。きょうはちょっと早いが、これでお開きにしよう…というところで、Fuj氏が中倉彰子女流初段-Tod氏の指導対局を並べ始める。これ、私たちの間でけっこう話題になっている将棋なのだ。
急所の局面を並べて、Kaz氏が唸る。ハイ、これできょうはもう終わり! というところで、「でもここで上手が△5二角と受けたら、現実問題どうするんだろ?」とFuj氏が続けるので、さすがに私が制止した。もう、Fuj氏に駒を持たせたらダメである。
就寝は2時すぎ。さすがにきょうは、すぐに眠りに落ちた。
このころ、函館の植山七段の身に、たいへんな災難が降りかかっていようとは、私たちは知る由もなかった。
(13日につづく)
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