一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤井二冠、高校を中退

2021-02-21 00:07:46 | 男性棋士
16日、藤井聡太王位・棋聖が名古屋市の高校を中退したとのニュースが入った。
一高校生の中退など大したことではないと思うが、いまをときめく二冠王の決断となれば結構なニュースで、読売新聞でも記事になった。
藤井二冠は高校3年生。退学の日付は1月末日だったようである。私の高校の場合、3年の3学期は受験勉強もあるから登校日が数日あるのみで、卒業式は3月1日だった。つまり3学期はないに等しく、藤井二冠も似たようなものだったと思うが、あと1ヶ月あまり、なぜ辛抱できなかったのだろう。
ただ記事を読み込んでいくと、藤井二冠は昨年秋ごろから、退学の意思を固めていたという。一刻も早く将棋に専念したかったらしい。だがそれなら学校側も、特例で卒業を認めてやったらどうだったのか。特例、は藤井二冠の場合まさにそうで、高校生でありながら将棋八段、タイトル2期に棋戦優勝数回、順位戦はB級1組昇級を決め、竜王ランキング戦ではいまだ負け知らず。昨年の対局料と賞金は4,500万円を越え、まさに「特例」にふさわしい。学校が卒業証書を渡したって、誰も文句は言わないだろう。
もっとも杉本昌隆八段によると、藤井二冠は出席日数が足りなくなっていたようだ。すなわちこのままいけば留年確定で、卒業どころではなかった可能性があるのだ。
そうなれば事情もやや変わって、学校側もおいそれと卒業証書は出せないところがある。
もっとも藤井二冠において、学歴はもはや必要がないといえる。これが求職中の私になると学歴は重要で、最低限高校は卒業していないと、その時点でハジかれる(いや違う、私は高校を卒業していても、履歴書送付の時点で9割以上不採用である)。藤井二冠は死ぬまで棋士であり、星野良生五段のように企業に就職することもないだろうから、履歴書を書く機会は永遠にない。となれば藤井二冠にとって卒業証書はただの紙切れに過ぎず、もはやどうでもいいのだ。
そういえば藤井二冠は、東京オリンピックの聖火ランナーも辞退した。これも結構な決断で、私が聖火ランナーになったら末代までの自慢で、何があっても走るところだ。
だがこれも庶民の浅はかな考えで、藤井二冠はすでに、末代までの自慢事をいくつも達成している。いまさら「聖火ランナーの栄誉」が加わったところで、何のよろこびもないのだ。
しかし……である。ここまで鬼神のように強かった藤井二冠が、今後は煩わしい高校生活(失礼)から解放され、将棋の勉強に専念する。当然棋力もバージョンアップするわけで、その破壊力は計り知れない。いやはや、藤井二冠はどこまで強くなるのだろう。
もはや不可能といわれる「八冠王」も夢ではない。私が死ぬまでに見たいものだ。
コメント (2)
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