一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第5回 信濃わらび山荘将棋合宿(第4手)・中井広恵女流六段の教え

2012-11-09 00:12:04 | 将棋イベント
感想戦には、中井広恵女流六段が加わってくれた。いまさらだが、こんな素人の将棋にアドバイスをいただけるとは、ありがたいことである。
中井女流六段は、△7五角に▲6六銀と打ったのがややもったいなく、働きの悪い▲4六銀を▲5七銀と活用すべき…とのことだった。まあこれは私も感じていたからいいとして、自陣が攻め込まれている中で▲1五歩の端攻め、△6六歩の金取りを放置して相手玉への殺到など、私が読まなかった順ばかり披露され、またもや目からウロコが落ちまくった。
もう、プロの視点が、私などとは全然違う。いったい、私がいままで指していた矢倉は何だったのだろう。ただ形を真似ていただけではないのか。これはもっともっと、将棋を勉強しなければいけないと思った。
W氏が、ちょっと眠ってくるという。後で大野八一雄七段から聞いたのだが、きのうW氏は自室で、大野七段と午前5時までおしゃべりをしていたという。
ふたりは大野教室等でよく顔を合わせており、徹夜をしてまで何を話すことがあるのかと思うが、そのくらいふたりは仲がいいのだろう。
私は再びHon氏と指す。きょうはどんなに遅くまで指しても、家に帰る必要はない。Hon氏の瞳はキラキラ輝いていた。
将棋はHon氏の雁木。Hon氏は振り飛車党だが、石橋幸緒女流四段直伝の雁木戦法も得意である。雁木は▲6五歩と角道を開けられると厄介と思う。私は△6四歩と防いだが、それでも▲6五歩と来られた。
以下、Hon氏の指し手が冴え、またもHon氏の勝勢。私は△6四飛と、▲6九玉に王手。Hon氏は▲6八歩と低く受けたが、ここは▲6七歩が優った。というのも、あとで△6六桂の両金取りが生じたからだ。
以下△5八桂成▲同玉△7六角が、▲5八玉と▲3二竜の王手竜取り。これで形勢がひっくり返った。前夜に続いて今回も、勝ちを拾わせていただいた。
もうすぐ昼である。きょうは信濃川上駅まで、Kun氏とKaz氏を迎えに行かなければならない。
山荘の庭に出るが、紅葉が綺麗である。もっとも管理人さんによると、今年は寒暖の差があまりなかったため、紅くなりきらずに散り始めているという。
我がスマホは中井女流六段の待ち受け画面だが、そろそろ新規の画像も入手したいところである。中井女流六段にモデルを所望すると、快諾してくれた。
中井女流六段にポーズを取ってもらい、紅葉をバックにカシャッ。天から降りそそぐ陽光が、後光に見えた。
信濃川上駅にはクルマで10分、午後12時5分に着いた。
駅舎からKun氏とKaz氏が出てくる。ふたりは特急あずさと普通列車を乗り継ぎ、12時03分、この駅に到着したのだ。
ふたりは「将棋指したいオーラ」をムンムン発散させている。すでにあずさ車内で「あずさ杯」を指し、Kaz氏が勝ったという。Kaz氏は同棋戦三連覇となった。ちなみに今年5月の「レッドアロー杯」では、Kun氏が優勝している。ただでさえ「将棋バカ色」が強いこの合宿、ふたりが加わって、一段と濃密になった。
私たちはそのまま、駅前の大衆食堂に入る。この合宿で唯一の瑕瑾が、2日目の昼食である。もう少し工夫があってもいいと思うが、毎回駅前の食堂で済ませてしまう。
食堂内はテーブル席と座敷席があるが、今回は気分を変えて座敷に上がった。別に追いかけたわけではないが、隣は中井女流六段だった。
私は天丼を頼む。けっこう待たされたから期待したのだが、天丼という名の衣丼という感じで、いままで食べたことのない味だった。
とにもかくにも腹がくちて、私たちはきのうスーパーへまた買い出し。将棋を指していると、体が水分を欲する。とてもきのう買った分では足りないのだ。
店内に入り、私は餅菓子等をカゴに入れる。今年はMinamiちゃんとHanaちゃんがいるからか、お菓子の消費が思った以上にあったからだ。
山荘着、1時50分。Sat氏とN氏は明朝帰るので、全員揃っているいまのうちに、記念撮影を済ませておく。
食堂に入り、まずは詰将棋トライアルである。きのうは大野七段の出題だったが、きょうは中井女流六段が出題する。
問題は3手詰と5手詰で、計18問。きのうよりはサクサク解けそうだ。めんどうなのがFuj氏で、早解き王?の私を、勝手にライバル視している。
しかし私だってここまで、タイムトライアル三連覇である。そう簡単に王座は渡せない。
持ち時間20分で、トライアルスタート。これは解きやすい。どんどん解く。アハ体験しまくりである。今回はスピード勝負。解答を記入するスピードも早める。
そこにFuj氏が、同じ問題が2つある、と言う。どうも、中井女流六段がしくじったらしい。しかしFuj氏、そこの問題まで到達したということか?
私は焦らず続ける。と、大野七段が名乗りを上げた。4分57秒。さすがの早さだ。少し遅れて私。5分30秒台だった。私はFuj氏を見やる。そのFuj氏は、6分10秒台で3番手だった。
別団体の食堂の利用時間が迫っているらしく、詰将棋の解答は5分切り上げ、「ヨミの勉強」に移った。題材は中井女流六段-香川愛生女流1級の実戦で、中盤の一局面から、本線を読めるだけ読む、というもの。
正解がある詰将棋より、こちらのほうが難しいともいえる。その解説は、コテージに場所を移し、大判の駒を使って行われた。
実戦は、なるほどと唸る進行。プロはここまで深く読んで、指し手を進めているのか。いやはや、恐れ入った。ちなみに私は3手目で疑問手を指し、メロメロ。己の未熟を露呈してしまった。
Fuj氏が私に、(スマホを見ながら)女流王座戦を並べてほしいという。きょうこの時間、東京では、女流王座戦第2局、加藤桃子女流王座と本田小百合女流三段の一戦が行われているのだ。しかしFuj氏の将棋探究心は、常人をはるかに越えている。
将棋は角換わり相腰掛け銀。これなら本田女流三段も力を発揮するだろう。
こちらの対局に戻る。ここではMinamiちゃんと指したと思う。
私の二枚落ち。自然と定跡外しになってしまったが、Minamiちゃんはしっかり指している。私の悪手も的確に咎め、これはマジでやばくなってきた。
Minamiちゃん、▲3四飛と飛び出す。△3二金を助けるためには△4二玉しかないが、△5四銀が浮いたため、▲5四飛と、ボロッと取られてしまった。
さらに▲9七角と急所に覗かれ、これが間接的に上手玉を睨んでいる。もう踏んだり蹴ったりで、これは負けたと思った。
しかし最後は私の勝ち。Minamiちゃんは残念だったが、このぶんなら私に勝つのも時間の問題であろう。
時刻は4時半近くである。風呂に入ってしまう。夕食前の風呂も味がいいものである。
風呂から上がって、Kaz氏と対局…だが、Fuj氏が女流王座戦の続きをとうるさい。私は続きを並べるが、加藤女流王座が優勢である。ここで本田女流三段が落とすとツライ。
さて、Kaz氏と対局で、私の後手。後手番になったら、△4五角戦法で指してみたい手があったので、これはおもしろいことになった。
将棋は▲2六歩△3四歩▲7六歩△3四歩。よしよし…とほくそ笑んでいたら、11手目▲2四同飛に△2三歩と打ってしまった。Kaz氏は▲3四飛だが、△2八歩~△4五角が指せない。私は仕方なく△2五角だが、これでは予定が大幅に狂ってしまった。
その後はKaz氏に馬を作られ、戦意喪失した私は、いくばくもなく投了した。不甲斐ない指し手で、Kaz氏には申し訳なかった。
さて、夕食の時間である。私は角の席に着くが、向かいはHon氏、まわりもジョナ研メンバーばかりである。しかしそれでよい。
ところが私がたまたま席を外していると、Fuj氏が私の席に座りそうになった。
現在、中井女流六段の向かいは空いている。私はFuj氏に、どちらの席に座るか問うた。Fuj氏の選択は?
(つづく)
コメント (4)
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